- 406 ◆tYDPzDQgtA 2016/12/11(日) 21:02:02 ID:J6LzPr3E0
例えばそれは踏み固められたつなぐ道、時には森の獣道。
騒がしい酒場の熱気、賑やかな町の営み。
周囲にはいつも退屈とは無縁のものばかり。
聞こえるのは風を斬る音、たゆたうような詩人の歌声、獣じみた幼い咆哮。
刃を振るい、歌声を響かせ、魔力を用い、路銀を稼いで進むのは三人。
一人は不機嫌そうに顔を歪める、若い女戦士。
もう一人は、軽薄そうにへらへら笑う優男の吟遊詩人。
そんな二人の後ろをついて歩く、小さな魔族の子供。
【道のようです】
【第八話 いい加減にしなさい君は。】
彼らの進む先にはいつも、血肉の臭いと歌声が存在する。
- 407 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:03:07 ID:J6LzPr3E0
てくてく、とことこ。
舗装されていない、剥き出しの土の上を歩く三つの足。
山の隙間にある道で、左右は高い崖に挟まれていて、視界は極めて悪い。
しかしまっすぐ進めばいずれ視界は開けて、次は再び森の中に入る道。
ξ゚⊿゚)ξ「デレ、大丈夫?」
ζ(゚- ゚*ζ「あい」
ξ゚⊿゚)ξ「うむ」
爪'ー`)y‐「ツンちゃんツンちゃん」
ξ゚⊿゚)ξ「んー?」
爪'ー`)y‐「あれ何だと思う?」
ζ(゚- ゚*ζ「ぷるぷる」
ξ゚⊿゚)ξ「スライムね」
- 408 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:03:52 ID:J6LzPr3E0
爪'ー`)y‐「僕の足に絡んでるのは何だと思う?」
ζ(゚- ゚*ζ「ぷよぷよ」
ξ゚⊿゚)ξ「スライムね」
爪'ー`)y‐「ああー上がってきてるーこわいー酸性じゃないだけマシだけどこわいー」
ξ゚⊿゚)ξ「あんた戦闘面では驚くほどどんくさいわよね……」ザクー
爪'ー`)y‐「あー怖かった、核の部分を刺せば死ぬんだね」
ζ(゚- ゚*ζ「どんくさ?」
爪'ー`)y‐「傷付く」
ζ(゚- ゚*ζ「おにさん」
爪'ー`)y‐「はいはい」
ζ(゚- ゚*ζ「うしろ」
爪'ー`)y‐「後ろ?」
ζ(゚- ゚*ζ「でっかいむし」
爪;'Д`)y‐「ツンちゃん助けて」
- 409 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:05:10 ID:J6LzPr3E0
ξ;゚⊿゚)ξ「何よ虫くらいで情けなキモッ!?」
爪;'Д`)y‐「でかいんだけど予想以上にでかいんだけどこれ!」
ξ;゚⊿゚)ξ「バックパック!? それ虫を模したバックパック!?」
爪;'Д`)y‐「そんな悪趣味な物は装備しないよ!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「ま、待って下手に切ると毒を持つ可能性が」
ζ(゚- ゚*ζ「やあ」
⊂彡バシュー
爪'ー`)y‐
ξ゚⊿゚)ξ
ζ(゚- ゚*ζ「これおいしい」
爪'ー`)y‐「捨てなさい」
ξ゚⊿゚)ξ「美味しいのか……」
爪'ー`)y‐「やめなさい」
- 410 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:06:03 ID:J6LzPr3E0
ζ(゚- ゚*ζ「おいしいなのに」
ξ゚⊿゚)ξ「残念……」
爪'ー`)y‐「やめなさい、もいだ足がまるで蟹の様だから見せるのやめなさい」
ζ(゚- ゚*ζ「ゆでる、おいしい」
爪'ー`)y‐「やめなさい」
ξ゚⊿゚)ξ「私これ食べてみたい」
爪'ー`)y‐「やめなさい」
ζ(゚- ゚*ζ「おにさんひどい」
ξ゚⊿゚)ξ「ひどい」
爪'ー`)y‐「ひどくなーい先に進みますからねー」
ζ(゚- ゚*ζ「ぐあん」
ξ゚⊿゚)ξ「ごはん」
爪'ー`)y‐「君たちはもうちょっと理性的に生きようと言う気は無いの?」
- 411 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:06:50 ID:J6LzPr3E0
ζ(゚- ゚*ζ「う」
ξ゚⊿゚)ξ「ん?」
ζ(゚- ゚*ζ「うえ、とり」
爪'ー`)y‐「鳥? あー、魔物だねぇ」
ξ゚⊿゚)ξづ「狐下がって!」グッ
爪'ー`)y‐「ぐぇっ」バシュッ
ξ゚⊿゚)ξ「いきなり攻撃して来やがって……」
ζ(゚- ゚*ζ「とり、にんげん、ごはん」
爪'ー`)y‐「あー……倒しとく? 被害出そうだし」
ξ゚⊿゚)ξ「しかしあの高さでは、斧を投げてもなぁ」
爪'ー`)y‐「デレちゃん魔法は使えない?」
ζ(゚- ゚*ζ「まほ?」
爪'ー`)y‐「駄目そうだわ」
- 412 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:07:33 ID:J6LzPr3E0
ξ゚⊿゚)ξづ「仕方がない」ガッ
づ爪'ー`)y‐「えっ?」
ξ#゚⊿゚)ξ三つ「いっけぇえええええぇ!!!」ブォンブォン
-=三爪;'Д`)「あああああああああ!!!」ヒュボッ
<ギャー
<ゴシャー
<ドサァ
<グチャ
ξ゚⊿゚)ξ「よく飛んだわ」
ζ(゚- ゚;*ζ「ぅゎ……」
ξ゚⊿゚)ξ「回収に行くわよデレ」
ζ(゚- ゚;*ζ「あ、あい」
- 413 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:08:22 ID:J6LzPr3E0
ξ゚⊿゚)ξ「ねぇデレ」
ζ(゚- ゚*ζ「あい」
ξ゚⊿゚)ξ「……今は難しいだろうから、無理に答えなくても良いんだけど」
ζ(゚- ゚*ζ「う?」
ξ゚⊿゚)ξ「前に人間を憎んでいないって言ったわよね」
ζ(゚- ゚*ζ「ん」
ξ゚⊿゚)ξ「……じゃあ、あなたの両親を殺した人間を、憎む?」
ζ(゚- ゚*ζ「…………」
ξ゚⊿゚)ξ「復讐出来るとしたら、する?」
ζ(゚- ゚*ζ「デレ、おねさん、かわれた」
ξ゚⊿゚)ξ「……買ってない」
ζ(゚- ゚*ζ「おねさん、ごしゅじん」
ξ゚⊿゚)ξ「違う」
ζ(゚- ゚*ζ「ちがうない」
- 414 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:09:28 ID:J6LzPr3E0
ξ゚⊿゚)ξ「違うわよ」
◎⊂ζ(゚- ゚*ζ「おかね」
ξ゚⊿゚)ξ「……持っときなさい」
ζ(゚- ゚*ζ「デレ、だいきん」
ξ゚⊿゚)ξ「違うから」
ζ(゚- ゚*ζ「うー」
ξ゚⊿゚)ξ「……そのお金も、狐が出したんだから」
ζ(゚- ゚*ζ「うー!」
ξ゚⊿゚)ξ"「…………」プイ
ζ(゚- ゚*ζ「……がう」
ξ゚⊿゚)ξ「……急がなくて良いわよ」
ζ(゚- ゚*ζ「がう?」
ξ゚⊿゚)ξ「言葉は、どんどん覚えれば良いんだから」
ζ(゚- ゚*ζ「……あい」
- 415 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:10:03 ID:J6LzPr3E0
ζ(゚- ゚*ζ(おかね、いらない)
ζ(゚- ゚*ζ(おねさん、デレたすけた)
ζ(゚- ゚*ζ(だから、ごしゅじん)
ζ(゚- ゚*ζ(うー)
ξ゚⊿゚)ξ「狐の落下地点はこの辺か……」
ζ(゚- ゚*ζ「がうがう」
ξ゚⊿゚)ξ「居た?」
ζ(゚- ゚*ζ「えぐ」
ξ゚⊿゚)ξ「うわ……」
ζ(゚- ゚*ζ「ぱーんした、うえ、ない」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね……胸から上が潰れてるわ……」
ζ(゚- ゚*ζ「がう、おにく」
ξ゚⊿゚)ξ「食べちゃダメよ」
- 416 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:10:52 ID:J6LzPr3E0
ζ(゚- ゚*ζ「おねさん、おにさん、どこ?」
ξ゚⊿゚)ξσ「これ」
ζ(゚- ゚*ζ
ξ゚⊿゚)ξσ
ζ(゚- ゚;*ζ
ξ゚⊿゚)ξ(あ、前は溺死だったから初死目撃か)
ζ(゚□゚;*ζ「おにさん!? おにさぁあああ!!?」
ξ゚⊿゚)ξ(新鮮な反応だわー)
ζ(゚□゚;*ζ「おねさん!? おにさんぐしゃぐしゃ!!? おにく!!?」
ξ゚⊿゚)ξ「食べちゃダメよ」
ζ(゚□゚;*ζ「たべるない!!?」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫よ死んでるけど」
ζ(゚□゚;*ζ「だいじょうぶ!? だいじょうぶない!?」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫大丈夫」
- 417 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:11:47 ID:J6LzPr3E0
爪 Д#;:,, ジュル…ジュル…
ζ(゚□゚;*ζ「おねさ!? おねさん!? おにさんじゅるじゅる!?」
ξ゚⊿゚)ξ「日常風景よ」
ζ(゚□゚;*ζ「がうぅ!?」
爪'ー`)+ペカ
ζ(゚□゚;*ζ「ぎゃうー!? おにさもどた!? あう!? あうぅ!?」
爪'ー`)y‐「新鮮な反応だ」
ξ゚⊿゚)ξ「三日で慣れるわよ」
爪'ー`)y‐「ツンちゃんは正座」
ξ゚⊿゚)ξ「してる」
爪'ー`)y‐「よろしい説教だ」
ξ゚⊿゚)ξ「はい」
ζ(゚□゚;*ζパカー
- 418 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:12:58 ID:J6LzPr3E0
爪'ー`)y‐「君ね護衛なんだからね」
ξ゚⊿゚)ξ「スライムからは助けたから」
爪'ー`)y‐「何で僕を投げたんだい? ん?」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたは投げて潰れても戻るでしょ?」
爪'ー`)y‐「そうだね」
ξ゚⊿゚)ξ「師匠から賜った斧は潰れたら戻らないの」
爪'ー`)y‐「そうだね」
ξ゚⊿゚)ξ「だから投げた」
爪'ー`)y‐「お昼抜きだから」
ξ゚⊿゚)ξ「すみませんでした」
爪'ー`)y‐「抜きです」
ξ゚⊿゚)ξ「許して下さい」
爪'ー`)y‐「駄目です」
ξ゚⊿゚)ξ「そこを何とか」
爪'ー`)y‐「無理です」
- 419 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:13:37 ID:J6LzPr3E0
ξ゚⊿゚)ξ「お腹が空いたら戦えない」
爪'ー`)y‐「ここに虫を即殺した魔物の子が」
ζ(゚- ゚*ζ「がう?」
ξ゚⊿゚)ξ「私のアイデンティティが……!?」
爪'ー`)y‐「反省して護衛」
ζ(゚- ゚*ζ「おにさん」
爪'ー`)y‐「うん?」
ζ(゚- ゚*ζ「おねさんいじめてる」
爪'ー`)y‐「説教です」
ζ(゚- ゚*ζ「うー?」
爪'ー`)y‐「悪い事をしたら怒られるだろう?」
ζ(゚- ゚*ζ「うん」
爪'ー`)y‐「あのお姉さんは人を殺したんだよ、だから怒っているんだ」
ζ(゚- ゚*ζ
ζ(゚- ゚*ζ「むりない」
爪'ー`)y‐「だろ?」
- 420 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:14:22 ID:J6LzPr3E0
ξ゚⊿゚)ξ「デレにまで頷かれた……」
爪'ー`)y‐「良いから進むよ」
ξ゚⊿゚)ξ「分かってるわよ……はぁ、お昼ご飯が……」
爪'ー`)y‐「ほんと食には貪欲だよねぇ」
⊂ζ(゚- ゚*ζ「むしあしゆでる?」
ξ゚⊿゚)ξ「生では無理かしら」
爪'ー`)y‐「捨ててそのカニもどき」
ξ゚⊿゚)ξ「でも狐、あんた先に進めるの?」
爪'ー`)y‐「何が?」
ξ゚⊿゚)ξ「ここ他に道無いでしょ」
爪'ー`)y‐「うん」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたが落下して叩きつけられたこれ」
爪'ー`)y‐「壁?」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃなくて、岩」
- 421 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:15:17 ID:J6LzPr3E0
爪'ー`)y‐
ξ゚⊿゚)ξ
ζ(゚〜゚*ζモグモグ
爪'ー`)y‐「あっ壁が三面だと思ったらこれ岩って言うか待ってデレちゃん待って何食ってんの」
ξ゚⊿゚)ξ「こいつ先に飯を……!?」
ζ(゚- ゚*ζ「むしおいしい」
爪;'Д`)y‐「やーめーてーよーぉ!!」
ξ゚⊿゚)ξ「相変わらずブッサイクだなその顔……」
爪'ー`)y‐「これ岩……岩だよね? 落石?」
ξ゚⊿゚)ξ「切り替えはっや。 落石でしょうね、一本道だしこっちにしか行けないはず」
爪'ー`)y‐「えー何これ……壁くらいあるんだけど……5mくらい無い……?」
ξ゚⊿゚)ξ「どうする?」
爪'ー`)y‐「どうするったってなぁ」
- 422 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:16:13 ID:J6LzPr3E0
ξ゚⊿゚)ξ「狐が私にご飯を与える理由がいくつかあります」
爪'ー`)y‐「えっ」
ξ゚⊿゚)ξ「まず私はお腹が空いた」
爪'ー`)y‐「はい」
ξ゚⊿゚)ξ「そしてこのままでは立ち往生」
爪'ー`)y‐「はい」
ξ゚⊿゚)ξ「さらに私はこの岩を穿つ事が出来る」
ζ(゚- ゚;*ζ「おねさんにんげん?」
ξ゚⊿゚)ξ「うん」
爪'ー`)y‐「悲しいかな人間」
ζ(゚- ゚;*ζ「にんげんつよい」
ξ゚⊿゚)ξ「そうだろうそうだろう」
爪'ー`)y‐「ツンちゃんが異常なだけだから」
- 423 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:16:56 ID:J6LzPr3E0
ξ゚⊿゚)ξ「さあどうする」
爪'ー`)y‐「ツンちゃんまるで居直り強盗みたい」
ζ(゚- ゚*ζ「おねさん、こわせる?」
ξ゚⊿゚)ξ「壊せる」
爪'ー`)y‐「ほーんとにーぃ? さすがにこれキツくなーい? ただ昼飯食べたいだけでなくー?」
,,川*` ゥ´)
ξ゚⊿゚)ξ「試してはあげないわよ」
爪'ー`)y‐「と言うか雇用主にそんな態度で良いの?」
ζ(゚- ゚*ζ
ξ゚⊿゚)ξ「あんたの悪行全部国に報告すっぞ」
爪'ー`)y‐「それは面倒だから困る」
川*` ゥ´)
ξ゚⊿゚)ξ「面倒だからって理由がクソだわ……」
爪'ー`)y‐「えーぇぇえー?」
ζ(゚- ゚*ζ「おねさん」
ξ゚⊿゚)ξ「今こいつ倒すから待って」
- 424 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:17:38 ID:J6LzPr3E0
爪'ー`)y‐「倒せるーぅ? ツンちゃんが僕と口論でかーてーるーのーかーなーぁ?」
ξ゚⊿゚)ξ「すごいむかつく」
川;` ゥ´)
爪'ー`)y‐「はーん? ツンちゃん語彙が貧相ーぅ怒りの表現がそれだけー??」
ξ゚⊿゚)ξ「お前そうやって怒らせてこれどうにかしたいだけだろ分かってるからな」
川#` ゥ´)
爪'ー`)y‐「ねぇ聞いたデレちゃん今この子ったら僕の考えがお見通しみたいな事言っ」
爪'ー`)y‐「なんかいる」
ξ゚⊿゚)ξ「うわマジだ」
川#` ゥ´)「やっと気付いたのかよ朝飯お前ら!!」
爪'ー`)y‐「えっ何どっから来たの?」
川#` ゥ´)「空だよ!! 箒で飛べるからな!!」
- 425 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:18:35 ID:J6LzPr3E0
ξ゚⊿゚)ξ「あんた……魔女だからってそんな古風な……」
爪'ー`)y‐「今時は魔導師も魔女も箒になんて乗らないのに……」
川#` ゥ´)「あぁん!? 箒に乗る方がかっこいいだろうが!! ロマンだろうが!?」
爪'ー`)y‐「否定できない……!?」
ξ゚⊿゚)ξ「確かに……!!」
ζ(゚- ゚*ζ「おねさん? まじょ?」
川#` ゥ´)「そうさあたしがかの高名な魔女のア 何だよこの可愛いの!? 羊!? 亜人!?」
ζ('(゚- ゚∩*ζ"「がうー」
川#` ゥ´)「何アピールされてんだあたし!? がおーってアレか!?」
ξ゚⊿゚)ξ゙「キレ芸も良いと思うわ」
川#` ゥ´)「うっせぇアズキバー!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「ホームランしろよ!!」
川#` ゥ´)「お前の逆鱗なんなんだよ!!」
- 426 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:21:25 ID:J6LzPr3E0
川*` ゥ´)「あー喉いてぇ……」
爪'ー`)y‐「最初から飛ばすね君」
ξ゚⊿゚)ξ「名前なんだっけ」
川#` ゥ´)「ヒール!! アンソルスラン!! 魔女!! すごい(予定)魔女!!」
ξ゚⊿゚)ξ「ご丁寧にどうも」
川;` ゥ´)「お前ほんとわけわかんねぇのな」
ξ゚⊿゚)ξ「……で、何でまたこんなところに」
川*` ゥ´)「ふ、ふふん! この大岩をどかせるか見物に来たのさ!」
爪'ー`)y‐「暇なの?」
川#` ゥ´)「黙れや若ハゲ」
爪'ー`)y‐「次いわれの無い扱いをしたら君が泣くまで押さえ付けて大人げなく謗り続けるからね?」
川;` ゥ´)「お前の相方最低だな!?」
ξ゚⊿゚)ξづ「悲しいかな最初からわりと最低だけど人の相方を最低とか言わない」ガッ
川; ゥ )「やめろォ!! 顔を掴むのはやめろォ!!!」
ζ(゚〜゚*ζモグモグ
- 427 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:23:43 ID:J6LzPr3E0
ξ゚⊿゚)ξ「……で、この岩?」
川*` ゥ´)「そ、そうさ! あたしがお前らのためにわざわざ落としてやったのさ!」
ξ゚⊿゚)ξ(暇なのかな……)
爪'ー`)y‐(暇なのかな……)
川*` ゥ´)「ここでお前らが来た道を戻るしか無いのならあたしの勝ちだ!!」
ξ゚⊿゚)ξ(それで楽しいのかな……)
爪'ー`)y‐(友達いないのかな……)
川*` ゥ´)「さあどーする朝飯共! あたしの魔法の前に屈するか!!」
⊂ζ(゚- ゚*ζ「あい」
川*` ゥ´)「何これ」
ζ(゚- ゚*ζ「おいしい」
川*` ゥ´)「食べ物?」
ζ(゚- ゚*ζ゙「ん」
- 428 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:25:03 ID:J6LzPr3E0
川*` ゥ´)「お前ら朝飯の施しはー……いや朝飯じゃないかこのチビ……じゃあいけるか……?」
ζ(゚〜゚*ζモグモグ
川*` ゥ´)「食ってるし大丈夫か……」
爪'ー`)y‐(あっ……)
ξ゚⊿゚)ξ(私の取り分が……)
川*` ゥ´)「おいこのチビどうしたんだよお前ら」
ξ゚⊿゚)ξ「保護した」
爪'ー`)y‐「元奴隷」
川;` ゥ´)「慈善事業でもやってんのかよ……アホじゃねぇの……」
ζ(゚- ゚*ζ「おねさん、たべるない?」
川*` ゥ´)「なんだお前あざといし可愛いな……蹴鞠にするぞ……」
爪'ー`)y‐(ああ、こう言う可愛がり方するタイプか……)
ξ゚⊿゚)ξ(素直だなこの子……)
- 429 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:26:31 ID:J6LzPr3E0
爪'ー`)y‐「さてツンちゃん、APP8くらいの子に喧嘩売られたけどどうする?」
川#` ゥ´)「もうちょいあるつってんだろ!! THE平凡顔面みたいな言い方すんな!!」
ξ゚⊿゚)ξ「売られた喧嘩なら買うわ」
川*` ゥ´)「やってみろよアズ ホームランバー!! まぁあたしの不戦勝だろうけどな!!」
爪'ー`)y‐(アズキャンするんだ……)
ζ(゚- ゚*ζケプ
爪'ー`)y‐「デレちゃん……食べたね……」
ζ(゚- ゚*ζ「おいしい」
爪'ー`)y‐「よかったね……」
ζ(゚- ゚*ζ「おにさん、おねさんだれ?」
爪'ー`)y‐「ああ、彼女はなぜか喧嘩を売ってきた可哀想な感じの魔女だよ」
ζ(゚- ゚*ζ「かわいそ?」
- 430 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:27:23 ID:J6LzPr3E0
爪'ー`)y‐「そう……相手の実力も見ずに喧嘩を売る可哀想な子さ……」
川#` ゥ´)「聞こえてっからなクソイケメン!!」
爪'ー`)y‐「聞いたーデレちゃんイケメンだってー僕の事だよー?」
ζ(゚- ゚*ζ「いけめん」
爪'ー`)y‐「僕の事を指す言葉だよ」
ζ(゚- ゚*ζ「いけめん、おぼえる」
川*` ゥ´)「何教えてんのあのクソイケメン」
ξ゚⊿゚)ξ「クソしか合ってないわよ」
_,
爪'皿`)y‐「ツンちゃんのそう言うとこ本当嫌い」
ξ゚⊿゚)ξ「見ろあのブッサイクな顔」
川;` ゥ´)「今はブッサイクだけど地はイケメンじゃねーか!? 私の感性がおかしいみたいに言うな!?」
ξ゚⊿゚)ξ「おかしいのよ感性が」
川;` ゥ´)「自信すげーな!? いっそ無垢か!?」
- 431 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:28:29 ID:J6LzPr3E0
ξ゚⊿゚)ξ「しかしあんたも暇ね、私たちなんて出来たばかりのパーティなのに」
川*` ゥ´)「お前ら着々と役所に貼り出されてるやつでどんどん上がっていってるぞ」
ξ゚⊿゚)ξ「マジで」
爪'ー`)y‐「意外と」
ξ゚⊿゚)ξ「聞いてない」
爪'ー`)y‐「言ってない」
川;` ゥ´)「無頓着かよ」
ξ゚⊿゚)ξ「そしてなぜあんたは喧嘩を」
川*` ゥ´)「偉大な魔女になるために手始めにお前らをぶっ倒して名を上げる」
ξ゚⊿゚)ξ「脳筋か」
川#` ゥ´)「お前にだけは言われたくねぇぞおいメスゴリラ!?」
ξ゚⊿゚)ξづ「お前相手見て言えよ」ガッ
川# ゥ )「顔はやめろつってんだろ!!」
- 432 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:29:12 ID:J6LzPr3E0
ξ゚⊿゚)ξ「とにかくこの岩をどうにかしろと」
爪'ー`)y‐「デレちゃん飽きてきたから早く行こうよ」
ζ(゚- ゚*ζ「あきるない」
爪'ー`)y‐「ほら」
ξ゚⊿゚)ξ「飽きたのお前だろ……はいはいどうにかしますよ」
川*` ゥ´)「ふふん! どうにかなるもんな」
ξ゚⊿゚)ξ三つそ ドガッ
川*` ゥ´)「いや拳は無理だろ」
ξ゚⊿゚)ξ三つそ ガッガッ
川*` ゥ´)「さすがにこれは」
ξ゚⊿゚)ξ三つそ ドゴッゴシャッ
川;` ゥ´)「おい本物のバカかバケモンかどっちだこれ」
爪'ー`)y‐「悲しいよね、両方なんだ」
- 433 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:30:19 ID:J6LzPr3E0
爪'ー`)y‐「しかしさすがに一撃は無理かー」
川;` ゥ´)「英雄にはそんなの居るけど現実的じゃねーよ」
爪'ー`)y‐「目の前で着実に岩を拳で穿つ様は現実的?」
川;` ゥ´)「……まぁ……人の頭潰せるらしいしな……」
爪'ー`)y‐「潰されたよ、何度も」
川;` ゥ´)「お前は何でそんな玄人顔なんだよ引くよ」
爪'ー`)y‐「ところで君の事あんま知らないなー、魔女の家系のヒールちゃんだっけ」
川*` ゥ´)「そうだなそれ三回くらい言ったからさすがに覚えたんだな」
爪'ー`)y‐「身長体重スリーサイズとLINEのIDと家族構成と資産は?」
川;` ゥ´)「おい脳筋! てめぇの相方ろくでなしだろ!?」
< そんないまさら
川;` ゥ´)「お墨付きだったな! 知ってた!!」
- 434 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:31:35 ID:J6LzPr3E0
ζ(゚- ゚*ζ「まじょさん」
川*` ゥ´)「なんだ羊」
ζ(゚- ゚*ζ「ひつじない、デレ」
川*` ゥ´)「デレ? このチビの名前?」
爪'ー`)y‐「そうそう、デレちゃん9歳、元奴隷の魔族」
川*` ゥ´)「ほーん、亜人じゃなくて魔族か、亜人ほど珍しくねぇな」
ζ(゚- ゚*ζ「がう?」
川*` ゥ´)「言葉ろくにわかってねーのかこいつ」
爪'ー`)y‐「そうなんだよねぇ」
ζ(゚- ゚*ζ「まじょさん、おねさんたちきらい?」
川*` ゥ´)「おう成功してる奴らみんな嫌いだ」
爪'ー`)y‐「すげぇ堂々としてる」
- 435 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:33:39 ID:J6LzPr3E0
川*` ゥ´)「あとこいつらおちょくってくるからな、ムカつく」
爪'ー`)y‐「おちょくってるの僕だけだよ」
川*` ゥ´)「黙れクソイケメン」
爪'ー`)y‐「もっと言って」
川;` ゥ´)「キモい!!」
ζ(゚- ゚*ζ「がうー?」
川*` ゥ´)「がうーじゃねぇよ鳴くな」
爪'ー`)y‐「何でそう僕らに突っ掛かろうとするかねぇ君は」
川*` ゥ´)「会うの二回目の人間に色々話す気はねーぞ! 敵だしな!」
爪'ー`)y‐「あん意外とガード固い」
川*` ゥ´)「ペッペッ お前らみたいにきらびやかな見た目と業績残すやつ嫌い!」
爪'ー`)y‐「めっちゃ分かりやすい私怨貰った」
- 436 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:34:27 ID:J6LzPr3E0
川*` ゥ´)「ま、あたしは直系以外のアンソルスラン家を認めないクソ共を根絶やしにしたいだけさ!」
爪'ー`)y‐「根絶やしに」
川*` ゥ´)「だからまず、そんなクソ共を見返すためにも最近目につくお前らを狙ってんの!」
爪'ー`)y‐「貞操を?」
川#` ゥ´)「どうせねぇだろお前そんなもん!!」
爪'ー`)y‐「うんっ☆」
川#` ゥ´)「ギィイーッ!!」
爪'ー`)y‐「まあまあカリカリしないでよC……いやB+のお嬢さん」
川#` ゥ´)「どこ見て言ったァ! あたしのどこ見て言ったァ!!」
爪'ー`)y‐「おっぱい」
川#` ゥ´)「堂々とすんなカス!!」
ζ(゚- ゚*ζ「びーぷらす?」
爪'ー`)y‐「そうB+」
川#` ゥ´)「ムキーッ! ガキに何てもん仕込もうとしてんだ!!」
- 437 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:35:09 ID:J6LzPr3E0
爪'ー`)y‐「ところでさぁB+ちゃん」
川#` ゥ´)「ヒール!!」
爪'ー`)y‐「岩なんですけどね」
川*` ゥ´)「あん? やっと諦め」
,,ξ゚⊿゚)ξ「終わったわよ」
川*` ゥ´)
ξ゚⊿゚)ξ
川*` ゥ´)「重機とか……?」
ξ゚⊿゚)ξっ「重機(拳)」
川*` ゥ´)
ξ゚⊿゚)ξ
ζ(゚- ゚*ζ「かべ、あなある」
爪'ー`)y‐「マジでどうにか出来るもんなんだね」
- 438 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:36:10 ID:J6LzPr3E0
ζ(゚- ゚*ζ「おねさんつよい」
ξ゚⊿゚)ξ「まだまだよ」
爪'ー`)y‐「またまたご謙遜を」
ξ゚⊿゚)ξ「かの英雄の一人はこれくらい一撃だもの」
爪'ー`)y‐「またそう言うおとぎ話を」
ξ゚⊿゚)ξ「王都で宿屋の経営してるわよ」
爪'ー`)y‐「現存したぁ」
川*` ゥ´)
ξ゚⊿゚)ξ「で、勝負はどっちの勝ちかしら」
川*` ゥ´)「お」
ξ゚⊿゚)ξ「お?」
-=三川*` ゥ´)「覚えてろよばーかばーかクソ貧乳とクソイケメンと何か可愛いの!!」ヒュバッ
ξ#゚⊿゚)ξ「逃げんなゴラァ!!」
爪'ー`)y‐「おー飛んだ飛んだ」
ヾζ(゚- ゚*ζ「ばいばい」
- 439 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:37:01 ID:J6LzPr3E0
ξ゚⊿゚)ξ「チッ……次会ったら骨の一本も折るか……」
爪'ー`)y‐「一応町中でやると怒られるからね」
ξ゚⊿゚)ξ「外に引きずり出せば良いんでしょ?」
爪'ー`)y‐「こえー」
ζ(゚- ゚*ζ「こえー?」
ξ゚⊿゚)ξ「変な言葉覚えなくて良いわよ、行きましょ」
爪'ー`)y‐「しっかしアレだねぇ」
ζ(゚- ゚*ζ「まじょさん、すごい」
ξ゚⊿゚)ξ「すごい?」
爪'ー`)y‐「虫の足持って行ったし、これだけの岩を動かせるってすごくない?」
ξ゚⊿゚)ξ「前半はともかく後半は確かに、これだけの物を動かす、あるいは生成するのはなかなか」
爪'ー`)y‐「なーんで一介の冒険者に喧嘩売るかなぁ、本家には劣っても魔女としては十分そうなのに」
ξ゚⊿゚)ξ「それが嫌なんでしょ」
- 440 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:38:44 ID:J6LzPr3E0
爪'ー`)y‐「ま、お家問題は色々面倒そうだよねぇ」
ξ゚⊿゚)ξ「うちはただの村民だったからそう言うのには縁がないわね」
爪'ー`)y‐「僕も家なんてあってなかったようなもんだしなぁ」
ζ(゚- ゚*ζ「おうち?」
ξ゚⊿゚)ξ「あー……血族とか……家系とか……」
爪'ー`)y‐「由緒正しいお家は大変って事だよ」
ζ(゚- ゚*ζ「すたるとぅ」
ξ゚⊿゚)ξ「デレの家……と言うか、家系か」
ζ(゚- ゚*ζ「デレいない」
爪'ー`)y‐「えっ」
ζ(゚- ゚*ζ「ちやう、あとデレ、いない」
ξ゚⊿゚)ξ「あー、ああ残りはデレだけって事?」
ζ(゚- ゚*ζ゙「う」コクコク
爪'ー`)y‐「やっぱ言葉覚えさせるか」
ξ゚⊿゚)ξ「不便ね」
ζ(゚- ゚*ζ「おぼえる」
- 441 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:39:27 ID:J6LzPr3E0
ξ゚⊿゚)ξ「デレが言葉を覚えたら、なぜ森の中にひっそり暮らしていたのかを教えて」
ζ(゚- ゚*ζ゙「がう」コクコク
爪'ー`)y‐「意外とすごい家系だったりしてね」
ξ゚⊿゚)ξ「本人も知らないすごい家系の可能性はあるわね」
ζ(゚- ゚*ζ「すごい?」
ξ゚⊿゚)ξ「実は遥か昔から人間と共存してきた一族の末裔とか」
爪'ー`)y‐「その異端さにより同族の魔族からは忌み嫌われていたとか」
ξ゚⊿゚)ξ「人間を守り人間に守られ生きてきたのかもしれない」
爪'ー`)y‐「そしていつしかスタルトゥの者は森の番人となっていったのかもしれない」
ξ゚⊿゚)ξ「あるかもしれない」
爪'ー`)y‐「ないかもしれない」
ζ(゚- ゚*ζ(なかよし)
- 442 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:39:49 ID:J6LzPr3E0
爪'ー`)y‐「ツンちゃんはさー、どんな感じのお家だったー?」
ξ゚⊿゚)ξ「別に、なんて事ない平凡な村と家だったわよ、祝い事のたびに祭りやらで踊ったり」
爪'ー`)y‐「だから踊れたのか……」
ξ゚⊿゚)ξ「まあ私は生まれつきこの腕力だから、気味悪がられてたけど」
ζ(゚- ゚*ζ「おねさんつよい」
ξ゚⊿゚)ξ「一般人の中ではね」
ζ(゚- ゚*ζ「デレつよい?」
ξ゚⊿゚)ξ「魔族だからスタート地点が違うわ……」
ζ('(゚- ゚*∩ζ「がうー」
ξ゚⊿゚)ξ「狩るぞ」
,,ζ(゚- ゚;*ζ「キャン……」
爪'ー`)y‐「ツンちゃんやめてあげてよ大人げないよ……」
- 443 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:40:42 ID:J6LzPr3E0
爪'ー`)y‐「それで?」
ξ゚⊿゚)ξ「それでとは?」
爪'ー`)y‐「前に寝言でお母さん捨てないでみたいな事言ってたけど」
ξ゚⊿゚)ξ
爪'ー`)y‐
ζ(゚- ゚;*ζ(ぅゎ)
ξ゚⊿゚)ξ「あ……?」
爪'ー`)y‐「ほら薬師の時に」
ζ(゚- ゚;*ζ(おにさんつよい……)
ξ゚⊿゚)ξ「…………まあ親に捨てられただけですが」
ζ(゚- ゚;*ζ"「おねさん、いうない、むりいうない」フルフル
ξ゚⊿゚)ξ「母親に捨てられて森で熊に襲いかかったら返り討ちにされて死にかけましたが」
ζ(゚- ゚;*ζ"「おねさん、おねさん」フルフル
- 444 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:42:09 ID:J6LzPr3E0
ξ゚⊿゚)ξ「その傷が前にお前も見た背中のアレですが」
ζ(゚- ゚;*ζ「おねさ、みた!? きず!?」
爪'ー`)y‐「大丈夫だよデレちゃん僕はホームランバーに欲情する性癖は持ち合わせていないから」
ζ(゚- ゚;*ζ"「ちやう! おにさんちやう! だいじょうぶない!」
ξ゚⊿゚)ξ「デレ」
ζ(゚- ゚;*ζ「あ、あい」
ξ゚⊿゚)ξ「誰かを憎むのは疲れるって言ったでしょ」
ζ(゚- ゚*ζ「……あい」
ξ゚⊿゚)ξ「あれは、お母さんの事よ」
⊂ζ(゚- ゚*ζ「…………おねさん」ギュ
ξ゚⊿゚)ξ「甘ったれんな」
ζ(゚- ゚*ζ「……」
ξ゚⊿゚)ξ「気遣うのはもっとやめろ」
ζ(゚- ゚*ζ「がうー……」
- 445 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:43:09 ID:J6LzPr3E0
ξ゚⊿゚)ξ「どうせ村もお母さんも、もうどこにも無いから」
爪'ー`)y‐「戦争で村ごとアレした?」
ξ゚⊿゚)ξ「した」
爪'ー`)y‐「ふーん、でも今は帰る場所があるんでしょ?」
ξ゚⊿゚)ξ「……狐」
爪'ー`)y‐「ん?」
ξ゚⊿゚)ξ「やけに踏み込むじゃない」
爪'ー`)y‐
ξ゚⊿゚)ξ「人の過去をつつくほど、あんた人に飢えてるわけ?」
爪'ー`)y‐
ξ゚⊿゚)ξ「ならとっとと歩いて次の町に行って娼婦でも買いなさい」
爪'ー`)y‐
ξ゚⊿゚)ξ「私とデレをあんたの慰みに使うんじゃないわよ」
- 446 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:44:13 ID:J6LzPr3E0
ξ゚⊿゚)ξ「行くわよデレ」
ζ(゚- ゚;*ζ「が、がぅ……」
爪'ー`)y‐
ξ゚⊿゚)ξ「行くわよ、クソ狐」
爪'ー`)y‐「はい」
ξ゚⊿゚)ξ
爪'ー`)y‐
ζ(゚- ゚;*ζ(くうきおもい)
爪'ー`)y‐「ツンちゃん人の事言えんの?」
ξ゚⊿゚)ξ「は?」
爪'ー`)y‐「一人が寂しいからデレを拾った癖に、人の事言えんの?」
ζ(゚- ゚;*ζ(ひのことんだ)
- 447 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:45:25 ID:J6LzPr3E0
ξ゚⊿゚)ξ「誰もそんな事言ってないけど」
爪'ー`)y‐「だったら」
ξ゚⊿゚)ξ「クソみたいなガキのワガママも、口に出さなきゃ叶わないのよ」
ζ(゚- ゚*ζ「わがまま……?」
ξ゚⊿゚)ξ「私は頭が悪いから駆け引きなんて出来ない、はっきりワガママ言わせてもらうわ」
爪'ー`)y‐「ツンちゃん」
ξ゚⊿゚)ξ「だから私は、寂しいと思ったらうだうだ言葉を並べずにデレを抱き締める事が出来るの」
ζ(゚- ゚*ζ,,テケテケ
ξ゚⊿゚)ξ
づ(゚- ゚*ζ" ポンポン
⊂ )
ξ゚⊿゚)ξ「ざまーみろばーか、羨ましいか」
爪'ー`)゙ イラッ
- 448 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:46:35 ID:J6LzPr3E0
爪'ー`)y‐「ツンちゃんほんっと、ほんっとムカつく」
ξ゚⊿゚)ξ「ふん、不愉快な方法で自分を慰めるのに人を使うからよ」
爪'ー`)y‐「人をホームランバーをオナネタに使う新人類みたいな言い方しないで欲しいんだけど」
ξ゚⊿゚)ξ「言い返したいなら言葉使って自分保つのやめれば?」
爪#'ー`)゙ イラァ
ξ゚⊿゚)ξ「あんたの寂しいを察してあげられるほど、私は頭も察しも良くないもので」ツーン
爪#'ー`)y‐「良いよねぇ恥もクソも無いタイプのおバカさんってさー」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね恥知らずのあんたが言うと説得力あるわ」
爪#'ー`)y‐「君にうまい事言われるのが一番腹立つなぁ!」
ξ゚⊿゚)ξ「あっそ」プイ
ζ(゚- ゚*ζ(あっこれちやう、けんかない)
ζ(゚- ゚*ζ(これじゃれてる)
ζ(゚- ゚*ζ(なかよしこれ)
- 449 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:47:34 ID:J6LzPr3E0
爪'ー`)y‐「あのさぁ誰でも君みたいに出来るわけじゃ無いって分かる!?」
ξ゚⊿゚)ξ「知るか」
ζ(゚- ゚*ζ
爪'ー`)y‐「君みたいにアホな思考した人間ばっかりじゃないの! 君がアホなだけだから!!」
ξ゚⊿゚)ξ「甘ったれたい人寂しいってはっきり言えよ鬱陶しい」
ζ(゚- ゚*ζ
爪'ー`)y‐「もしそうだとしても大の男が言えるわけないじゃん!? バカじゃん!?」
ξ゚⊿゚)ξ「知るかよ男の見栄とか」
ζ(゚ー゚*ζ
爪'ー`)y‐「見栄とかじゃなくてさぁ! ああもう君に一般常識を期待した僕がバカだった!!」
ξ゚⊿゚)ξ「あーはいはいあんたバカァ?」
ζ(゚ー゚*ζ
爪'ー`)y‐「何笑ってんの君」
ζ(゚- ゚;*ζそ
- 451 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:48:18 ID:J6LzPr3E0
ξ゚⊿゚)ξ「悔しいからってデレに当たるなよ……」
爪'ー`)y‐「あたってませんー悔しくないですー!!」
ξ゚⊿゚)ξ「デレ行きましょ」
ζ(゚ー゚*ζ「がう」
爪'ー`)y‐「僕が悪いみたいな流れやめてくんない!? 僕がおかしいみたいな流れやめてくんない!?」
ξ゚⊿゚)ξ「別に悪いとかおかしいとかじゃないけど」
爪'ー`)y‐「けど」
ξ゚⊿゚)ξ「不便ね、あんた」
爪'ー`)y‐
ξ゚⊿゚)ξ「森を早く抜けなきゃ、急ぐわよ」
ζ(゚- ゚*ζ「がう」
爪'ー`)y‐
- 452 名無しさん[sage] 2016/12/11(日) 21:50:07 ID:J6LzPr3E0
素直だけど、心の奥では素直になれてないお姉さん。
素直じゃないけど、表面だけは正直なお兄さん。
お姉さんはまだ何かを大事にしまっているみたいだし。
お兄さんは、何も見せようとしないのに誰かのこころを覗こうとする。
いちばん素直なのは、おもしろい魔女さんなのかもしれない。
ζ(゚- ゚*ζ(おねさん、おにさん、なかよし)
ζ(゚- ゚*ζ(でもいっぱいけんか)
ζ(゚- ゚*ζ(どっち、さみしい?)
お姉さんもお兄さんもデレにやさしくて。
人間はすこしこわいけど、ちょっとずつ、二人のことをしりたいな。
デレを、ひろってくれたひとだから。
ζ(゚ー゚*ζ(おとなって、たいへん)
おわり。