- 534 ◆tYDPzDQgtA 2016/12/25(日) 21:45:18 ID:SbdpyMcA0
例えばそれは踏み固められたつなぐ道、時には森の獣道。
騒がしい酒場の熱気、賑やかな町の営み。
周囲にはいつも退屈とは無縁のものばかり。
聞こえるのは風を斬る音、たゆたうような詩人の歌声、獣じみた幼い咆哮。
刃を振るい、歌声を響かせ、魔力を用い、路銀を稼いで進むのは三人。
一人は不機嫌そうに顔を歪める、若い女戦士。
もう一人は、軽薄そうにへらへら笑う優男の吟遊詩人。
そんな二人の後ろをついて歩く、小さな魔族の子供。
【道のようです】
【第十話 いくら何でもそれは無い。 前編】
彼らの進む先にはいつも、血肉の臭いと歌声が存在する。
- 535 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 21:46:47 ID:SbdpyMcA0
不思議な匂い。
甘いような、苦いような。
知らないような、懐かしいような。
とろけるような夢のような、悪夢のようなもがくような。
いろんな匂いに満ちた店内で、私たちは匂いに酔わされるように椅子に座っていた。
壁の棚に、窓辺に、机に、ところせましと並べられた瓶や箱、乾かした草花。
何かの角やら何だか分からないものまで並ぶ様は、まるでおもちゃ箱のよう。
ふらふらと視線をさまよわせていると、店主である少年と目が合い、彼は楽しそうに笑った。
(*゚∀゚)「ちょっと待ってろよー」
ξ゚⊿゚)ξ「はい」
(*゚∀゚)「しっかし懐かしい匂いがすると思ったら、ねーちゃんの紹介とはなー」
ξ゚⊿゚)ξ「やっぱりあの薬師のいm」
(*゚∀゚)「弟!」
ξ゚⊿゚)ξ(妹かと思った)
爪'ー`)y‐(危ない)
- 536 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 21:47:57 ID:SbdpyMcA0
この調香師の店、工房があるのは山の麓ののどかな町。
竜の住む町の片隅に、この店はあった。
特別広くはない、それでも賑わいを見せる穏やかな町。
その平穏も、恐らくこの土地を守る竜のお陰なのだろう。
町にたどり着いた私たちは、いつも通り役所と宿をはしごしてからこの店にやってきた。
そして森の薬師からの紹介として、狐の煙草を渡して調香を依頼した。
それと同時に依頼されていた荷物を渡して、代金を適当な額受け取る。
調香師はけらけらと笑いながら荷物を開き、中に入っていた手紙を読み始めた。
するとその表情から笑顔は消えて、どこか悲しそうな顔で唇を噛み締めて。
それでも私と目が合うと、ぱっと花が咲くように笑顔を作る。
見たところ、まだ10代の子供だ。
赤い髪と石の色をした目、何かの結晶を模した髪飾り、中性的な顔立ち。
外見だけを見るならば、活発そうでよく笑う少年。
けれどその笑顔の奥に、恐ろしく重い何かがあるような目。
恐らく、この調香師と森の薬師は紛れもない姉弟。
それはつまり、この調香師もまた、年齢不詳と言う事で。
- 537 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 21:49:06 ID:SbdpyMcA0
(*゚∀゚)「…………」
ξ゚⊿゚)ξ「……あの、不躾で申し訳ないのですが」
(*゚∀゚)「んぁ?」
ξ゚⊿゚)ξ「あなたも、不老不死ですか?」
爪'ー`)y‐「ちょっとツンちゃん」
(*゚∀゚)「そだよ?」
爪'ー`)y‐「軽いなおい」
(*゚∀゚)「めっずらしーなぁ、ねーちゃんが不老不死の事言ったのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「竜の寵愛がどうとか」
(*゚∀゚)「そーそーそれなー、おれもそれなんだよなー」
爪'ー`)y‐(そんな軽く言う事かこれ)
ξ゚⊿゚)ξ(すごくフランク)
- 538 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 21:50:11 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあその竜は」
(*゚∀゚)「あーここに居るやつ、山の方に住んでんの」
ξ゚⊿゚)ξ「危なくは?」
(*゚∀゚)「あーないない、まだ若いしな!」
ξ゚⊿゚)ξ
(*゚∀゚)
ξ゚⊿゚)ξ「お姉さんとの歳の差は……?」
(*゚∀゚)「ふたご」
ξ゚⊿゚)ξ
(*゚∀゚)?
ξ゚⊿゚)ξ「狐」
爪'ー`)y‐「はいはい時系列がわからないそうですよ」
(*゚∀゚)「あー、ねーちゃんの旦那はじじいだもんなー」
ξ゚⊿゚)ξ(じじい)
- 539 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 21:50:51 ID:SbdpyMcA0
(*゚∀゚)「じじいは会った時からじじいだったからなー、その頃ここの竜はまだ若造でさー」
ξ゚⊿゚)ξ「こんな軽く竜の事をじじい扱いする人初めて見た……」
(*゚∀゚)「おれとねーちゃんが寵愛を受けたのはほぼ同時だけどなー、じじいのがじじいだったんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「はあなるほど」
(*゚∀゚)「ここのはじじいに比べるとだいぶ若いぞ! まぁ人間からすればみんなじじいだけどな!」
爪'ー`)y‐「もうちょっと敬ってあげてよぉ!」
(*゚∀゚)「じじいはじじいだな!!」
ξ゚⊿゚)ξ「あれ、と言うか男同士で寵愛?」
(*゚∀゚)「おれとあいつは友達だぞ?」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、ですよね」
爪'ー`)y‐「寵愛って名称がややこしさを煽る」
(*゚∀゚)「あいつ嫁いっぱい居るしなー」
ξ゚⊿゚)ξ「嫁が」
(*゚∀゚)「食ったってていだけどな!」
爪'ー`)y‐「なんか重要な秘密聞いた気がするぅ」
- 540 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 21:52:35 ID:SbdpyMcA0
(*゚∀゚)「あーそうだ、ねーちゃん元気だったか?」
ξ゚⊿゚)ξ「はい、そろそろ店を町の方に移そうかと言ってました」
(*゚∀゚)「……ふーん。 お前! そこの赤いの、お前の煙草作るのにな、色々準備あんの」
爪'ー`)y‐「あ、はい」
(*゚∀゚)「だから数日待て!」
爪'ー`)y‐「意外とかかるんだぁ、すぐかなと思ったのに」
(*゚∀゚)「ばーっかお前アレだぞ? こう言う調合は大変なんだぞ!」
爪'ー`)y‐「うーん……数日滞在して良い?」
ξ゚⊿゚)ξ「別に良いわよ?」
爪'ー`)y‐「んーじゃ待ちまーす」
(*゚∀゚)「ほいほい、お前の一番好きな匂いの煙草にしてやんよ!」
爪'ー`)y‐「わーい楽しみ」
- 541 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 21:53:17 ID:SbdpyMcA0
(*゚∀゚)「んじゃおれあっちの作業部屋でやっから、これ番号札な」
ξ゚⊿゚)ξ「番号札?」
(*゚∀゚)「これでも人気あるからなー結構忙しいのな! んだからできたらそれで呼ぶわ!」
爪'ー`)y‐(呼ぶ……?)
(*゚∀゚)「ま、宿なり観光なり好きにしてこいよ、山には行くなよ! あいつ寝てっから!」
ξ゚⊿゚)ξ「わかりました、じゃあ呼ばれたらまた来ます」
(*゚∀゚)「おう! あと外のちびにこれ渡しとけ!」
爪'ー`)y‐「ポプリ?」
(*゚∀゚)「ここ変な匂いするからな、おれの店はもっと匂うし鼻の良いやつには厳しいんだよー」
ξ゚⊿゚)ξ「それでこれを?」
(*゚∀゚)「おう、持ってると匂いがましになるから持たせとけ!」
ξ゚⊿゚)ξ「わざわざありがとうございます」
爪'ー`)y‐「調香師の特製ポプリかー、ご利益ありそう」
(*゚∀゚)「ただの脱臭アイテムだぞ」
爪'ー`)y‐「ご利益無さそうな響きにするのやめて」
- 542 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 21:54:06 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「あの、調合するんですよね」
(*゚∀゚)「おー、まぁ調合だか調香だか」
ξ゚⊿゚)ξ「少しだけ見ちゃ駄目ですか?」
爪'ー`)y‐「あ、僕も気になる」
(*゚∀゚)「良いよ? でもすげー時間かかるしでかい音立てんなよ」
ξ゚⊿゚)ξ「はい」
爪'ー`)y‐「わぁい」
二名様ご案内だ、と笑いながら別室へと移動する調香師。
開いた扉の向こうには、吹き抜けの高い天井、天窓から光が眩しく降り注ぐ空間。
白い壁、白い床、白い天井。
天井から長く細い鎖で下がるいくつもの大きな輝石、両の壁を流れる清い水。
正面の壁の高い位置にある窓と、そのすぐ下に設置された大きく白い机、壁には机と同じ素材の綺麗な棚。
恐らく水晶で作られたであろう同じ型の瓶が大量に、整然と棚に並んでいる。
様々な色の液体で満たされた瓶は天窓から射し込む光を浴びてきらきらと輝き、
店内のどこか雑然とした雰囲気とは正反対の、神聖さすら漂う張り詰めた空気。
私たちは扉の向こうに踏み込む事は出来ず、開けたままの扉から中を覗いていた。
- 543 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 21:55:55 ID:SbdpyMcA0
調香師は古風にも魔法用の小さな杖を右手に持ち、私たちを振り返って恭しくお辞儀をした。
そして机に向き直った調香師は杖を踊らせる様に振るって、空中に魔法の帯をすらすらと描く。
きらきらと不思議な色を帯びた魔法は回り、広がり、溢れ、棚の瓶をいくつも浮かばせる。
まるで音楽を奏でるように、指揮者のタクトの様に杖を振るう。
様々な色と匂いが部屋いっぱいに広がって、光を浴びて、調香師を包んで。
真っ白な部屋、たった一人で光と匂いを操るその姿は、
妙に儚げで、どこか神秘的で、胸が締め付けられるくらいに寂しかった。
調香師は何を思うのだろう。
あんなに明るい笑顔の向こう側で。
調香師は何を感じるのだろう。
あんなに瞳の奥に暗い物を隠して。
不老不死と言う苦しみは以前聞いた。
飽きる程の孤独でお手玉をする日々。
調香師の闇は孤独なのか、苦しみなのか、それとも別のものなのか。
こんなに寂しそうに笑うのはなぜなのだろう。
詮索をするのはよそう。
不死者の苦しみは私にはわからない。
まあ、だからこそ知りたいのかもしれないが。
- 544 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 21:57:47 ID:SbdpyMcA0
ぱたん、と狐が扉を閉めた。
爪'ー`)y‐「どんな匂いが出来るか、楽しみにしよう」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね……今知ったら、勿体無いわ」
音を立てないように店を出ると、いつのまにか開店中だった看板は作業中に書き変わっていた。
色んな匂いに包まれた店から一歩出ると、外の空気はどことなく血の匂いを思わせる。
この町の近くに来た時から感じていたこれは、どうやら竜の匂いらしい。
デレは鼻が良く匂いに敏感みたいで、ずっと何とも言えない顔をしていた。
ξ゚⊿゚)ξ「お待たせ、デレ」
ζ(゚- ゚*ζ「がう……」
爪'ー`)y‐「調香師さんからこれ貰ったよ、お守りと一緒に下げな」
ζ(゚- ゚*ζ「う? ……ぅぁ、においきえた」
ξ゚⊿゚)ξ「効果凄いな」
爪'ー`)y‐「やっぱご利益あるじゃん」
- 545 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 21:59:06 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「さて、数日は滞在するし……どうするか」
爪'ー`)y‐「デレちゃんも平気そうだし、観光しようよ観光」
ξ゚⊿゚)ξ「まぁ良いけど、何を」
ζ(゚- ゚*ζ
ξ゚⊿゚)ξ「狐どこに消えた」
ζ(゚- ゚*ζ「あっち」
爪'ー`)y‐「ツンちゃん見て見て貸衣裳があるよ! 青いのツンちゃんに似合いそう!」
ξ゚⊿゚)ξ「大はしゃぎか」
ζ(゚- ゚*ζ「よかんわるい」
ξ゚⊿゚)ξ「行きましょデレ、可愛いの見繕ってあげるわ」
ζ(∩-∩*ζ「ぁー」
ξ゚⊿゚)ξ(嫌ならはっきり言いなさい)
- 546 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:00:14 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「デレのはこれね……」
爪'ー`)y‐「いやいやこっちの方が」
川*` ゥ´)「お前はこの赤だろ」
爪'ー`)y‐「あら良いですね」
ξ゚⊿゚)ξ「私のはこれ?」
川*` ゥ´)「こっちの白メインだろ」
ξ゚⊿゚)ξ「あら良いわね」
ξ゚⊿゚)ξ
爪'ー`)y‐
川*` ゥ´)「もさもさのチビはこれにしろよ」
ζ(゚- ゚*ζ「がう……」
川*` ゥ´)「嫌ならはっきり言えよお前」
- 547 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:02:01 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「ほんとしれっと居るわね」
爪'ー`)y‐「しかもセンス良いな君」
川*` ゥ´)「貸衣裳とか浮わつきやがっておのぼりさんかよだっせぇ」
ξ゚⊿゚)ξ「お前……貸衣裳に身を包みながらそんな自虐を……」
川*` ゥ´)「ふふん! 似合うだろ」
爪'ー`)y‐「顔を隠せば」
川#` ゥ´)「お前不美人に厳しすぎねぇ!?」
ξ゚⊿゚)ξ「愛嬌はあるわよ」
川#` ゥ´)「フォローんなってねーしっ!!」
爪'ー`)y‐「白と紺かぁ、意外と似合うね色気クソみたいに無いけど」
川#` ゥ´)「お前マジそれ相方にも言えよ」
ξ゚⊿゚)ξ「聞いてやろう」
爪'ー`)y‐「それにしても今日は君大人しいじゃん?」
ξ゚⊿゚)ξ「聞くぞ? おい聞くぞ?」
- 548 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:03:32 ID:SbdpyMcA0
川*` ゥ´)「そりゃおとなしくもなるだろ、店の中だぞ」
爪'ー`)y‐「あ、うん、そう言うとこ気にするんだね」
川*` ゥ´)「常識で考えて観光客が観光地で悪い騒ぎ方したらクソだろ……」
ξ゚⊿゚)ξ「常識あるわねあんた……」
爪'ー`)y‐「そんな常識人に唐突に喧嘩売られて付きまとわれてるよね僕ら」
川*` ゥ´)「観光地では喧嘩売らねぇよバーカ」
爪'ー`)y‐「静かに口悪いなほんと君は」
ξ゚⊿゚)ξ「大声で朝飯って呼ばれないだけありがたいわ」
川*` ゥ´)「うっせーなそれよりチビが死んだ目してんぞ」
ξ゚⊿゚)ξ「どうしたのデレ」
ζ(゚- ゚*ζ「ぴんく……」
爪'ー`)y‐「可愛いの選んでもらったね」
- 549 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:04:55 ID:SbdpyMcA0
川*` ゥ´)(こいつ本当はピンク嫌なんじゃねーか?)
ξ゚⊿゚)ξ(そうね知ってるわ)
爪'ー`)y‐(分かりやすいよね)
川;` ゥ´)(ひっでーなお前ら)
ξ゚⊿゚)ξ(自分から嫌って言えるようになるまでこのままよ)
川;` ゥ´)(程々にしてやれよな……)
爪'ー`)y‐(ヒールちゃんやっさしーい☆)
川*` ゥ´)「うっぜぇなこいつ」
ξ゚⊿゚)ξ「最初からよ」
爪'ー`)y‐「えぇぇー? このイケメン捕まえてウザいとかひっどーい」
ξ゚⊿゚)ξ「ほんとうざい」
川*` ゥ´)「調子乗んなおっさん」
爪'ー`)y‐「待って聞き捨てならない」
- 550 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:06:12 ID:SbdpyMcA0
爪'ー`)y‐「おっさん? ホワイ? 僕26だよ? お兄さんだよ?」
ξ゚⊿゚)ξ「落ち着いて狐、25歳からみんなアラサーよ」
ζ(゚- ゚*ζ「あらさー?」
爪'ー`)y‐「やめてよ何か余計に悲しいじゃないか!!」
ξ゚⊿゚)ξ「三十路なんて若造よ安心して」
ζ(゚- ゚*ζ「はたらきざかり」
爪'ー`)y‐「違うよまだ若いよ!? まだ26だよ!?」
川*` ゥ´)「お前なんか勘違いしてるけどさ」
爪'ー`)y‐「えっ」
川*` ゥ´)「17歳から見れば26歳はおっさんだろ」
爪'ー`)y‐
川*` ゥ´)
ξ゚⊿゚)ξ(ひっど)
ζ(゚- ゚*ζ(むじひ)
- 551 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:07:13 ID:SbdpyMcA0
爪'ー`)y‐「ツンちゃああん……」
ξ゚⊿゚)ξ「私にもたれかかるな」
爪'ー`)y‐「あの子ひどいよぉお……」
ξ゚⊿゚)ξ「やめろ私にすがるな」
川*` ゥ´)「男女のパーティでここまで色気も汁気も無いの初めて見たわ」
ζ(゚- ゚*ζ「いろけ?」
川*` ゥ´)「お前らに無縁なもんだ」
爪'ー`)y‐「僕はあります」
川*` ゥ´)「うっせぇよおっさん」
爪'ー`)y‐「ツンちゃんあの子がいじめる」
ξ゚⊿゚)ξ「私に救いを求めるな」
爪'ー`)y‐「ツンちゃんあの子退治してよぉ……」
川*` ゥ´)「てめーらどっちが保護者なんだよ」
- 552 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:08:06 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「ほらデレに構ってもらいなさい」
爪'ー`)y‐「あーんデレちゃーんヒールちゃんもツンちゃんも僕をいじめるよー」
ζ(゚- ゚*ζ「よしよし」
爪'ー`)y‐「唯一の優しさが目の前にある」
ξ゚⊿゚)ξ「野良犬や野良猫にも同じ事してるわよその子」
爪'ー`)y‐「うわーんデレちゃーんツンちゃんがあまりにもだよー」
ζ(゚- ゚*ζ「どんまい」
爪'ー`)y‐「そんな言葉は覚えなくて良い」
ξ゚⊿゚)ξ「ところで、あんたは何でここに?」
川*` ゥ´)「え? 観光」
ξ゚⊿゚)ξ「観光」
川*` ゥ´)「今は竜の肉の配布時期だしな、アレ食うと魔力が上がるんだよ」
- 553 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:09:04 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「あ、そうだあんた人の魔力測れる?」
川*` ゥ´)「あー? 多少は見れるけど」
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと私の魔力を見てほしいんだけど」
川*` ゥ´)「チッ しょーがねーな」
ξ゚⊿゚)ξ(やってくれるのか……)
川*` ゥ´)「んんー…………あ、すげーなお前」
ξ゚⊿゚)ξ「え?」
川*` ゥ´)「一般人が500mlのペットボトルとしてだ」
ξ゚⊿゚)ξ「うん」
川*` ゥ´)「そのチビが洋ドラで見るでかい牛乳入れるプラスチックの四角いあれ」
ξ゚⊿゚)ξ「ああうんあるわね何かクソでかいのが」
ζ(゚- ゚*ζ(ようどらとは)
川*` ゥ´)「お前はフレッシュ容器」
ξ゚⊿゚)ξ「フレッシュ」
- 554 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:10:05 ID:SbdpyMcA0
川*` ゥ´)「しかも小さい方のフレッシュな」
ξ゚⊿゚)ξ「つまり私は」
川*` ゥ´)「無に等しい」
爪'ー`)y‐(胸と一緒か)
ξ゚⊿゚)ξ「狐あとでノルマ」
爪'ー`)y‐「心を読まないで」
ξ゚⊿゚)ξ「視線で分かるわたわけ」
川*` ゥ´)「まぁざっと見ただけだから詳しく知りたきゃ魔導師ギルドでも行けよ」
ξ゚⊿゚)ξ「絶対に哀れんだ顔されるでしょ」
川*` ゥ´)「される」
ξ゚⊿゚)ξ「それが嫌……」
川*` ゥ´)「わかる……」
- 555 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:10:48 ID:SbdpyMcA0
川*` ゥ´)「魔力の最大容量は生まれ持ったもんだし増やせないからな……」
ξ゚⊿゚)ξ「外付け買おうかとも思ったんだけどアレってバカ高いでしょ……」
川*` ゥ´)「アレは職人技だからな、人に合わせてオーダーメイドしか無いんだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「見た目綺麗なんだけどね」
川*` ゥ´)「設置型も綺麗だぞ、魔導師ギルドや教会に置いてある」
ξ゚⊿゚)ξ「へぇ、元々は設置型なのよねアレって」
川*` ゥ´)「魔力の貯金として置いてあんだよ、いざって時に魔力不足にならないように」
ξ゚⊿゚)ξ「はぁなるほど……そう言う使い方が本来の姿なのね……」
川*` ゥ´)「携帯用は小型化するから作るのが大変だし使う人間に合わせる必要があんのな
腰からこうぶら下げて、大気中の魔力を少しずつ溜めて使う事が出来る」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、前に魔導師に魔力を入れて貰ってるの見た事あるわ」
川*` ゥ´)「あーあるある、あれ勢いありすぎると外付け壊すから嫌がられんの」
ξ゚⊿゚)ξ「あぁー……それはやる方も嫌ね……」
- 556 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:12:26 ID:SbdpyMcA0
川*` ゥ´)「元々は魔族の技術なんだけどな」
ζ(゚- ゚*ζ「よしよ……がう?」
川*` ゥ´)「まだやってたのかよ……」
爪'ー`)y‐「癒されてる」
ξ゚⊿゚)ξ「心が疲れてんの……?」
川*` ゥ´)「戦争で街消し飛ばしたアレ知ってるか?」
ξ゚⊿゚)ξ「ああ、英雄の?」
川*` ゥ´)「アレが魔力充填機の元だよ
魔界で魔力たっぷり吸い上げたやつに爆発するように魔法をかけて飛ばしたの」
ξ゚⊿゚)ξ「そりゃ……大惨事ね」
川*` ゥ´)「ま、今売ってるのはそう言う事出来ないようになってっけどな」
ξ゚⊿゚)ξ「さすが魔女は詳しいわね」
- 557 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:15:25 ID:SbdpyMcA0
川*` ゥ´)「当然だろ未来の偉大な魔女様だぞ、おいこれ着てこい」
ξ゚⊿゚)ξ「はいはい、うちは魔法知識が乏しいからそう言うのはありがたいわ」シャッ
川*` ゥ´)「あーチビは知識は無さそうだしな、魔女用だけどガキ用の知育絵本やろうか」
ξ゚⊿゚)ξ゙「あら、倒す相手にそこまでしてくれて大丈夫?」ゴソゴソ
川*` ゥ´)「お前ら朝飯は倒すけどチビは冒険者じゃないだろ、倒したら虐待だよ」カチャカチャ
ξ゚⊿゚)ξ「変なところで真面目よねあんた」シャッ
川*` ゥ´)「よし似合うな、ほらよ薄布」
ξ゚⊿゚)ξ「ありがと」ゴソゴソ
爪'ー`)y‐「流れるように着替えたね」
ζ(゚- ゚*ζ「おねさんにやう」
ξ゚⊿゚)ξ「ありがと」
爪'ー`)y‐「セクシーな衣装の筈なのに色気がどこにもない」
ξ゚⊿゚)ξ「ノルマな」
爪'ー`)y‐「衣装が汚れないようにね」
- 558 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:19:31 ID:SbdpyMcA0
川*` ゥ´)「ああそうだ、フレッシュお前あれだ、気を付けろよ」
ξ゚⊿゚)ξ「? 何に?」
川*` ゥ´)「魔力が乏しいって事は魔力への抵抗も弱いって事なんだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「うん」
川*` ゥ´)「だからお前は体質的に魔法が弱点、呪いもだな、だから魔防装備持った方が良いぞ」
ξ゚⊿゚)ξ「魔女が魔防しろって言ってきた」
川*` ゥ´)「いやだってお前があたし以外に殺されたらあたしの計画がパーじゃん」
ξ゚⊿゚)ξ「それもそうだ」
川*` ゥ´)「だから気を付けろよな、魔法使う魔物もいるんだぞ」
ξ゚⊿゚)ξ「分かった、今後はそう言った事もちゃんと考慮するわ」
川*` ゥ´)「おすすめの店も教えようか」
ξ゚⊿゚)ξ「ぜひ」
- 591 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 23:02:54 ID:SbdpyMcA0
川*` ゥ´)「ここに調香師が居るのは知ってるか? 人気で予約待ちすらあるけど腕が良くてな」
ξ゚⊿゚)ξ「身内の紹介で真っ先に仕事受けてくれたわ」
川*` ゥ´)「マジかよずりーなくそったれ」
ξ゚⊿゚)ξ「あとであんたの事も紹介するから……」
川*` ゥ´)「マジかよちょっと嬉しいじゃねーか……」
ξ゚⊿゚)ξ「で、調香師がどうしたの?」
川*` ゥ´)「ああそうそう、そいつの作る匂袋のお守りが身を守ってくれるんだよ」
ζ(゚- ゚*ζ「これ?」
川*` ゥ´)「そうそ何で持ってんのお前」
ζ(゚- ゚*ζ「もらた」
川*` ゥ´)「マジかよ……」
ξ゚⊿゚)ξ「脱臭アイテムよ」
川*` ゥ´)「ありがたみが消し飛ぶなそれ」
- 559 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:20:47 ID:SbdpyMcA0
川*` ゥ´)「まぁマジで効くのは分かってるだろうし、ついでに頼んどけよ」
ξ゚⊿゚)ξ「ふむ、分かったわ、ありがとう」
川*` ゥ´)「礼なんか言ってんじゃねーぞ気色悪い」
ξ゚⊿゚)ξ「今日はまだだし顔掴む?」
川*` ゥ´)「やめろ」
爪'ー`)y‐「歳が近いからか仲良いなぁ」シャッ
ζ(゚- ゚*ζ「がう」シャッ
爪'ー`)y‐「似合うねデレちゃん」
ζ(゚- ゚*ζ「おにさんにやう」
爪'ー`)y‐「腰のところかぱーって開いてて心許ない」
⊂ζ(゚- ゚*ζ「つんつん」
爪'ー`)y‐「キャーエッチー」
川*` ゥ´)「仲良いなあいつら」
ξ゚⊿゚)ξ「叔父と姪のよう」
- 560 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:25:06 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「しかし本当に面倒見良いわねあんた」
川*` ゥ´)「お前らが見てられないだけだからな」
ξ゚⊿゚)ξ「それで面倒見ちゃうの……」
川*` ゥ´)「うっせーな他所の街で会ったら魔法ぶっぱすっからなてめぇ」
ξ゚⊿゚)ξ「どんな魔法を?」
川*` ゥ´)「杉花粉爆弾」
ξ゚⊿゚)ξ「待ってそれどこかで聞いた事ある」
川*` ゥ´)「あと何と奇遇なやおい穴」
ξ゚⊿゚)ξ「待ってほんとにそれどこかで聞いた事ある」
川*` ゥ´)「人体変化の魔法は高度なんだぞ、敬え敬え」
ξ゚⊿゚)ξ「いやいや何と奇遇なやおい穴では敬えない無理無理」
川*` ゥ´)「胸を大きくする魔法があってな」
ξ゚⊿゚)ξ「詳しく聞こうか……」
爪'ー`)y‐(ちょっろ)
- 561 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:25:42 ID:SbdpyMcA0
川*` ゥ´)「生け贄に人間が五人くらい必要になる」
ξ゚⊿゚)ξ「いや生け贄を用意してまで無駄に脂肪は増やしたくないわ」
川*` ゥ´)「つか邪魔だろお前の場合」
ξ゚⊿゚)ξ「邪魔なんだけどこの胸だと日に一回はバカにされてな」
川*` ゥ´)「まぁホームランバーってあたしも言ってるしな」
ξ゚⊿゚)ξ「処す? 処す?」
川*` ゥ´)「玄人の方にしろ」
爪'ー`)y‐「おっと急にお鉢が回ってきたぞ?」
ξ゚⊿゚)ξ「ああそうだ、観光ならここの見所とかわかる?」
川*` ゥ´)「あたしはこれから記念撮影して土産屋覗いて飯食うけど」
爪'ー`)y‐「一人で満喫しすぎじゃないか君」
川*` ゥ´)「お一人様でも楽しめる旅行パックもあってな」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたそんな……旅行パックで来てるの……」
川*` ゥ´)「いや箒で一人で飛んできたけど」
ξ゚⊿゚)ξ「旅行パックとは」
川*` ゥ´)「あるって言う情報」
- 562 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:27:17 ID:SbdpyMcA0
川*` ゥ´)「じゃ、あたしもう行くわ、調香師にちゃんと話せよ」
ξ゚⊿゚)ξ「ちゃんと紹介するわよ」
川*` ゥ´)「そっちじゃねーよ魔防の事だよ」
ξ゚⊿゚)ξ(優しいなこいつ……)
爪'ー`)y‐(面倒見良いなぁ……)
ζ(゚- ゚*ζ「まじょさんあげる」
川*` ゥ´)「なんだこれ」
ζ(゚- ゚*ζ「れじもらた」
川*` ゥ´)「子供だけがもらえるタイプの記念硬貨かこれ……良いよ持っとけ、それに入れとけ」
ζ(゚- ゚*ζ「あぅ、これかわりあげる」
川*` ゥ´)「んあ? 花? しゃーねーな貰ってやるよ」
ζ(゚- ゚*ζ「がうー」
ξ゚⊿゚)ξ(道中で摘んだ野草)
- 563 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:28:11 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「にしてもあんた、私たちの事は嫌ってると思ったんだけど」
爪'ー`)y‐「普通に話すよねぇ」
川*` ゥ´)「まぁ成功してる奴らもきらびやかな見た目も嫌いだけどな」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたってほんと真っ直ぐ」
川*` ゥ´)「あとおちょくってくるからクソむかつくしな」
爪'ー`)y‐「そんなひどい事をする人が……!?」
川*` ゥ´)づ「まぁでもこのチビは可愛いしな」ワシワシ
ζ(- -*ζ「ぅー」
川*` ゥ´)「あとやりあえる場所でもないし普通にするしか」
ξ゚⊿゚)ξ「友達居ないの?」
川#` ゥ´)「何で急に煽った? ォオン?」
ξ゚⊿゚)ξ「いないのかなって……」
川*` ゥ´)「魔女の同輩どもは低レベルすぎんだよ」
- 564 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:29:19 ID:SbdpyMcA0
川*` ゥ´)「さて、じゃーなクソ朝飯ども、観光地で観光客の評判落とすなよバーカバーカ」
ξ゚⊿゚)ξ「今度一緒に回る?」
川*` ゥ´)「いらねーよ一人で満喫出来る計画書作ってきたんだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「こいつプロのお一人様か」
,,川*` ゥ´)「あばよークソども、看板の写真撮ろっと」
ξ゚⊿゚)ξ
爪'ー`)y‐
ξ゚⊿゚)ξ「マジで一人で満喫してるわ」
爪'ー`)y‐「と言うかクソ真面目だなあの子」
ζ(゚- ゚*ζ「まじょさんいいひと」
ξ゚⊿゚)ξ「性格歪んでるけど」
爪'ー`)y‐「観光地では大人しいけどきっちり喧嘩は売って行ったからねぇ……」
- 565 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:30:17 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「あと私たちの事は基本良く言わないわよね」
爪'ー`)y‐「あくまでもライバル枠なんだね僕らは」
ξ゚⊿゚)ξ
爪'ー`)y‐
ξ゚⊿゚)ξ「簡単に殺せるのに」
爪'ー`)y‐「やめようねツンちゃん」
,,川*` ゥ´)「あ、そうだ」
ξ゚⊿゚)ξ「戻ってきた」
爪'ー`)y‐「寂しくなったの? ハグする? 有料だけど」
川*` ゥ´)「いらねーよクソイケおっさん、ここ温泉もあるから入れよな」
ξ゚⊿゚)ξ「やったまた温泉」
爪'ー`)y‐「混浴は?」
川*` ゥ´)「ねーよ」
爪'ー`)y‐「この世で最も楽しくない温泉だ……」
ξ゚⊿゚)ξ「多いなこの世で最も楽しくない温泉」
川*` ゥ´)「混浴のが少ないだろ……」
- 566 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:31:15 ID:SbdpyMcA0
,,川*` ゥ´)「んじゃなー、串焼き食べてインスタに上げよ……」
ξ゚⊿゚)ξ「リア充か」
爪'ー`)y‐「本気で観光してやがる」
ζ(゚- ゚*ζ「おねさん、まじょさんなかよし?」
ξ゚⊿゚)ξ「喧嘩売られなきゃね」
ζ(゚- ゚*ζ「デレなかよしすき」
ξ゚⊿゚)ξ「良い事よね」
爪'ー`)y‐「あの子もうちょっと顔が良くて胸があって性格がマシならなぁ」
ξ゚⊿゚)ξ「別人じゃねーか」
爪'ー`)y‐「この僕に欲情させない女子二人のパワーたるや」
ξ゚⊿゚)ξ「良かったわね清くいられるわよ」
爪'ー`)y‐「良くないよだから行く先々でつまみ食いしてるんだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「知った事では」
- 567 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:32:07 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「……観光するか」
爪'ー`)y‐「あっちに記念館あるよ」
ξ゚⊿゚)ξ「のどかな癖に意外とがっつり観光スポット化してるわね……」
爪'ー`)y‐「まぁ景観悪くしてないし良いんじゃないかな……」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、お土産だ」
爪'ー`)y‐「おー四面でくるくる回るキーホルダー陳列するラックだ」
ξ゚⊿゚)ξ「剣に……竜が……!!」
爪'ー`)y‐「すごい……鞘から抜けるタイプだ……!」
ξ゚⊿゚)ξ「無駄に目にガラス玉が入ってる……!」
爪'ー`)y‐「男子中学生が好きそうなやつ……!」
ξ゚⊿゚)ξ「いる?」
爪'ー`)y‐「いらない」
ξ゚⊿゚)ξ「でもなぜか買ってしまう」
爪'ー`)y‐「わかる」
ζ(゚- ゚*ζ(なぜ)
- 568 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:34:01 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「あ、宿に併設されてるじゃない温泉」
爪'ー`)y‐「混浴じゃない温泉の価値とは」
ξ゚⊿゚)ξ「ここ村民も使えるからお年寄り多そうよ」
爪'ー`)y‐「やぁたまには一人のんびり浸かるのも良いよねぇ息抜きだよねぇ」
ξ゚⊿゚)ξ「お前な」
爪'ー`)y‐「まぁご年配だろうとエスコートしますけど」
ξ゚⊿゚)ξ「ヒールには」
爪'ー`)y‐「君とあの子は別だよ、僕は女性には優しくします」
ξ゚⊿゚)ξ「つまり私とあの子は?」
爪'ー`)y‐「女じゃない何かだ」
ξ゚⊿゚)ξ「私良い方法思い付いたの」
爪'ー`)y‐「え?」
ξ゚⊿゚)ξ「首をへし折るだけなら貸衣装も汚れない」
爪'ー`)y‐
- 570 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:36:08 ID:SbdpyMcA0
< マッテマッテギブギブギブ
< ゴキャベキッ
< グゲボッ
ξ゚⊿゚)ξ「さ、何か食べましょうかデレ」
ζ(゚- ゚*ζ「おにさんしたいきれい」
ξ゚⊿゚)ξ「綺麗な状態でしょ、見たとおり死体よ」
ζ(゚- ゚*ζ「くびむこうむいた」
ξ゚⊿゚)ξ「うっかりもぎ取れないか怖かったわ」
ζ(゚- ゚*ζ「デレおにくたべる」
ξ゚⊿゚)ξ「よし肉を食べよう」
ζ(゚- ゚*ζ「あれ」
ξ゚⊿゚)ξ「竜の肉ホイル焼き……ゴクリ…」
ζ(゚- ゚*ζ「あれも」
ξ゚⊿゚)ξ「竜の串焼き……炭火焼き……煮込み……ジュル…」
ζ(゚- ゚*ζ「おいしいある」
ξ゚⊿゚)ξ「あるわ、間違いなく」
- 571 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:36:51 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「すみません片っ端から二つずつ」
ζ(゚- ゚*ζ「くらさい」
ξ゚〜゚)ξモシャモシャ
ζ(゚〜゚*ζモギュモギュ
ξ*゚ヮ゚)ξ「うまい」
ζ(゚ヮ゚*ζ「おいし」
爪'ー`)y‐「君たち財布忘れてるよね」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、狐おはよう」
ζ(゚- ゚*ζ「おにさんおはよ」
爪'ー`)y‐「すっごく慣れたね……おはよう……」
ξ゚⊿゚)ξ「デレ、これが美味しいわ」
ζ(゚- ゚*ζ「デレこれすき」
ξ*´⊿`)ξ「こっちもなかなか」
ζ(´-`*ζ「おいしおいし……」
爪'ー`)y‐(本当にこの子達は)
- 572 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:38:00 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「と言うわけでこれとこれを三つずつ」
爪'ー`)y‐「まだ食べるのかい君たちは」
ξ゚⊿゚)ξ「はい一個ずつ」
爪'ー`)y‐「あ、どうも」
ζ(゚- ゚*ζ「ありやと」
ξ゚〜゚)ξ「うま」
爪'〜`)y‐「うん、美味しい」
ζ(゚〜゚*ζ「うまうま」
ξ゚⊿゚)ξ
ξ゚⊿゚)ξグゥゥ
ξ゚⊿゚)ξチラッ
爪'ー`)y‐「中途半端につまんだから余計にお腹空いたとか僕知りませんからね」キュー
- 573 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:39:03 ID:SbdpyMcA0
ζ(゚- ゚*ζ「おにさんおさけ」
ξ゚⊿゚)ξ「何よあんたは酒飲んでるじゃない」
爪'ー`)y‐「お兄さんはお酒が好きだから飲みますけど君みたいにバカな量飲まないから良いの」
ξ゚⊿゚)ξ「ずるい」
爪'ー`)y‐「ずるくなーい僕が死んでる間に勝手に食べ歩き始めた君がわるーい」
ξ゚⊿゚)ξ「チッ……」
爪'ー`)y‐「舌打ちは心が少し」
ξ゚⊿゚)ξ
爪'ー`)y‐
ξ゚⊿゚)ξ「やだお腹いっぱい食べたい」
爪'ー`)y‐「真顔で子供みたいな言い分のわがまま言い出したぞおい」
ξ゚⊿゚)ξ「さもなくば」
爪'ー`)y‐「さもなくば?」
ξ゚⊿゚)ξ「山に分け入り直接竜をかじりに行く」
爪'ー`)y‐「ああくそっ! マジでやりかねないから本当に困る!!」
- 574 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:40:11 ID:SbdpyMcA0
爪'ー`)y‐「的確に僕を困らせるようになったよね君」
ξ゚⊿゚)ξ「対等になったと言え」
爪'ー`)y‐「対等……対等かなぁ……」
ξ゚⊿゚)ξ「あっちにも屋台がある」
爪'ー`)y‐「えーマジでお腹いっぱい食べるのー?」
ζ(゚- ゚*ζ「つぶれる」
爪'ー`)y‐「そうだよこないだ一軒潰したんだから」
ξ゚⊿゚)ξ「潰してないわよ数日閉店になっただけで」
爪'ー`)y‐「食べ尽くしたんじゃないですかやーだー」
ξ゚⊿゚)ξ「むう……じゃあ適当に買い込んで宿で食べる」
爪'ー`)y‐「本当に食い道楽だね君は……」
ξ゚⊿゚)ξ「所持金に余裕があるからこうなる」
爪'ー`)y‐「くっそーカジノめー……」
- 575 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:42:13 ID:SbdpyMcA0
爪'ー`)y‐「ねぇツンちゃん」
ξ゚⊿゚)ξ「何かしら」
爪'ー`)y‐「この20人分くらいの食料ですがね」
ζ(゚- ゚*ζ「いっぱい」
ξ゚⊿゚)ξ「二食分くらいかしら……」
爪'ー`)y‐「いい加減にしてよその俺の胃袋は宇宙だ的なアレ……」
ξ゚⊿゚)ξ「若い子わからないわよそれ……」
爪'ー`)y‐「だろうね……」
ξ゚⊿゚)ξ「さ、宿に戻りましょ、貸衣装は明日に返せば良いし」
爪'ー`)y‐「君さぁ衣装チェンジしてから食べるか喋るしかしてないよねぇ」
ξ゚⊿゚)ξ「他にやる事が?」
爪'ー`)y‐「記念撮影とか」
ξ゚⊿゚)ξ「いや別に……」
爪'ー`)y‐「旅の思い出ェ……」
- 576 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:43:25 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「はー買った買った」
爪'ー`)y‐「食べ物ばっかりねー」
ζ(゚- ゚*ζ「おいしいっぱい」
(,,^Д^)「あっ、おかえりなさい!」
ξ゚⊿゚)ξ「ただいま」
爪'ー`)y‐「やぁ坊や繁盛してるかい」
(,,^Д^)「お客さんたちが出てから半日もたってないですよー」
ξ゚⊿゚)ξ「手伝いも大変ね」
(,,^Д^)「将来は僕の宿になるので、いまのうちにたくさん勉強です!」
爪'ー`)y‐「坊やいくつだっけ」
(,,^Д^)「11歳です」
爪'ー`)y‐「ほらデレ、歳が近いんだし仲良くしなさい」
"ζ(゚- │
ξ゚⊿゚)ξ「怯えてるわ」
- 577 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:44:53 ID:SbdpyMcA0
爪'ー`)y‐「知らない人は本当に怖がるんだからもー……」
ξ゚⊿゚)ξ「チェックインした時は姿すら見せなかったわよね……」
爪'ー`)y‐「隠れるに全振りしてたよね……」
,,(,,^Д^)「デレちゃんですよね?」
ζ(゚- │ 「ぁぃ…」
(,,^Д^)「僕はタカラです、この宿の息子です、よろしくおねがいします」
ζ(゚- │ 「がぅ……よろしく、おね……がぅぅ……」
(,,^Д^)「デレちゃんはことばが苦手なんですか?」
爪'ー`)y‐「苦手だねー」
ξ゚⊿゚)ξ「少しずつ覚えてはきてるんだけど」
(,,^Д^)「じゃああとで一緒に絵本を読みませんか? 今でもお気に入りのがあるんです」
ζ(゚- │
(,,^Д^)「読めない文字は教えてあげます、ね?」
- 578 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:46:01 ID:SbdpyMcA0
ζ(゚- │ 「……おねさん……」
ξ゚⊿゚)ξ「好きにしなさい、あんたが選ぶ事よ」
爪'ー`)y‐「そうそう、ちゃんと選ぶんだよ」
ζ(゚- │
(,,^Д^)ドキドキ
ζ(゚- ゚*ζ,, │
(,,^Д^)!
ζ(゚- ゚*ζ「よむ……」
(,,^Д^)「はい、ありがとうございます!」
ζ(゚- ゚*ζ「ぅぅ……?」
ξ゚⊿゚)ξ「ほらデレ」
ζ(゚- ゚*ζ「あぅ……おねさん……」
ξ゚⊿゚)ξ「私の影に隠れるな、ちゃんと挨拶からしなさい」
- 579 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:47:47 ID:SbdpyMcA0
ζ(゚- ゚*ζ「ぅー……デレ、よろしく、おねあいします……」
(,,^Д^)「はい、よろしくおねがいします」
ζ(゚- ゚*ζ「あぃ……なかよし、する……」
(,,^Д^)「はい、お友達になりましょうね」
ζ(゚- ゚*ζ(しらないひとこわい……)
(,,^Д^)(大丈夫かな……ちゃんとお友達になれるかな……)
ζ(゚- ゚*ζ(でもしらないひとちやう……もうしってるひと……タカラおぼえる……)
(,,^Д^)(うう……無言がなんだかお腹が痛くなる感じ……)
ζ(゚- ゚*ζ「う……なる、おともだち……」
(,,^Д^)(まだ怖がられてるみたいだけど、良かったぁ……)ホッ
ξ゚⊿゚)ξ(育った……)
爪'ー`)y‐(育った……)
- 580 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:48:35 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「あーそうだ、温泉あるのよね」
(,,^Д^)「あっはい! あります!」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあデレ、一緒に入りましょ」
,,ζ(゚- ゚*ζ
ξ゚⊿゚)ξ?
ζ(゚- ゚*ζ「ひとりはいる」
ξ゚⊿゚)ξ「何で?」
ζ(゚- ゚*ζ
ξ゚⊿゚)ξ?
ζ(゚- ゚*ζ「おにさん、はいる」
爪'ー`)y‐「えっ」
- 581 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:49:13 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「駄目よデレこの狐はきっと幼女だろうと構わず手を出すクズよ」
爪'ー`)y‐「好みのー! 胸のサイズはー!! Fカップー!!!」
ζ(゚- ゚*ζ「えふかっぷ」
爪'ー`)y‐「ホームランバーに欲情しないのに子供に手を出すわけないよねー!!!」
ζ(゚- ゚*ζ「ほーむらんばー」
ξ゚⊿゚)ξ「狐こっちに来い」
爪'ー`)y‐「あっ待ってノルマはもう終わらせたよね」
ξ゚⊿゚)ξ「良いから来い」
爪'ー`)y‐「待って待って待って」
< ゴシュッ
,,ξ゚⊿゚)ξ「お風呂行きましょうか」ポタポタ
(;,^Д^)「おおおお客さん血まみれですよ!? 何したんですか!?」
- 582 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:50:11 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「ごめんなさいね起きたら掃除させるから」
(;,^Д^)「いったい何を……!?」
ξ゚⊿゚)ξ「わからないほうがいい」
(;,^Д^)「こわい!?」
ζ(゚- ゚*ζ「なれる」
(;,^Д^)「何に!?」
ξ゚⊿゚)ξ「しばらくあっち行っちゃダメよ、うじゅるうじゅるしてるから」
(;,^Д^)「うちの宿で何したんですかぁ!?」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、もしかして客室ある?」
(,,^Д^)「あ、えっと一応、固定のお客様が居て」
ξ゚⊿゚)ξ「ほう、年間契約みたいなアレかしら」
(,,^Д^)「そう言うわけじゃないんですけど、その人のお部屋としておいてあるんです」
- 583 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:52:13 ID:SbdpyMcA0
(,,^Д^)「冒険者の方で、年に何度も来てくれるんです」
ξ゚⊿゚)ξ「あら、冒険者で年に何度もって言うのは珍しいわね……」
(,,^Д^)「しばらく滞在したと思ったら、ふらっと東に行くって旅立っちゃうんですよ」
ξ゚⊿゚)ξ「何かかっこいいわね……」
(,*^Д^)「かっこいいんですよ!」
ξ゚⊿゚)ξ(あら嬉しそう)
(,*^Д^)「でぃさんはかっこいいんです、小さい頃から憧れてて」
ξ゚⊿゚)ξ「でぃ?」
(,*^Д^)「あっ、えっと、少し難しい名前で、小さい頃はうまく言えなくて……」
ξ゚⊿゚)ξ「ああ、それで短縮して呼んでるの?」
(,*^Д^)「はい、つい馴染んじゃって……」
ξ゚⊿゚)ξ(微笑ましい……)
- 584 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:52:46 ID:SbdpyMcA0
(,,^Д^)「今はうちに滞在してるんです、夕方くらいに戻ってくると思いますよ」
ξ゚⊿゚)ξ「会ったら話してみたいわね」
(,,^Д^)「すごくかっこいいんですよ、きっとお話も合うと思います」
ξ゚⊿゚)ξ(でぃ、か……本名は何なんだろう……)
爪'ー`)y‐「あーよく死んだ」
ξ゚⊿゚)ξ「お帰り」
爪'ー`)y‐「ただいま」
ζ(゚- ゚*ζ「おにさんまっか」
爪'ー`)y‐「これ貸衣装なのになーもー」
(,,^Д^)「あ、血の染み用の洗剤ありますよ」
爪'ー`)y‐「意外と平気そうだね」
(,,^Д^)「冒険者の方はよく来ますから、怪我をして戻られる事もあるんです」
- 585 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:53:54 ID:SbdpyMcA0
その後、温泉に入ったり、部屋で買ったものを食べたり、宿屋の息子とデレが遊ぶのを眺めたり。
狐はその辺で観光客を捕まえては口説くと言う遊びをしていたが、途中で疲れたのか帰って来た。
焦げた跡があった。
デレは緊張していたが楽しそうに絵本を読み聞かせて貰ってるし、人が苦手なのも少しずつ緩和すると良い。
もしかすると初めてじゃないだろうか、友達が出来たのは。
だとしたら非常に微笑ましい。
デレが成長するのは見ていて楽しいものだ。
それから二日ほどは外食をしたり、記念館を覗いたり。
久々に休暇らしいのんびりとした日々を満喫した。
貸衣装は買い取りになった。
そして町に来て4日目の朝、部屋に充満した匂いに気がついたのは、狐だった。
爪'ー`)「ん? んんー……何か匂いがする」
ξ゚⊿゚)ξ「匂い? ……あらほんと、オレンジ系の……」
爪'ー`)「煙草止めてたら匂いわかるな……えーと何だろ、どこから……」
- 586 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:54:19 ID:SbdpyMcA0
ξ゚⊿゚)ξ「あ、これ」
爪'ー`)「ん? ……あー番号札」
ξ゚⊿゚)ξ「番号札から匂いがする……」
爪'ー`)「呼ぶってこう言う……」
ξ゚⊿゚)ξ「呼ばれたんなら行きましょうか」
爪'ー`)「そうだねぇ、デレも起きて」
ζ(- -*ζ「んぅ……おき……」
ξ゚⊿゚)ξ「寒い日はよく寝るわね……」
爪'ー`)「デレもお守りのお礼言いに行くよ」
ζ(ぅ- ゚*ζ「あい……」
爪'ー`)「ほら外套着なさい」
ζ(゚- ゚*ζ「あい」
ξ゚⊿゚)ξ(親子か)
- 587 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:54:43 ID:SbdpyMcA0
からんころん。
(*゚∀゚)「おーう来たなー! 頼まれてた煙草できたぞー!」
爪'ー`)「わぁいありがとうございます、吸ってたのがもう残り少ないから吸うのが楽しみ」
(*゚∀゚)「お、ちびこいのも来たのか!」
ζ(゚- │ 「あい……おまもり、ありやとござました」
(*゚∀゚)「大事にしろよ!」
゙ζ(゚- │ 「あい……」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、私もひとつ良いかしら」
(*゚∀゚)「おう?」
ξ゚⊿゚)ξ「どうやら私は魔防が低い体質みたいで、それを守ってくれるお守りがあると」
(*゚∀゚)「おーよく知ってんな! 誰かから聞いたのか?」
ξ`⊿´)ξ「ヒールって言うこう言う目の子が」
爪'ー`)「ブッフォ」
- 588 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:55:05 ID:SbdpyMcA0
(*゚∀゚)「ほーほー、よく勉強してんだなそのつり目! 来たら安くしてやるかー!」
ξ゚⊿゚)ξ「喜びます」
(*゚∀゚)「んで魔防のお守りだっけ? 良いぞー二日ばかしかかるけど」
ξ゚⊿゚)ξ「思いがけず長居するわね」
爪'ー`)y‐「僕は良いよぉ、急ぐ旅でなし」
ξ゚⊿゚)ξ「それじゃあお願いして良いですか?」
(*゚∀゚)「おーう任された! 首から下げるのとか色々あるけどどんなのが良い?」
ξ゚⊿゚)ξ「ふむ、あまり装飾品を増やすのは……」
(*゚∀゚)「じゃあえーと……あ、手首! 何かつけてるだろ?」
ξ゚⊿゚)ξ「ああ、角輪ですね、この子の母親の」
(*゚∀゚)「それ使うか!」
ξ゚⊿゚)ξ「えっ金属に匂いを?」
- 589 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:55:34 ID:SbdpyMcA0
(*゚∀゚)「できるできるー! よし貸せ!」
ξ゚⊿゚)ξ「勢いあるなこの人……じゃあ、デレ、良い?」
ζ(゚- ゚*ζ「がう? それおねさんの、デレのものない」
ξ゚⊿゚)ξ「……おねがいします」ポンポン
ζ(- -*ζ「ぅー」
(*゚∀゚)「任されたー! 新しい番号札これな!」
ξ゚⊿゚)ξ「それじゃあまた近いうちに、お代はその時で良いですか?」
(*゚∀゚)「どっちでも!」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ後払いで」
爪'ー`)y‐「ありがとうございましたーん」
ζ(゚- ゚*ζ「ばいばい……」
(*゚∀゚)「またなー!」
- 590 名無しさん[sage] 2016/12/25(日) 22:56:09 ID:SbdpyMcA0
からんころん。
ばたん。
(*゚∀゚)
(*゚∀゚)「あー……」
(*゚∀゚)「仕事すっかぁ……」
ぎぃぎぃ、がちゃ。
ぱたん、こつこつ。
こつこつ。
こつこつ。
(*゚∀゚)「ねーちゃんはさー……」
(*゚∀゚)「それで良いのかよー……」
(*゚∀゚)
(*-∀-)「はー……」
つづく。