- 452 ◆tYDPzDQgtA 2017/04/02(日) 22:13:10 ID:BHcT3n5U0
にっきちょうもらた
もじおぼえゐ
にんげんもじむすかし
がんばゐ
『る』です。
る
おねさんおにさんいない
さみしい
さみしいある
が`んばる
【道のようです】
【番外編 いつだってそばにいるよ。】
さみし
- 453 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:13:33 ID:BHcT3n5U0
きょう
ぬえさま
『ね』です。
ねえさま
ねえさまおしえてもらた
もじむずかし
たくさんお(ま゙える
『ほ』です。
おぼえる
おてが゙みかく
おねさんたちよろこぶ∫
『?』
?
- 454 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:13:54 ID:BHcT3n5U0
もじことばおぼえるたいへん
おぼえるたのく
『し』
たのし
しし£こわい
でもやさし
もしかして『よ』でしたか?
よ
ししょ
『ししょう』
ししょう
- 455 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:14:14 ID:BHcT3n5U0
ζ(゚- ゚*ζ「がぅ……むずかし……」
/ ゚、。 /「ゆっくり覚えれば良い事です」
ζ(゚- ゚*ζ「がう」
/ ゚、。 /「文字と言葉の勉強は毎日少しずつ進めましょう」
ζ(゚- ゚*ζ「あい」
/ ゚、。 /「では次はお掃除です」
ζ(゚- ゚*ζ「あいっ」
お兄さんお姉さんとししょうのおうちに来たのはせんしゅうのことです。
デレをおくりとどけた二人は、数日の間たいざいして、ふたたびたびにでました。
たびたび?
よくわからない。
二人につれられてここに来た時は、たいへんでした。
ししょうにお兄さんが絞め落とされかけました。
- 456 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:14:36 ID:BHcT3n5U0
ξメ⊿゚)ξ『王都は久々ね……』
爪'ー`)y‐『うーん都会の匂い! 金と女の匂いがするね!』
ξメ⊿゚)ξ『鼻おかしいんじゃない?』
ζ(゚- ゚*ζ『がぅ……ひといぱい……』
ξメ⊿゚)ξ『大丈夫よデレ、ほらこっち』
爪'ー`)y‐『お師匠の家は向こうの方?』
ξメ⊿゚)ξ『ええ、郊外だから少し歩くけど』
爪'ー`)y‐『酒場はあの辺かなー』
ξメ⊿゚)ξ『広場の方にあるわよ、そんなに飲みたいの?』
爪'ー`)y‐『いや所持金が空っぽで稼がないと、僕のナイフこんな惨状だから』
ξメ⊿゚)ξ『ほんとすまなんだ』
ζ(゚- ゚*ζ?
- 457 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:14:57 ID:BHcT3n5U0
ξメ⊿゚)ξ『数日は滞在するから、案内するわデレ』
ζ(゚- ゚*ζ『ぅ……こわいない……?』
ξメ⊿゚)ξ『嫌な目で見られる事が無いとは言わないわ、でも石を投げられたりはしない』
爪'ー`)y‐『意外と秩序保たれてんねー』
ξメ⊿゚)ξ『ええ、それに師匠の家の子ってなったら誰も手出ししないから』
爪'ー`)y‐『そりゃそうだ』
ζ(゚- ゚*ζスンスン
爪'ー`)y‐『ん?』
ζ(゚- ゚*ζ『おいしいある』
ξメ⊿゚)ξ『……良い匂いがする』
爪'ー`)y‐『住宅地だしどこかのお家からか、住民向けのお店でもあるのかな』
ξメ⊿゚)ξ『あっち』
爪'ー`)y‐『ツンちゃん待って』
ζ(゚- ゚*ζ『おいしいある……』
ξメ⊿゚)ξ『ある……』
爪'ー`)y‐『ちょっともー……もー……財布にどれだけあったかな……』
- 458 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:15:21 ID:BHcT3n5U0
ξメ⊿゚)ξ『パンの匂い……』
ζ(゚- ゚*ζ『おいしにおい……』
爪'ー`)y‐『はいはいもー……ああここかな、パン屋さんだ』
ξメ⊿゚)ξ『頼もう、頼もーう』
爪'ー`)y‐『ねぇ道場破りに来たの?』
<ヽ`∀´>『はーいお待たせしましたニダ』
ξメ⊿゚)ξ『パンください、今良い匂いしてるやつを』
<ヽ`∀´>『ホルホル、鼻が良いお嬢さんニダ』
ζ(゚- ゚*ζ『デレも』
<ヽ`∀´>『魔族のお子さんニダ?』
爪'ー`)y‐『やっぱ珍しいです?』
<ヽ`∀´>『たまに見かけるニダ、みんな気の良い人達で有り難いニダ』
爪'ー`)y‐『お兄さんは移民さん?』
∧_∧゙ ピョコ
<ヽ`∀´>『ん、まだ国の言葉が抜けないニダ』
爪'ー`)y‐『おー亜人さんだ、珍しい』
- 459 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:15:46 ID:BHcT3n5U0
<ヽ`∀´>『ホルホル、ここは色んな人が居て生きやすいニダ』
ξメ⊿゚)ξ『猫耳……』
<ヽ`∀´>『ウリは血が薄いから耳だけニダ、パンどうぞ』
ξメ⊿゚)ξ『ありがとうございます、お代は?』
<ヽ`∀´>『三つで銅貨一枚で良いニダ』
爪'ー`)y‐『そりゃサービスし過ぎじゃ無い?』
<ヽ`∀´>『小さい子にはサービスニダ』
ζ(゚- ゚*ζ『ありあとござますっ』
<ヽ`∀´>『ホルホルホル』
爪'ー`)y‐『すみません何か』
ξ゚〜゚)ξ『おいしいです』
ζ(゚〜゚*ζ『おいしおいし』
爪'ー`)y‐『食べる事への躊躇の無さぁ』
<ヽ`∀´>『また来てくださいニダ』
爪'ー`)y‐『また寄らせてもらいます』
- 460 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:16:07 ID:BHcT3n5U0
<ヽ`∀´>『〜♪』
从 ゚∀从『ニダーさーん』
<ヽ`∀´>『ニダ?』
( ゚∋゚)『昼食用のパンを下さいな』
<;ヽ`∀´>『ハッもうそんな時間だったニダ!?』
从 ゚∀从『いや良い匂いしたから早めに来た』
( ゚∋゚)『今日の配達はキャンセルで、直で買います』
<ヽ`∀´>ホッ
从 ゚∀从『さっきの冒険者?』
<ヽ`∀´>『そうみたいニダ、お嬢さんの顔に大きな傷があったニダ』
( ゚∋゚)『冒険者……うちの宿に泊まってくれたら有り難いんですけどねぇ……』
从 ゚∀从『住宅地にある宿屋に誰が泊まるんスかね』
( ゚∋゚)『誰も泊まらないんですよねぇ……』
- 461 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:16:32 ID:BHcT3n5U0
ζ(´-`*ζ『おいひ……』
ξ*+⊿-)ξ『うむ……』
爪'ー`)y‐『二人ともさぁ……』
ξメ⊿゚)ξ『あ、そこよ師匠のお宅』
爪'ー`)y‐『おー立派立派、でも派手じゃないのね』
ξメ⊿゚)ξ『無駄な装飾は嫌うもの、連絡はしてあるから行きましょ』
ζ(゚- ゚*ζドキドキ
爪'ー`)y‐『どんな人だろうねー?』
ξメ⊿゚)ξづ『ツン・グランピーです! ただいま戻りました!』ドンドン
( ΦωΦ)゙ヒョコ
ξメ⊿゚)ξ『師匠! お久し振りです!』
( ΦωΦ)『おおツン、つ、ちょ何、何だえらく貫禄のある成りになったな』
- 462 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:16:58 ID:BHcT3n5U0
ξメ⊿゚)ξ『色々ありまして、あ、この子が手紙でお伝えしたデレです』
( ΦωΦ)『ほう、随分大きい』
爪'ー`)y‐『どうもー』
ξメ⊿゚)ξ『それ違います』
( ΦωΦ)
爪'ー`)y‐
( ΦωΦ)『男連れとは聞いておらなんだが……?』
ξメ⊿゚)ξ『書きませんでしたっけ』
( ΦωΦ)
爪'ー`)y‐
( ΦωΦ)『貴様、名は』
爪'ー`)y‐『フォックス・ユースレスです』
( ΦωΦ)『して、我が弟子とどのような関係か問おう』
爪'ー`)y‐『首握るのやめていただければ説明出来ますから……』
( ΦωΦ)『信じて送り出した愛弟子がチャラ男を連れ帰った気分を述べよ……』
爪'ー`)y‐『絞め殺したくもなりますよねー……』
- 463 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:17:22 ID:BHcT3n5U0
( ΦωΦ)『何だ雇用主であったか、いや失礼をした』
爪'ー`)y‐『いえいえ娘に紹介されたくないタイプだと自覚はあるんで』
( ΦωΦ)『そちらがデレか』
ζ(゚- ゚*ζビクッ
( ΦωΦ)『我輩はロマネスク・ミュスクル、元戦士のただの貴族よ、恐れる事は無い』
ζ(゚- ゚*ζ『が、ぅ……デレ、スタルトゥ……よろしくおねがいします……』
( ΦωΦ)『うむ、よろしくなデレよ。 今日から、ここは貴様の家でもある、遠慮はするな』
ζ(゚- ゚*ζ『あぃ……』
( ΦωΦ)『我輩怖がられてないか?』
/ ゚、。 /『お顔が怖いのでは』
( ΦωΦ)『えっ我輩そんなに怖い……?』
/ ゚、。 /『小さなお子様でしたらギャン泣きかと』
( ΦωΦ)『えー……』
- 464 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:17:48 ID:BHcT3n5U0
ξ*メ⊿゚)ξ『姉様!!』
/ ゚、。 /『久しいですねツン、元気みたいで何よりです』
ξ*メ⊿゚)ξ『はい!』
/ ゚、。 /『フォックス様も、ようこそおいで下さいました』
爪'ー`)y‐『どーも、綺麗なお姉さんだねツンちゃん』
ξメ⊿゚)ξ『ええ、自慢の姉様よ』
/ ゚、。 /『あなたも自慢の妹分です』
ξ*メ⊿゚)ξパァ
/ ゚、。 /『でももう少し身だしなみには気を遣いなさい』
ξメ⊿゚)ξ『はい……』
爪'ー`)y‐(初めて見るくらいチョロい)
- 465 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:18:19 ID:BHcT3n5U0
/ ゚、。 /『デレさん』
ζ(゚- ゚*ζ『あ、あいっ!』
/ ゚、。 /『私はダイオード、この屋敷で侍従をしています』
( ΦωΦ)『我輩の娘であるな』
/ ゚、。 /『デレさんも一応は侍従としてのスキルを身に付けて頂きます、私がちゃんとお教えしますので』
ζ(゚- ゚*ζ『あいっ』
( ΦωΦ)『別に普通にして良いのだが』
/ ゚、。 /『厳しくするつもりはありませんから、固くならないで下さい』
ζ(゚- ゚*ζ『あい……』
( ΦωΦ)『急に言われたら怖かろうになあ』
/ ゚、。 /『旦那様は黙ってて下さい』
( ΦωΦ)『はい』
爪'ー`)y‐(一言で力関係を察せた……)
ξメ⊿゚)ξ(姉様相変わらずおつよい……)
- 466 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:19:06 ID:BHcT3n5U0
それからお兄さんとお姉さんは、たくさんデレと約束をして、たくさん一緒に居て、旅立った。
デレは泣かずにがまんした、ちゃんとわらってまたねってできた。
さみしいけど、さみしいない。
デレは、ちゃんといいこでまてるのだ。
/ ゚、。 /「デレさん、こちらへ」
ζ(゚- ゚*ζ「あい」
ねえさまは、白くて綺麗な魔族。
白いけど少しだけ青い髪は長くてさらさら。
おなじいろのとがった耳と、すべすべの太いしっぽがある。
おひさまみたいな色の目だけど、すごく落ち着いてて、でもやさしい。
歳は人間でかぞえたら大人だけど、魔族でかぞえるとまだ子供らしい。
今日は文字と言葉を教えてもらって、今はお掃除を教えてもらってる。
魔法は言葉が出来るようになってかららしいので、デレは頑張って言葉を覚える。
- 467 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:20:18 ID:BHcT3n5U0
ζ(゚- ゚*ζ「ほうき……ほうき……」ザカザカ
/ ゚、。 /(巻き角に尻尾……この肌と髪の色から考えると、恐らく種族は……)
ζ(゚- ゚*ζ「おそうじ……おそうじ……」ザカザカ
/ ゚、。 /(魔族の中でも、特に大きな種族……最終的に山くらいにはなるような……)
ζ(゚- ゚*ζ「ちりとり……ちりとり……」ザカザカ
/ ゚、。 /(こんなに可愛らしいのに……成長しきったら屋敷に住むには狭いか……)
ζ(゚- ゚*ζ「ごみばこ……ごみばこ……」
/ ゚、。 /(まあ、そこまで成長する頃には外見を人に近い大きさにする術を身に付けるでしょう)
ζ(゚- ゚*ζ「ぞうきん……ぞうきん……」
/ ゚、。 /(大体の魔族が人に寄せた姿になれる……この子は珍しい種だけど、私の魔法を使える筈)
ζ(゚- ゚*ζ「おみず……おみず……」
- 468 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:20:54 ID:BHcT3n5U0
/ ゚、。 /「デレさんはお掃除は出来ますね」
ζ(゚- ゚*ζ「どれいのときしてた」
/ ゚、。 /「なるほど」
ζ(゚- ゚*ζ「できた?」
/ ゚、。 /「ミルクで床を磨きましょうか」
ζ(゚- ゚*ζ「のまない……?」
/ ゚、。 /「磨きます」
ζ(゚- ゚*ζ
/ ゚、。 /
ζ(゚- ゚*ζ「ひとくち……」
/ ゚、。 /「お腹壊しますよ」
ζ(゚- ゚*ζシュン
/ ゚、。 /「後で飲めるミルクを温めてあげます」
ζ(゚- ゚*ζパァ
- 469 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:21:21 ID:BHcT3n5U0
ζ(゚- ゚*ζ「これのめない?」
/ ゚、。 /「少し古くなったミルクを譲っていただいたんです、掃除用はこのボトルですよ」
ζ(゚- ゚*ζ「おぼえる」
/ ゚、。 /「では気合いを入れて磨きましょう」
('(゚- ゚∩ζ「がぅー」
/ ゚、。 /「デレさん」
ζ(゚- ゚*ζ「がう?」
/ ゚、。 /「リボンの結び方も覚えましょうね、タイが曲がってます」
ζ(゚- ゚*ζ「がぅ……」
/ ゚、。 /「ほら尻尾を上げる」
ζ(゚- ゚*ζ「がう」モサッ
/ ゚、。 /「デレさん尻尾の毛刈りをしましょうか、歩くだけで掃除になってます」
ζ(゚- ゚*ζ「ハッ ほこりまみれ……!」
/ ゚、。 /「こうやって尻尾を上げる」グッ
ζ(゚- ゚*ζ「キャイン」グッ
- 470 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:21:43 ID:BHcT3n5U0
( ΦωΦ)「おお、終わったか」
/ ゚、。 /「旦那様」
( ΦωΦ)「ほら座るが良い、パイも焼けたところであるぞ」
/ ゚、。 /「旦那様がお茶を入れては私の立場がありません」
( ΦωΦ)「別に良かろうに、ほら座れ」
ζ(゚- ゚*ζ「がう……」
( ΦωΦ)「先日魔女のパイを貪ってしまってな、その詫びのために試作をしたのだ」
ζ(゚〜゚*ζモソモソ
( ΦωΦ)ワクワク
ζ(゚ヮ゚*ζパァ
( ΦωΦ)゙ ドヤァ…
- 471 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:22:05 ID:BHcT3n5U0
/ ゚、。 /「旦那様」
( ΦωΦ)「はい」
/ ゚、。 /「旦那様の趣味には口出ししませんが」
( ΦωΦ)「はい」
/ ゚、。 /「私達の仕事は奪わないで下さい」
( ΦωΦ)「……なぁダイオードよ」
/ ゚、。 /「奪わないで下さい」
( ΦωΦ)「はい……」
ζ(´〜`*ζ(おいし)モシャモシャ
/ ゚、。 /(美味しい)モグモグ
( ΦωΦ)(味の加減がまだ掴めとらんな……次は少しレモン汁足してやるか……)モグモグ
- 472 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:22:50 ID:BHcT3n5U0
ζ(゚- ゚*ζ「ししょ」
( ΦωΦ)「む?」
/ ゚、。 /「旦那様」
ζ(゚- ゚*ζ「だんなさま」
( ΦωΦ)「構わんよ師匠で」
/ ゚、。 /「弟子じゃありませんよね」
( ΦωΦ)「んじゃ弟子にする……」
/ ゚、。 /「料理以外の何を教えるんですか」
( ΦωΦ)「戦士的な……」
/ ゚、。 /「魔法を覚える予定が詰まってます」
( ΦωΦ)「えー……じゃあ……えーと……」
/ ゚、。 /
( ΦωΦ)
/ ゚、。 /「何を教えるんですか」
( ΦωΦ)「何も無かったな……」
- 473 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:23:18 ID:BHcT3n5U0
( ΦωΦ)「あ、礼法はどうだ、我輩得意だし」
/ ゚、。 /「私が教えます」
( ΦωΦ)「まあそうだな、……えーとじゃあ……」
/ ゚、。 /「貴族の方の侍従として恥ずかしくない程度には私が仕込みます」
( ΦωΦ)「うん……頼りになる……」
/ ゚、。 /「……失礼しましたデレさん、ご用件は」
ζ(゚- ゚*ζ「がぅ、ししょ、うー……だんなさま」
( ΦωΦ)「ロマネスクでも良いぞ」
/ ゚、。 /「良いわけありませんよね」
ζ(゚- ゚*ζ「だんなさま、ねえさま、かぞく?」
( ΦωΦ)「うん」
/ ゚、。 /
ζ(゚- ゚*ζ「まぞく、にんげん、かぞく?」
( ΦωΦ)「うん」
/ ゚、。 /
- 474 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:23:47 ID:BHcT3n5U0
ζ(゚- ゚*ζ「うー」
( ΦωΦ)「魔族だろうが人間だろうが、家族よ」
ζ(゚- ゚*ζ「がう……」
( ΦωΦ)「……そも、我々に対して人間と言う呼称がおかしいのやもしれんな」
ζ(゚- ゚*ζ「う?」
( ΦωΦ)「魔族も人よ、人の間から産まれれば人間と大差あるまい」
/ ゚、。 /「旦那様」
( ΦωΦ)「人の形を持つのなら、魂を持つのならば人間と言えようさ」
/ ゚、。 /「旦那様ッ」
ζ(゚- ゚*ζ「っ」
( ΦωΦ)「……こう言う事を言うと、娘は怒るがな」
ζ(゚- ゚*ζ「う……ねえさま……?」
/ ゚、。 /「…………お立場を考えて下さい」
( ΦωΦ)「考えたくも無いがなあ」
- 476 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:24:26 ID:BHcT3n5U0
/ ゚、。 /「旦那様は英雄、人間の希望です、あなたがそうでは」
( ΦωΦ)「魔族の子を持つ親に何を言う」
/ ゚、。 /「……ですから、それが」
( ΦωΦ)「国のため人々のためと走り回ったが、なに、所詮は己の故郷や許嫁のためにやった事」
/ ゚、。 /「…………」
( ΦωΦ)「英雄と呼ばれようが、不殺を貫いたあやつらとは違う、我輩も所詮は人殺しよ」
/ ゚、。 /「…………旦那様は、英雄なんです……私はその旦那様に、お仕えしてるんです」
( ΦωΦ)「貴様も頑なよな、我が娘よ」
/ ゚、。 /「…………失礼します」
( ΦωΦ)「ダイオードはもう要らんらしい、デレよ、しっかりと食え」
ζ(゚- ゚*ζ「が、ぅ……」
- 477 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:25:03 ID:BHcT3n5U0
( ΦωΦ)「すまなんだな、居づらかろう」
ζ(゚- ゚*ζ「う……ねえさま、おこる……?」
( ΦωΦ)「ダイオードは怒りっぽくて敵わん」
ζ(゚- ゚*ζ「おこるふしぎ……」
( ΦωΦ)「……デレは、人と魔族は家族にはなれんと思うか?」
ζ(゚- ゚*ζ「がう? ……わかるない」
( ΦωΦ)「なれるさ」
ζ(゚- ゚*ζ「なれる?」
( ΦωΦ)「ああ、なれる」
ζ(゚- ゚*ζ
ζ(゚- ゚*ζ「おねさんおにさんと、家族なれる?」
( ΦωΦ)゙「なれるともさ」
ζ(゚- ゚*ζパァ
- 478 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:25:25 ID:BHcT3n5U0
ζ(゚- ゚*ζ「だんなさま、ねえさま、どうしてかぞく?」
( ΦωΦ)「ダイオードの親を我輩が殺してな」
ζ(゚- ゚;ζ
( ΦωΦ)「復讐に来たダイオードに腹を刺されたがな、お互い全てを亡くしたもので
どうせ捨てるつもりの命ならば最大限に使おうと、ならば共に生きてみようと言う感じにな」
ζ(゚- ゚;ζ「ひぇ……」
( ΦωΦ)「我輩の罪は消えんが、ダイオードは許してくれたよ
だが、普通の親子のようには接してはくれんなあ」
ζ(゚- ゚*ζ「…………デレ、ちょっとわかる」
( ΦωΦ)「む?」
ζ(゚- ゚*ζ「ねえさま、だんなさますき」
( ΦωΦ)「照れるな」
ζ(゚- ゚*ζ「だから、やくにたちたい」
- 479 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:26:11 ID:BHcT3n5U0
ζ(゚- ゚*ζ「デレつよくなりたい、おねさんおにさんのやくにたちたい」
( ΦωΦ)
ζ(゚- ゚*ζ「やくめほしい、デレにできることしたい、ないと、めいわくかける」
( ΦωΦ)「迷惑などと、思わんだろうに」
ζ(゚- ゚*ζ「でもデレ、やくにたちたい、たちば、やくめ? ひつよ」
( ΦωΦ)「……小さいのに、よう考えとるなあ」
ζ(゚- ゚*ζ「がぅ、ねえさま、きっといっしょ、じじゅう? でないと、いっしょいれない」
( ΦωΦ)「…………」
ζ(゚- ゚*ζ「デレ、それでもいい、おもう」
( ΦωΦ)「……そうだな、そうありたいのなら、口を出す事では無いか……」
ζ(゚- ゚*ζ「がぅ」
( ΦωΦ)「親の立場も、少々寂しいものであるなぁ……」
- 480 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:26:47 ID:BHcT3n5U0
ζ(゚- ゚*ζ「だんなさま」
( ΦωΦ)「む?」
ζ(゚- ゚*ζ「デレ、おおきくなれる?」
( ΦωΦ)「なれるんじゃないか?」
ζ(゚- ゚*ζ「デレおおきくなる」
( ΦωΦ)「おう、育て育て」
ζ(゚- ゚*ζ「だんなさまくらいおおきくなる」
( ΦωΦ)「わはは、それはまた大きくなるな」
ζ(゚- ゚*ζ「なる」
( ΦωΦ)(育つのは良いがデレの種はどれくらいまで育つのだろうか)
※山くらい
- 481 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:27:34 ID:BHcT3n5U0
|、。 /゙
( ΦωΦ)「我輩より大きくと言うと体長3mくらいになるな」
ζ(゚- ゚*ζ「さんめーとる」
( ΦωΦ)「我輩が言うのも何だがそろそろバケモンであるぞ」
ζ(゚- ゚*ζ「だんなさまばけもん?」
( ΦωΦ)「否定はせんなあ」
ζ(゚- ゚*ζ「デレもばけもんなる」
( ΦωΦ)「せっかく可愛らしいのに」
ζ(゚- ゚*ζ「デレかわいいない」
( ΦωΦ)「かっこいい方が良いか?」
ζ(゚- ゚*ζ「がぅー」
( ΦωΦ)「なら自分を名前で呼ぶのを止めなさい」
ζ(゚- ゚*ζ
( ΦωΦ)
- 482 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:28:06 ID:BHcT3n5U0
ζ(゚- ゚*ζ「デレ」
( ΦωΦ)「それ」
ζ(゚- ゚*ζ「わがはい!」
( ΦωΦ)「無理がある無理がある」
ζ(゚- ゚*ζ「わたし?」
( ΦωΦ)「ますます女子であるな」
ζ(゚- ゚*ζ「ぼく」
( ΦωΦ)「ふむ」
ζ(゚- ゚*ζ「ぼく!」
( ΦωΦ)「カワイイボクって言ってみ」
ζ(゚- ゚*ζ「かわいいぼく?」
( ΦωΦ)「フフーン」
ζ(゚- ゚*ζ「フフーン」
|、。 /「旦那様、デレさんに変な芸を仕込まないで下さい」
(ΦωΦ )「うわびっくりした」
- 483 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:29:02 ID:BHcT3n5U0
/ ゚、。 /「大体何ですかその趣味」
( ΦωΦ)「誤解だクックルのせいだ」
/ ゚、。 /「英雄が揃って何を」
( ΦωΦ)「担当するアイドルが多いらしい」
/ ゚、。 /「知りませんが」
( ΦωΦ)「我輩もあいつの趣味は分からん……スマホを使いこなしよる……」
/ ゚、。 /「魔道具です」
( ΦωΦ)「ドクオもタブレット使いこなすし……」
/ ゚、。 /「旦那様はらくらく魔道具すら使いこなせませんよね」
( ΦωΦ)「これ小さくない?」
/ ゚、。 /「旦那様が大きいのでは?」
ζ(゚- ゚*ζ(らくらくまどうぐ……)
/ ゚、。 /「デレさんも迷子防止に今度持ちましょうね」
ζ(゚- ゚*ζ「がう」
/ ゚、。 /「私はiPhone派ですがデレさんはどうしますか」
( ΦωΦ)「品名言ってる言ってる」
- 484 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:29:24 ID:BHcT3n5U0
( ΦωΦ)「ほれダイオード、座れ」
/ ゚、。 /「遠慮します」
( ΦωΦ)「膝に」
/ ゚、。 /
( ΦωΦ)「デレよ娘の目が極めて冷たい」
ζ(゚- ゚*ζ「ねえさまにじゅうよんさい」
( ΦωΦ)「娘ならいくつでも膝に乗せたいものよ……」
ζ(゚- ゚*ζ" フルフル
( ΦωΦ)「だめかー」
ζ(゚- ゚*ζ「ない」
( ΦωΦ)「寂しいものであるな……」
ζ(゚- ゚*ζ「でもない」
( ΦωΦ)「ほだされてはくれんかデレよ……」
- 485 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:29:51 ID:BHcT3n5U0
旦那様も姉様も、家族だけど普通の家族にはなれない。
デレもお姉さんお兄さんと家族になれると思う。
でも同じように、普通の家族にはなれない気がする。
だけど、それでも良いと思う。
どんなのでも、どんなかたちでも、人が見たらゆがんでいても。
家族は、家族だから。
デレは、ぼくは。
家族のために、たくさん立派になりたい。
おおきくおおきく、つよくりっぱになって、家族にたくさん恩返しをしたい。
そのためにも、もうしばらく。
旦那様と姉様の家族になりたいし、たくさんを教わりたい。
もう少し待っててね。
おわり。
- 486 名無しさん[sage] 2017/04/02(日) 22:30:11 ID:BHcT3n5U0
────数年後。
/ ゚、。 /「旦那様、大変です」
( ΦωΦ)「む?」
/ ゚、。 /「ついにデレさん、旦那様の服が入らなくなりました」
( ΦωΦ)「よう育ったなあ……筋肉と身長が……」