双子のようです。


川*゚ 々゚)「シュー、おままごとをしましょう」

lw´‐ _‐ノv「はい、……お姉ちゃん」

川*゚ 々゚)「私がお母さん、シューが子供ね」

lw´‐ _‐ノv「……はい、お姉ちゃん」


ばちん。

右の頬が、熱くなる


川*゚ 々゚)「私はお母さんでしょ? シュー」

lw´#) _‐ノv「…………はい、お母さん」



双子のようです。




川*゚ 々゚)「ほらシューちゃん、あーん」

lw´‐ _‐ノv「あーん……」

川*゚ 々゚)「お母さんのご飯はおいしいでしょ?」

lw´‐ _‐ノv「……はい、お母さん……」


じゃり、じゃり、じゃり。

砂をまぶした泥団子は、鉄の味


川*゚ 々゚)「おいしい? ねぇ、おいしいよね?」

lw´‐ _‐ノv「……は、い……おいしい、です……」

川*゚ 々゚)「ぁは、は、あはは……あはははは、おいしいんだ、おいしいんだぁ」

lw´‐ _‐ノv「はい……」

川*゚ 々゚)「はっ、ぁは、あはぁ、あははははっあははははははっ!」

lw´‐ _‐ノv「……ぅ、ぷ」




川*゚ 々゚)「見てシュー、新しいお洋服を買ってもらったの」

lw´‐ _‐ノv「かわいい、です」

川*゚ 々゚)「でしょ? でしょう? あはぁ、ねぇ、ねぇ、羨ましい?」

lw´‐ _‐ノv「はい、お姉ちゃん」

川*゚ 々゚)「シューはそのお洋服似合わなぁい、……私が脱がせてあげるね?」

lw´‐ _‐ノv「ぇ、あ、」


びりびりびり。

破かれ裂かれた、お気に入りのワンピース


lw´‐ _‐ノv「ぅ、う」

川*゚ 々゚)「抵抗しないの、ハサミ持ってるんだからぁ?」

lw´‐ _‐ノv「は、い……お姉、ちゃん」




川*゚ 々゚)「シュー、あなたの小鳥、どこに行ったのぉ?」

lw´‐ _‐ノv「ぇ、」

川*゚ 々゚)「籠の中に居ないの、ふしぎね、ふしぎね?」

lw´‐ _‐ノv「ぁ、あ、ぅあ……わたし、の、小鳥」

川*゚ 々゚)「ふしぎね、……羽根しか残ってないなんてぇ」


きぃ、きぃ。
鳥籠に残った青い羽根、揺れる扉、あああ、うるさい、うるさい。きぃきぃと、うるさい。うるさい。
うるさい。


川*゚ 々゚)「私の子猫、お腹いっぱいみたぁい……ぁは、は、あはぁははははっ、ふしぎね、ふしぎねぇシュー?」

lw´  _ ノv「…………はい、お姉ちゃん……」





お姉ちゃんは私よりかわいくて
お姉ちゃんは私よりかしこくて
お姉ちゃんは私よりお姉ちゃんで

私はお姉ちゃんよりかわいくなくて
私はお姉ちゃんよりかしこくなくて
私はお姉ちゃんでなく妹で

双子なのに顔が違った
双子なのに性格が違った
双子なのに頭のよさが違った

私はお姉ちゃんより低く低く生まれてきた

私はいつかお姉ちゃんに食べられてしまうのだろうか



ぐしゃり。





「ねぇシュー、私はかわいい? ねぇ、ねぇ?」

「はい、お姉ちゃん」

「あなたより、ずうっとかわいいわよね?」

「はい、お姉ちゃん」

「シュー、私が好き?」

「はい、お姉ちゃん」

「シュー、私が嫌い?」

「はい、お姉ちゃん」

「シュー、私を恨んでる?」

「はい、お姉ちゃん」

「シュー、私を殺したい?」

「はい、お姉ちゃん」

「シュー、私を愛してる?」

「はい、お姉ちゃん」



こんこん。


川 ゚ -゚)「シュー、入るぞ」

「…………」

川 ゚ -゚)「……シュー、」

「お姉ちゃんが、私の小鳥を、殺してしまったの……お母さん」

川 ゚ -゚)「シュー……」

「お姉ちゃんが、私に泥団子を食べさせるの……お母さん」

川 ゚ -゚)「シュー、」

「お姉ちゃんが、私のワンピースを破いたの、お母さん」

川  - )「シューッ!」

「お姉ちゃんが、私を叩くの、いたい、いたいよ、おかあさん、おかあん」

川  - )「もうやめろっ! もうやめろ! クルウ!!」


川  - )「シューはお前が殺したんだッ!!」



「おかあ、さん?」

川  - )「お前がシューを殺したんだ! お前がシューの背を押したんだ! お前がシューを窓から突き落として殺したんだ!!」

「おかあさん、シューは、わたしだよ」

川  - )「なら鏡を見ろクルウ! お前はシューじゃない!!」


ばさり。
姿見にかけられていた布を取られて、私は、私は


川 ゚ 々゚)「ぁ……あ、ぅあ、」

川 ゚ -゚)「それがお前だクルウ、双子の妹を殺したお前だ」

川 ゚ 々゚)「あ、れ……私、は、お姉ちゃん、じゃ」

川 ゚ -゚)「お前がシューを殺して、シューが居なくなって、何故かお前がシューを騙るようになった……お前でも、双子の妹を殺した罪悪感に苛まれていたのか?」

川 ゚ 々゚)「あれ、ぁ、うぁあ、ああ……ちが、ちがう、わたしは、あれ……あ、ああああ」

川 ゚ -゚)「クルウ……もう、止めてくれ……私達が悪かった、だから、もう」



沸き上がる、沸き上がるあの時の記憶




シューの小さな背中

窓から身を乗り出して、お母さんたちに手を振ってる

私はこっそりシューに近づいて

驚かせたくて

背中を



あれ?

私は、背中を押したんじゃないか




そうだ、私は背中を押したんだ
シューは驚いた顔で私を振り返って
幸せそうな顔で、笑って、落ちていったんじゃないか

「お姉ちゃんも、」
こう、シューは呟いて


そうだ

私がシューを叩いたんだ
私がシューに泥団子を食べさせたんだ
私がシューのワンピースを破いたんだ
私がシューの小鳥を殺したんだ

私がお姉ちゃんなんだ
私がクルウなんだ

私がシューを殺したんだ





ぁは、は、あははは、あはぁははははぁははっ!!

私が、私が殺したんだ、私がシューを殺したんだ
私はシューが嫌いだった訳じゃない、私はシューが好きだった、シューの泣きそうな顔が好きだった、シューの困った顔が好きだった
食べてしまいたいくらい好きだった!


ごつ、ごつ、額を鏡に叩きつけた
あめ色の髪を振り乱して
がつん、がつん、何度も何度も
要ら、ない、なにも要らないから
だから、さ、だからさシュー
お願いお願いひとつだけ聞いて、私のお願い


つれてって、シューのところに
一人は嫌だよ、シューの側に
シュー、お願い、シュー、私をつれてって。




私はクルウ、素直クルウ
大好きな妹を殺した大馬鹿者

大好きな妹を殺した癖に、妹が居ない世の中を捨てた大馬鹿者

私は妹が大好きだった
大好きだったから、私は



私は、窓から飛び降りた。


双子は、離れちゃいけないんだ。

待っててシュー、もう、いじめないから。


end

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