『前途遼遠な二人のようです』
/ ゚、。
/
私は背が高い。
平均女子の身長よりも平均男子の身長よりも高い。
それと同時に
( ΦωΦ)
私の恋人も、背が高い。
広い肩幅に厚い胸板、厳つい顔と声。
まるで悪魔超人の様な、高校三年生。
私たちは、何やら恋人同士です。
/*゚、。
/『前途遼遠な二人のようです』(ΦωΦ*)
( ΦωΦ)「すーずき」
/ ゚、。
/「ん」
( ΦωΦ)「一緒にかーえろっ」
/ ゚、。 /「だが断る」
(´ΦωΦ)
/ ゚、。
/「断る」
(´ΦωΦ)「いけずぅ……」
/ ゚、。 /「帰れ」
(`ΦωΦ)「帰るよ! ぷんだ!」
/
゚、。 /
(ΦωΦ´))
/ ゚、。 /「ま、待てぃ」
(`ΦωΦ)
/*゚、。
/「か、帰ろ、か」
(*ΦωΦ)
( ΦωΦ)「鈴木のツンデレには困ったものである」
/ ゚、。
/「うっさい」
( ΦωΦ)「でもそーんな君がー、好・き・さ!」
/ ゚、。
/「うわぁ……」
(´ΦωΦ)「そこは引かんといてや……」
/ ゚、。
/「……」
(´ΦωΦ)「……」
/ ゚、。 /「ばぁか」
(´ΦωΦ)ロマーン
/ ゚、。
/「……まあ、その、嫌いじゃ、ないけど」
(*ΦωΦ)
どうも、私達にはなかなか、進展が無い。
きききキスなんかもした事は無いし、手を繋ぐ事すら無くて。
まあ、私に原因があるんだけど。
なんだか照れ臭くて、公認カップルとやらになった今も、友達の頃から変わらない反応をしてしまう。
きもいとか、死ねとか、こんな事ばかり。
そりゃ、その、多少は進展しても、とは思うんだけど。
手を繋いだり、もっとこう、こ、恋人らしい事とか、したり。
……恥ずかしい。
恥ずかしいけど、頑張ってみよう!
進展。
( ΦωΦ)「鈴木、あーん」
/
゚、。 /「あー」
(*ΦωΦ)「うふふ、美味しい?」
/ ゚、。
/「んー」
(*ΦωΦ)「我輩、せっせと作ったのよ、そのクッキー」
/ ゚、。
/「んー」
(*ΦωΦ)「鈴木、甘いもの好きだって聞いたから……頑張ったのであるっ」
(*⊃ω⊂)キャッ
/ ゚、。
/「んー」
( ΦωΦ)
/ ゚、。 /「んー」
(´ΦωΦ)「本から目ぇそらしてぇな……」
/ ゚、。
/「……ぇ、あ、何?」
(´;ω;)ブワリ
進展、
( ΦωΦ)「鈴木、これっ」
/
゚、。 /「んー?」
(*ΦωΦ)「マフラー編んだのである! うん、鈴木には水色がよく似合うのであるっ」
/ ゚、。
/「おー」
(*ΦωΦ)「実はこれ、その……お揃いで我輩のも編んだのである……」
/ ゚、。
/「おー」
(*ΦωΦ)「ほ、ほらここ、お揃いのポイント入れて……我輩のはピンクであるが、これでお揃いなのであるっ」
(*⊃ω⊂)キャッ
/
゚、。 /「おー」
( ΦωΦ)
/ ゚、。
/「おー」
(´ΦωΦ)「そんなにテトリス面白いん……?」
/ ゚、。
/「……あ、ん、はい?」
(´;ω;)ブワワリ
進、展
( ΦωΦ)「鈴木、」
/
゚、。 /「おー?」
(*ΦωΦ)「こ、ここに遊園地のチケットが二枚あるのである……今度の日曜までなんだけど、その」
/ ゚、。
/「うー」
(*ΦωΦ)「生憎と友達はみんな忙しくて、その……も、もし暇なら、一緒に……」
(*⊃ω⊂)キャッ
/
゚、。 /「うー」
( ΦωΦ)
/ ゚、。 /「うー」
(´ΦωΦ)「そこまで集中せなあかんの?
名古屋撃ちって……」
/ ゚、。
/「……ん、ぁ、あい?」
(´;ω;)ブワワワリ
進展の無い原因が、私以外に見つからない。
ち、違っ!
クッキーは美味しかったしマフラーは嬉しかったし遊園地は行きたかったよ!
ただ、その……タイミングが……悪かった……だけで…………
/ 、
/「……ぇぅ」
私の、馬鹿……。
本当はロマと、もっと、それっぽい事したいのに……。
ロマは、もっと手とか繋いだりしたいのかな
もしそうなら……
よし、反省して、進展できる様に積極的に接触してみよう!
せめてききききキスくらいは!
考えてるだけで死にそう!
……進展
/
゚、。 /「ロマー」
( ΦωΦ)「むー」
/ ゚、。 /「あー」
( ΦωΦ)「あー」
/ ゚、。
/「美味いか」
( ΦωΦ)「うむー」
/ ゚、。 /「……」
( ΦωΦ)「むー」
/ ゚、。
/「……」
、。 /
))
( ΦωΦ)「……よしっ、予習終わっおおおお!?」
(;ΦωΦ)「べ、弁当に教科書が刺さっとる!? 何じゃこりゃあって鈴木!?
鈴木どこ!? 我輩の数学の教科書がモノリスみたいになってるよ鈴木!?」
……進……展、
/ ゚、。
/「ロマー」
( ΦωΦ)「あいよー」
/ ゚、。
/「日曜は暇かー」
( ΦωΦ)「あー……あ、今度の日曜は用事が入ってるのである」
/ ゚、。
/「そうか」
( ΦωΦ)「すまんのである、ちょっと長岡とゲームする約束が……」
_
( ゚∀゚)「杉浦ー、日曜にやるゲームは“赦されざる谷間〜異母兄妹のひ・み・つ〜(R18)”で良いかー?」
( ΦωΦ)「おい何だそのタイトル、我輩はただモンハンするって聞いてたわばぁ!!?」
/#゚、。
/ )) ( #)ω+)キュウ
_
(;゚∀゚)
…………進展……、
/ ゚、。
/「ロマ、ここ教えて?」
( ΦωΦ)「む、ああそこか……それは、こうやって、こう」
/ ゚、。
/「あ、掛けるんだ……」
( ΦωΦ)「うむ、んでここをこう、割る……と」
/ ゚、。
/「おぅ、有り難うロマ」
(*ΦωΦ)「いや、頼られて嬉しいのである」
/*゚、。 /「ぇぅ……」
_
( ゚∀゚)「おー熱いなぁお二人さん、ヒュウヒュウ! おっぱい揉んだか!」
/*゚、。
/「んな!」
( ΦωΦ)「揉むかいンなもん、阿呆め」
/ ゚、。
/「……ンなもん……」
( ΦωΦ)「にゃ?」
デュクシ! アベシ! デュクシ! タワバ! デュクシ!
ヒデブ! デュクシ! ヒギィ!
⊂⊃
(メメ#)ω(メ#) チーン
_
(;゚∀゚)「……お前の彼女、強いな……」
(メメ#)ω(メ#)「何で筋肉なバスターとかかけられたん、我輩……」
_
(;゚∀゚)「そりゃお前……『自分のおっぱいをそんなもん扱いされた』と思ったんだろうよ……」
(メメ#)ω(メ#)「貴様の所為やないかい……」
_
(;゚∀゚)「……ごめんね」
(メメ#)ω(メ#)「変な事言うなよう……」
_
(;゚∀゚)「いや、その、つい……揉んでないんだな……おっぱい」
(メメ#)ω(メ#)「揉まねぇよ……」
_
( ゚∀゚)「けどまぁ、何で揉まないの?
アベックなら揉むんじゃないの?」
( ΦωΦ)「いてて……貴様の様な彼女居ない歴=年齢には分からんかもな……」
_
( ゚∀゚)「お前は今、全世界の童貞を敵に回した」
( ΦωΦ)「喧しいわ。大体、付き合うとそう言う行為を直結させるな単細胞め」
_
( ゚∀゚)「えー……何? 彼女を大事にしたいってやつなの? 聖人君子なの?
性欲無いの?」
( ΦωΦ)「我輩は付き合い始めて数週間でそう言う行為に及ぶ人間の方がどうかと思うよ?
それまでの付き合いが長いならまだしも、我輩らはそんなに長い付き合いじゃないし」
_
( ゚∀゚)「そりゃそうだけどさぁ……でも、」
( ΦωΦ)「急ぐ必要がどこにある?」
_
( ゚∀゚)「う」
( ΦωΦ)「ああ鈴木を大事にしたいさ、それに我輩はあんまりそう言う行為を軽々しくする奴や言う奴が好きではない」
_
( ゚∀゚)「うう」
( ΦωΦ)「我慢ではない、全くしたくない訳ではない、ただそう言う意識が我輩には殆んど無いだけである」
_
( ゚∀゚)「何、この綺麗な悪魔超人……」
( ΦωΦ)「鈴木はどうか分からんが、我輩はゆっくり間を埋めて行けば良いと思う。
だから、そういった行為を急いでしようとは思わん、進展なんかゆっくりで良かろうさ。
だって鈴木が好きだもの、ゆっくりの方が何だか楽しいと思うし、急ぐより鈴木とゆっくりするのが良い」
_
( ゚∀゚)「……」
( ΦωΦ)「いっぱい喋ったら喉乾いたのである、その牛乳寄越せ」
_
( ;∀;)ブワッ
(;ΦωΦ)「どしたん!?」
_
( ;∀;)「俺のミルクならいくらでもあげるよ……濃いいミルク(特濃4.5)をあげるよ……うっうっ……綺麗だなあお前……ぢぐじょう……ぢぐじょう……」
(;ΦωΦ)「なんなん!?
なんなん!? どうしたん!?」
_
( ;∀;)「俺はこんなに……こんなに汚れちまった…………杉浦、俺を抱いてくれよ……お前の綺麗を分けてくれよ……」
(;ΦωΦ)「やだよ!
キモいよ! どうしたのこの子!? ひぃっ、こっち来んな!」
_
( ;∀;)「うおおおお! 杉浦ああああ!
うおおおおおお!」
(;ΦωΦ)「きゃー! きゃー! きゃー!?」
デュクシ! _
/#゚、。
/ 三⊃#)∀ )アンッ!
(;ΦωΦ)「すっ、鈴木!」
/#゚、。 /「あっち行けこの眉毛が! 死ね! 死ね!
変な道に引きずり込もうとすんな!!」
(;ΦωΦ)「……す……鈴木、さん……?」
/#゚、。 /「オラァ!
かましてんじゃねぇぞ眉毛がよぉ!! 面上げろコラァア!!」
(;ΦωΦ)「鈴木! 鈴木! ヤンキーみたいになってるから!
怖いのである!」
/#゚、。 /「もいで不能者にしちまうぞてめぇよぉ!! おらケツ出せケツ!
バスター掛けっちまうぞ眉毛がぁあ!!」
(;ΦωΦ)「あ、ちょ、鈴木! 長岡死んじゃうのである! らめぇ!
それ以上しちゃらめぇぇぇ!!」
/#゚、。 /「チッ……ロマ帰ろ!」
(;ΦωΦ)「はいぃ!」
_
(メ##)∀(メメ) アハァン……
/#゚、。 /
(;ΦωΦ)
/#゚、。
/
(;ΦωΦ)「……あのぅ……」
/#゚、。
/「あ?」
(;ΦωΦ)「あ、すみません、すみません…………あの、鈴木……?」
/#゚、。
/「何よ」
(;ΦωΦ)「何で、その、あんなに……」
/#゚、。 /「そんなのっ!」
/ ゚、。
/「そん、な、の……」
/* 、 /
(;ΦωΦ)「鈴木……?」
/* 、
/「何でも……無い、よ……」
( ΦωΦ)「……すまん、我輩がヘタリストなばっかりに」
/ ゚、。
/「そ、そんな、事」
( ΦωΦ)「……鈴木」
/ ゚、。
/「ぇぅ……」
( ΦωΦ)「好きよ」
/*゚、。
/そ
( ΦωΦ)「だから、その……うーん……うまい事言えんな」
/*゚、。
/?
( ΦωΦ)「手、繋いで帰りませんか?」
/*゚、。 /!
( ΦωΦ)「嫌?」
/*゚、。
/「い、嫌、く、ない」
(*ΦωΦ)
/*゚、。
/
ロマの気持ちは、廊下に出て聞き耳を立ててしまったから知った。
私の気持ちは、まあ、ゆっくり伝えてけば、良い、かな?
大きい手のひらは、ひどく熱くなってた。
だから私はロマにくっついて、笑って。
照れた顔を、見上げていたかった。
まだまだ道のりは長いけど
それはそれで、悪くない
私たちは、前途遼遠だ。
とりあえず明日、長岡はコロス
おわり