- 384 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:19:53 ID:xloB2HyIO
行く道は様々、賑やかな街や静かな村。
時には冷たい風を、時には暖かな風を受けて歩いて行く。
周囲にはいつも移り変わり続ける景色。
聞こえるのは人の声や風の音、喧騒も静けさも耳へと流れ込む。
石畳を踏み、土を踏み、景色の中を渡り歩くのは、三人。
一人はどこか情けない顔をした、人の良い魔導師。
もう一人は、表情を浮かべず自由に振る舞う戦士。
その二人の間に居るのは、明るく元気な女の子。
【旅のようです】
【五話 先生が大事だよ】
彼らの間にはいつも、穏やかでいて賑やかな空間が存在する。
立ち絵
- 385 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:21:04 ID:xloB2HyIO
目を覚ましたら、視界にぼんやりと移るのは、天井。
見覚えのない光景、体を包む柔らかな感触。
わたしはぼうっと天井を見上げたまま、微かに首をかしげた。
ここは、どこだろう。
ゆっくりと、力の入りにくい体を起こす。
周囲を緩慢な動作で見回すと、やはり見覚えのない部屋。
質素な木製の家具、壁紙はなくむき出しの木目。
二つ並んだベッドの片割れに居るわたし。
けれどもう片方のベッドに乱れは無く、使用されていない事がうかがえる。
イル ゚−゚)リ(……宿屋、かな)
枕元には、わたしの服とカチューシャ、先生に買って貰った髪飾り。
肌着姿のわたしはゆっくりとベッドから降りて、綺麗に畳まれた服を身に付ける。
部屋にはわたしだけ。
先生も、おっちゃんの姿も無い。
けど荷物がある事からして、一応はここに泊まってるんだろう。
- 386 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:23:38 ID:xloB2HyIO
わたしは、どうしてここに居るんだろう。
ここはどこだろう、見覚えはまるで無い。
カチューシャで髪をまとめ、髪飾りをつける。
窓に歩み寄り、外を眺めれば広がるのは海辺の町。
あ、
ミセ ゚−゚)リ「…………せん、せ……」
すっと、顔から血の気が引いた。
フラッシュバックする様に、あふれだす記憶の波。
むせかえるような血のにおい。
生暖かいなにか。
舞い上がる炎。
焦った顔のおっちゃん。
ちぎれた、腕。
血を吐いて、内臓がこぼれ、骨が剥き出しの、青白い顔をした先生。
- 387 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:25:11 ID:xloB2HyIO
- あ、少し閲覧注意
- 388 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:26:11 ID:xloB2HyIO
ミセ; − )リ「ぁ……あ…………っ」
先生は、先生はどこ。
わたしの、わたしの先生は、
自分の体を抱いて震えるわたしの耳に、ドアを開く音が舞い込む。
弾けた様にそちらを向いて、わたしは目を見開いた。
(‘_L’)「…………起きたか」
ミセ;゚−゚)リ「おっちゃん……ッどうしたの!? 怪我してる!!」
(‘_L’)「ああ、いや、仕事をしていた」
ミセ;゚−゚)リ「仕事って、なんで……ここ、どこなの……?」
(‘_L’)「洞窟を抜けた先にある町だ、お前らを運んできた」
ミセ;゚−゚)リ「お前らを…………せんせは!? せんせはどこ!?」
(‘_L’)「あ……今、治療を受けている」
ミセ;゚−゚)リ 「大丈夫なの!? あんな、怪我……腕、も……ッ」
(‘_L’)「傷自体は問題無い、治癒魔法も受けて回復に向かっている」
- 390 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:28:09 ID:xloB2HyIO
ミセ;゚−゚)リ「よか、た……よかった……」
(‘_L’)「ああ、ただ」
ミセ;゚−゚)リ「……ただ?」
(‘_L’)「いや……うん」
ミセ;゚−゚)リ「……ちゃんと言って、せんせがああなったのは、ミセリの不注意なんだよ」
(‘_L’)「だから、余計に言いたくないんだろうが」
ミセ;゚−゚)リ「…………おっちゃん」
(‘_L’)「……腕は、もう治らん」
ミセ;゚−゚)リ「……そ、か」
(‘_L’)「ああ」
ミセ;゚−゚)リ「それ、だけ? あとは怪我が治れば、大丈夫なの?」
(‘_L’)「…………」
ミセ;゚−゚)リ「ね、ぇ……ねぇおっちゃん、大丈夫なの? せんせは大丈夫なのッ!?」
- 391 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:30:05 ID:xloB2HyIO
(‘_L’)「……毒に、やられた」
ミセ;゚−゚)リ「ッ!!」
(‘_L’)「その解毒薬は、ここには無い」
ミセ; − )リ
(‘_L’)「だから、言っただろう、言いたくないと」
頭の芯から、冷える。
わたしの不注意で、わたしを庇った先生が、わたしのせいで。
わたしの、せいで。
何が、守れただよ。
守れてない、何も守れてない。
わたしはこんなにも矮小で、弱くて、ただの、小娘で。
涙が、じわ、と溢れた。
- 392 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:32:10 ID:xloB2HyIO
ミセ; − )リ「ぁ、あ……ぁ」
(‘_L’)「……自分を責めるなと言っても、無駄だろうな」
ミセ; − )リ「わた、し……わたし、解毒魔法、覚えてる……ッドクオさんに教えて貰ったッ!」
(‘_L’)「駄目だ、お前は魔力をろくに操れない」
ミセ; − )リ「そんな事ッ!」
(‘_L’)「洞窟でもお前は感情に任せて魔力を暴発させた、魔導師の真似事をするな」
ミセ; − )リ「そんなッ……わたしはッ!」
(‘_L’)「忘れたのか、魔力も蓄えられず扱えないお前は、魔力を暴発させてそのまま倒れた事を」
ミセ; − )リ「ぅ……」
(‘_L’)「それに、教わったのは一般的な知識だろう、奴の毒は特殊だ」
ミセ; − )リ「特、殊?」
(‘_L’)「本来はこの辺りに居るような魔物では無かった
だから奴の毒は一般知識では、一般の魔導師ですらも太刀打ち出来るものではない」
ミセ; − )リ「…………そんな……じゃあ、せんせは……」
- 395 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:34:56 ID:xloB2HyIO
(‘_L’)「……お前に出来る事は、何もない」
ミセ; − )リ「…………」
(‘_L’)「俺に出来る事も、治療費を稼ぐ事くらいしか無い」
ミセ; − )リ「せんせ、は……どこ……」
(‘_L’)「……橋の先の、診療所だ」
ミセ; − )リ「ッ…………せんせぇえッ!!」
(‘_L’)「あっ、おい待て!!」
気が付けば、わたしは走り出していた。
おっちゃんの声を背中で聞くけれど、もう止まらない。
先生に会って、何をするつもりなのか、そんな事は考えてない。
何も出来ない。
それは事実、曲げようもない事実。
けど先生に会いたかった。
笑ってほしい、頭を撫でてほしい、無茶をしてと怒ってほしい。
先生に会いたくて、触れたくて、涙が止まらなくて。
- 396 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:37:00 ID:xloB2HyIO
息を切らせてたどり着いた診療所。
ドアを勢い良く開けて、看護婦さんの制止も聞かずに先生を呼んだ。
先生を探して、診療所を走り回って。
ひとつのドアを開けた時、わたしは後悔する。
ミセ; − )リ「…………せん、せ……?」
ある一室の扉を開いたわたしの目に飛び込んできた光景は、わたしに言葉を失わせる。
ベッドに横たわり、傷だらけで、包帯を巻かれ、管をたくさん付けられた先生の姿。
痛々しい傷、その姿。
けど、それだけじゃない。
片腕を無くした先生の皮膚には、紫色のまだら模様。
毒におかされていると言う証は、先生の体を覆い。
それはもう、顔にまで広がり始めていて。
- 397 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:39:06 ID:xloB2HyIO
- _,
ミセ ;Д;)リ「ぁ、あ……ああ…………ッうわぁあああああああああんッ!!」
わたしは、知っている。
先生に与えられた知識のひとつ。
この紫が、皮膚を全て覆ってしまえば
もう、助からない。
_,
ミセ ;Д;)リ「やだ、やだぁあああッ!! せんせぇっ、せんせぇええぇええええッ!!」
わたしが殺すんだ。
わたしが先生を殺すんだ。
わたしの不注意が、また殺すんだ。
お父さんと、お母さんみたいに。
- 398 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:40:47 ID:xloB2HyIO
小さい頃、拾った小さな紙切れ。
不思議な模様が描かれたそれを、お父さんに見せた。
お父さんは顔色を変えて、早く捨てて来るんだとわたしからそれを奪い取り。
発動した術式が、お父さんを飲み込む。
爆発した紙切れによって、お父さんはばらばらになって。
それに駆け寄ろうとしたわたしを、お母さんが止める。
けどわたしは、お父さんのそばに行きたくて。
見ないようにと目を押さえたお母さんの手を剥ぎ取り、見てしまう。
泣き叫ぶわたしを抱き締めるお母さんの腕。
それを聞いた誰かが、また紙切れを撒いて。
お母さんは、わたしを庇って背中から弾けとんだ。
- 399 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:42:24 ID:xloB2HyIO
突然の爆音、炎と煙がわたしを包む。
お母さんは上半身だけでもわたしを抱き締めて、守ろうとしてくれて。
それから、廃墟と化した町を静寂だけが支配した。
もう泣きじゃくる人も、叫ぶ人も居ない。
廃墟にはわたしだけ。
食べるものは何もない。
全部全部、消し炭になった。
両親に守られたわたしは、本能的に生きる事を求める。
水は、血肉のまざった泥水だけ。
食べるものは、焼け残った、両親の腐った肉。
生きるために、何でも口にした。
生きたいと、生きなければいけないと思った。
- 400 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:44:44 ID:xloB2HyIO
痩せこけたわたしは、倒れたままお母さんの骨をかじる。
苦くて臭くて何度も吐き出した肉は、もう食べてしまった。
骨だけになった二人に寄り添い、わたしは土を睨む。
誰も、助けてなんてくれない。
救いなんて無い、誰も居ない、わたしにはもう何もない。
生きたいと言う感情と、どこへ向ければ良いのかもわからない憎しみだけがわたしを支えていた。
そんなわたしの視界映り込んだものは、靴。
誰かの足が見えて、視線を持ち上げる。
そこに居たのは、泣きそうな顔をした男の人。
そっとそっと、壊れそうなものを扱う様にわたしを抱き上げて、抱き締めてくれた。
ごめんね、ごめんね、と涙声で繰り返す男の人。
その涙の温かさに、わたしは渇れたはずの涙をこぼした。
- 401 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:47:04 ID:xloB2HyIO
『僕が戦場に出ていれば、救えたかもしれないのに』
泣きながら、言葉を絞り出す。
『君を、君達を、守れたかもしれないのに』
わたしの頭を撫でる、震える大きな手。
『僕には、何も守れない』
強く抱き締める腕に、わたしはすがり付いた。
たすけて、と小さく呟く。
男の人は泣きながら、力強く頷いた。
『これからは、僕が君を守ってみせるから、だから、』
どうか、僕を救ってほしい。
わたしはその涙に、この人を守りたいと思った。
- 402 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:48:27 ID:xloB2HyIO
ミセ − )リ
守りたいと、思ったのに。
ミセ − )リ「また、わたしは、」
大事なものを、失おうとしている。
わたしは、なんて、無力なんだろう。
(;‘_L’)「ミセリッ!!」
ミセ − )リ「…………」
(;‘_L’)「……戻るぞ、見るな」
ミセ − )リ「……」
慌てて飛び込んできたおっちゃんが、わたしの目を覆い、抱き上げる。
悔しそうに先生を呼ぶ声が、わたしの耳にこっそりと転がった。
- 403 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:50:22 ID:xloB2HyIO
ミセ − )リ「……おっちゃん…………せんせ、死んじゃうのかな……」
(‘_L’)「……分からん」
ミセ − )リ「…………」
(‘_L’)「宿に戻れ」
ミセ − )リ「……嫌」
(‘_L’)「だが、」
ミセ − )リ「図書館……ある?」
(‘_L’)「あ、ああ……向こうの方に、小さいが」
ミセ − )リ「わたし……せんせを治す方法、探すよ……何もしないの、嫌だから……」
(‘_L’)「……分かった、付き合う」
ミセ − )リ「ん……」
- 404 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:52:29 ID:xloB2HyIO
ふらふらと、俯きながら図書館に向かう。
何も出来ないってわかってるけど、何もしていないのは嫌だった。
何かをしていないと、頭がぐちゃぐちゃになって、おかしくなってしまいそうで。
目に焼き付いて離れない先生の姿と、両親の亡骸が重なる。
もう乗り越えたと思ってたのに、わたしはまだ二人の死を受け止めきれていない。
ああ、なんて弱いんだろう。
(‘_L’)「……着いたぞ」
ミセ − )リ「うん……」
わたしの頭を撫でるおっちゃんの手は大きくて、先生よりもごつごつしてる。
武骨な手は、先生とはずいぶん違う。
先生の手は、大きいけど少し細くて、少し柔らかい。
溢れそうになる涙を乱暴に拭って、図書館の中へと入って行った。
- 405 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:54:17 ID:xloB2HyIO
医学書や魔導書を適当に取り出して、いくつも机に重ねていった。
椅子に座り、それらを片っ端から読み漁る。
毒について、魔物について、解毒、魔法、治癒、とにかく知識を貪欲に求めた。
おっちゃんは隣で魔物の図鑑を広げ、毒の種類とその治癒法を探す。
黙々と、ただ黙々と、陽が傾いてもなお読み続ける。
司書さんが閉館だと言おうとしたけれど、何かを察したのか、特別に開けておいてくれた。
ランタンとお茶を置いていってくれた司書さん。
わたしたちはその好意に感謝し、ひたすらに本を読む。
けど必要な知識は全く見付からず、どれもこれも今は不要な物かすでに知ってる物ばかり。
このあたりでは無理もない、小さな図書館だとおっちゃんは言う。
でも、こうしてる間にも先生が死に近付いてると思うと、苛立ちは募るばかり。
いつのまにか夜が更け、もう夜は明けようとしていた。
- 406 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:56:39 ID:xloB2HyIO
疲れた顔のおっちゃんは、それでも図鑑とにらめっこ。
わたしは首を鳴らしながら、本を仕舞って別の本を取りに立つ。
すると、本棚の片隅に真新しい本があった。
真新しいと言うよりも、新品同様の綺麗さ。
余程大事に保管されているらしいそれには、持ち出し禁止の文字。
何の本かは分からないけど、なんだかそれが気にかかった。
濃い青の表紙、ずっしりと重い分厚さ。
それを持って席に戻り、うつらうつらするおっちゃんの隣で表紙を開いた。
本の内容は、雑多な知識がたくさん詰め込まれたもの。
それは医学から地理、魔法や魔物について、美味しいご飯の作り方。
だからジャンル分けされていなかったのかと思い、魔物の欄を見る。
- 407 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 21:58:49 ID:xloB2HyIO
『────その魔物は茶褐色の毛玉の様な形状をしており、』
ミセ;゚−゚)リ「ッ!」
これ、あの魔物の事だ。
この本には、あの魔物について書いてある。
驚いておっちゃんの肩を叩いて起こし、本を見せた。
(‘_L’)「これ、は」
ミセ;゚−゚)リ「あいつ、だよね……これ」
(‘_L’)「ああ、次のページを」
ミセ;゚−゚)リ「うんっ」
わたしたちは眠気も疲労も吹き飛び、期待を胸にページをめくった。
- 408 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:00:31 ID:xloB2HyIO
『体内には特殊な毒素を溜め込み、噛み付いた相手にその毒を注ぎ込む』
ミセ;゚−゚)リ「……せんせは、これで」
(‘_L’)「…………」
『刃物等で傷付けた場合は、その切り口から毒を放出するので、手練れでなければ接近戦は禁物である』
(‘_L’)「……デミタスが、教えてくれた」
ミセ;゚−゚)リ「うん……」
『この毒は通常の解毒薬は効果が無く、ナイ島に自生する海草から解毒薬を作る必要がある』
ミセ;゚ワ゚)リ「ぃよっしゃああああああ!!」
(‘_L’)「情報来たあああああああ!!」
- 409 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:02:43 ID:xloB2HyIO
ミセ;゚−゚)リ「あ、待って! まだ続いてる!」
(‘_L’)「早く読むぞ!」
『なお、この魔物の毒に侵された場合は72時間以内に解毒薬を摂取しなければ死に至る』
ミセ;゚−゚)リ「おっちゃん! あれからどんだけ経った!?」
(‘_L’)「二日!!」
ミセ;゚−゚)リ「急いで準備しよう!!」
(‘_L’)「待て! 作り方も書いてある!」
ミセ;゚−゚)リ「それはお医者さんに言っておこう! すみませんこの本を渡してください!!」
(‘_L’)「命がかかってるんだ! 持ち出し禁止は分かってる!!」
ミセ;゚−゚)リ「おk!? よっしゃおっちゃん急ごう!!」
- 411 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:04:40 ID:xloB2HyIO
(‘_L’)「海草の形状は分かるな!?」
ミセ;゚−゚)リ「図があった! これ書いた人マジ天才!!」
(‘_L’)「あ」
ミセ;゚−゚)リ「何!?」
『著者 ドクオ・ソリテール』
_,,
ミセ;゚Д゚)リ「ドクオさん最高だよ!!!!」
(‘_L’)「あの人が神か!!!!」
('A`)「……なんか褒められた気がする」
川 ゚ -゚)「何を寝ぼけてるんですかご主人様」
('A`)「いやマジでマジで……あと胸騒ぎもちょっとする」
川 ゚ -゚)「ご主人様、ついに狂ったんですか」
('A`)「ははは、クーは本当にひどいなあ」
- 412 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:06:35 ID:xloB2HyIO
わたし達は大慌てで薬やら何やらを調達し、荷物をまとめた。
その様子を見た町の人が尋ねてきたので、急ぐ理由を話すと慌てて船を出してくれるとの事。
どうやらナイ島と言うのは、この町の近くにある離島の事らしい。
道中は最低だったけど、この町は最高だ。
船に乗り込み、わたし達はナイ島に向かう。
水着姿で。
●
_,
ミセ;゚−゚)リ「……おっちゃん、何でわたし達は水着を着てるの?」
(‘_L’)「薬草とか買う時に何か勢いで買った」
_,
ミセ;゚−゚)リ「…………こんな格好する状況じゃないと思う」
(‘_L’)「絵でポーズ決めといて何言ってんだお前」
_,
ミセ;゚−゚)リ「いやあれ基本が使い回しだし」
(‘_L’)「見れば分かる」
- 414 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:08:29 ID:xloB2HyIO
- _,
ミセ;゚−゚)リ「つかおっちゃんノリノリじゃん、なに頭にグラサン乗せてんの」
(‘_L’)「形から入った方が良いかと」
_,
ミセ;゚−゚)リ「よくねーよ大真面目だよ」
(‘_L’)「デミタスの海パンも買ったぞ」
_,
ミセ;゚−゚)リ「…………元気になったら遊ぼっか」
(‘_L’)「おう」
_,
ミセ;゚−゚)リ「でもそのアロハシャツはムカつくから脱いで」
(‘_L’)「止めて! 剥がないで!」
_,
ミセ;゚−゚)リ「うるせえビーサン履いてんじゃねぇ! バカンスか!!」
(‘_L’)「麦わら帽子も買ったけど被るか?」
_,
ミセ;゚−゚)リ「バカンス用品ばっか買ってるじゃねーか!! 何だよそのトロピカルなジュース!!」
(‘_L’)「このごっついグラスに果物とか刺さってる青いジュース飲んでみたかった」
「ブルーハワイッ!!」
_,
ミセ#゚Д゚)リ )#)_L )そ
バチコーン⊂彡 「トロピカーナッ!?」
- 416 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:10:16 ID:xloB2HyIO
- _,
ミセ#゚−゚)リ「おっちゃん、真面目に行こう真面目に」
(‘_L’)「だってお前……今日ずっとシリアスだし……」
_,
ミセ#゚−゚)リ「たまにはシリアスでも良いよ!?」
(‘_L’)「やだよ!?」
_,
ミセ#゚Д゚)リ「クレイジーコメットォオ!!」
(‘_L’)「お前いつから秘奥義撃てる様になった!?」
_,
ミセ#゚−゚)リ「やかましいよ! 遊びじゃないんだよ! バカンスしたいなら船から降りて!!」
(‘_L’)「止めて! 船から蹴り落とそうとしないで!!」
_,
ミセ#゚−゚)リ「あえて言おう! カスであると!!」
(‘_L’)「いつからそんな野望抱いてる独裁者みたいな事を言う様に!?」
_,
ミセ#゚−゚)リ「ここで止めたら! 自分が自分で無くなっちまう!!」
(‘_L’)「もう戦争は終わったんだ! 戦わなくて良いんだよバーニィ!!」
_,
ミセ#゚−゚)リ「まだ終わっちゃいない! 戦争は続いてる!!」
(‘_L’)「ランボー!?」
- 418 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:12:16 ID:xloB2HyIO
(‘_L’)「お前本当に12歳かよ……」
_,
ミセ ゚−゚)リ「信じて送り出した息子が正当なる予言者の王とか自称して反地球連邦政府組織になるだなんて」
(‘_L’)「ハサウェイ何であんな事になったんだよ……」
_,
ミセ ゚−゚)リ「ブライトさんかわいそう」
(‘_L’)「お前は虫けらだ!!」
「虫けらを殴って何が悪い!?」
_,
ミセ#゚Д゚)リ )#)_L )そ
バチーン⊂彡 「二度もぶった!?」
_,
ミセ;゚−゚)リ「いやもうこのコントは良いよ、いつまでやんのよ」
(‘_L’)「ドクオさんのツッコミは脈々と受け継がれてるわ……」
_,
ミセ;゚−゚)リ「それを全部受けてるのおっちゃんだよね?」
(‘_L’)「俺はただのナイスミドルなのになぜこんな事に」
_,
ミセ#゚−゚)リ「兄さんを殺す!!」
(‘_L’)「俺はアイナと添い遂げる!?」
- 419 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:14:14 ID:xloB2HyIO
(‘_L’)「うーしナイ島ついた」
ミセ*゚ー゚)リ「見事な無人島だね」
(‘_L’)「普段なら遊びほうけるが、今は急ぐぞ」
ミセ*゚ー゚)リ「うん、さっさと海草見付けて帰ろ」
(‘_L’)「しかし海草か……海の中なんて事無いだろな」
ミセ*゚ー゚)リ「この島には結構あるみたいだから、打ち上げられてるかも」
(‘_L’)「だったら何で町には解毒薬が無かったんだ?」
ミセ*゚ー゚)リ「あの本は持ち出し禁止だし、前居たお医者さんが転勤したって」
(‘_L’)「何で知ってんだ」
ミセ*゚ー゚)リ「船長さんが言ってた」
(‘_L’)「マジかよ……しかし、それでも広まっててもおかしかないだろ」
ミセ*゚ー゚)リ「この数年くらいから知られたみたい、戦争が終わったくらいから」
(‘_L’)「…………なあミセリ」
ミセ*゚ー゚)リ「ん?」
- 420 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:16:33 ID:xloB2HyIO
(‘_L’)「お前、ドクオさんを恨むか?」
ミセ*゚ー゚)リ「何で? 恩人じゃん」
(‘_L’)「あの人が戦争を終わらせたのは知ってるな」
ミセ*゚ー゚)リ「うん、会う前から名前はわたしも知ってた」
(‘_L’)「……あの人がもっと早く動けば、助かったとは思わないか」
ミセ*゚ー゚)リ「ミセリもう助けられたもん、せんせに」
(‘_L’)「違う、そうじゃない、両親や町を、」
ミセ*゚ー゚)リ「それを考えて、何になるの?」
(‘_L’)「……ミセリ」
ミセ*゚ー゚)リ「ドクオさんにはドクオさんの理由があった、それだけでしょ、何も悪くない」
(‘_L’)「…………」
ミセ*゚ー゚)リ「ドクオさんね、誰も殺したくないから戦わなかったんだって、言ってた」
(‘_L’)「そう、か」
ミセ*゚ー゚)リ「凄いよね、ドクオさん」
- 422 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:18:28 ID:xloB2HyIO
(‘_L’)「あの人は、無欲だからな」
ミセ*゚ー゚)リ「でも何に対しても無関心なわけじゃない、みんな大切には思ってる」
(‘_L’)「お前は納得出来るのか?」
ミセ*゚ー゚)リ「わたし、ドクオさんは二人目の先生だと思ってる……それだけ、凄い人」
『お嬢ちゃんは、戦争で家族と故郷をなくしたんだっけ』
『うん、みんな吹き飛ばされた』
『……ごめんな、俺がもっと早く動いてれば救えたかも知れないのに』
『ううん、みんないなくなっちゃったけど、わたしはもう救われてるよ』
『それでも、ごめんな』
ミセ*゚ー゚)リ「……ドクオさんの手、頭撫でてくれた手、せんせに似てた」
(‘_L’)「…………」
ミセ*゚ー゚)リ「わたしは、誰も憎まない、誰も恨まない、わたしはもう救われたから」
(‘_L’)「ミセリは、強いなあ……」
ミセ*゚ー゚)リ「……強かったらせんせを守れた、わたしは弱いから、強くなりたいんだ」
- 423 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:20:16 ID:xloB2HyIO
(‘_L’)(戦争で満ちた負の感情を、ドクオさんは全て摘み取ったと言う)
(‘_L’)(だが、だったらなぜこいつは国に対して嫌悪をあらわにしたんだ?)
(‘_L’)(…………戦争への憎しみではなく、国や軍そのものに対して、だからか……?)
(‘_L’)「……ミセリ」
ミセ*゚ー゚)リ「んー?」
(‘_L’)「お前が国を憎む理由は、何だ?」
ミセ*゚ー゚)リ「……せんせとかおっちゃんとか、ドクオさんを悲しませたから」
(‘_L’)「え……えっ?」
ミセ*゚ー゚)リ「わたしはね、もうせんせに救ってもらった、だから今度はわたしがせんせを救う
せんせに守られたから今度はせんせを守る、わたしの好きな人達を傷付ける物なんて大嫌い」
(‘_L’)「…………とんでもないお人好しな教師と教え子だな、おい……」
ミセ*゚ー゚)リ「だからね」
(‘_L’)「ん?」
ミセ*゚ー゚)リ「おっちゃんを傷付けるものも、悲しませるものも、ミセリがみんなぶっ壊してあげる」
(‘_L’)「……ありがとよ」
ミセ*^ー^)リ「おう!」
- 424 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:22:27 ID:xloB2HyIO
ミセ*゚ー゚)リ「あ、おっちゃん魔物だ」
(‘_L’)「おー、武器持ってきたか」
ミセ*゚ー゚)リ「わたし元から武器持ってないよ」
(‘_L’)
ミセ*゚ー゚)リ
(‘_L’)「後ろに下がっとけ」
ミセ*゚ー゚)リ「今度ナイフくらい買おう……」
(‘_L’)「剣なら教えるぞ、実技では好成績だった」
ミセ*゚ー゚)リ「魔法とどっちが良いのかなー……練習したら魔法も少しは使えるだろうし」
(‘_L’)「それは任せる、好きな方を選べ」
ミセ*゚ー゚)リ「んー、おっちゃん来たよ、さっさと倒して探さなきゃ」
(‘_L’)「へいへい、人使いの荒さも教師譲りか」
- 425 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:24:33 ID:xloB2HyIO
ぽいんぽいんと跳ねてきたクラゲ的な魔物を見て、おっちゃんが腰から下げた剣を抜く。
ぶおんと大きく横凪ぎに払い、数匹居た魔物をあっさりと両断。
さすが手練れの戦士、実戦ではかっこいいもんです。
ただ海パンにアロハシャツで剣を下げてるのがシュールこの上ない。
前方の魔物が居なくなった事を確認してから、岩影からひょいと出ておっちゃんに声をかける。
生返事をしながら振り返るおっちゃんは、わたしを見て目を見開いた。
ミセ*゚ー゚)リ「おっちゃんさすがー……どしたの?」
(‘_L’)「おい馬鹿こっち来い! 後ろに!」
ミセ; − )リ「へ、なに……ぎゃうっ!?」
(‘_L’)「ミセリ!!」
振り返ろうとしたわたしの顔に、何かが叩き付けられる。
濁った悲鳴をあげて背中から倒れるわたし。
くらくらする視界に映るのは、人の形を模した魔物の姿。
- 427 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:40:09 ID:xloB2HyIO
頭を押さえながら起き上がろうとするわたしに、追い討ちをかけるように拳を叩き込まれる。
腹へとめり込む拳に息をひゅっと吐き、込み上げる吐き気と腹部の痛みに呻いた。
(‘_L’)「ミセ……ックソが! 巣かよ!!」
ミセ; д )リ「う、ぇ……げほっ、げほっ……んっだよ、こいつら……」
(‘_L’)「オークだ! こっちに来れるか!?」
ミセ; д )リ「い、け……ごぶっ!? げほっげほっ、ぉぇ、うぇえぇえ……ッ!」
(‘_L’)「おいミセリ大丈夫か!?」
何とかおっちゃんの方へと這いずろうとするも、その背中を踏まれ蹴られて動けず仕舞い。
おっちゃんはおっちゃんで、同じ魔物の群れに囲まれて身動きを取れずに居た。
ぎいぎいと耳障りな声。
わたしを蹴飛ばし、腹を踏みつける足。
顔をぶつけて溢れる鼻血、吐き出した胃液、脂汗。
おっちゃんが剣を振るうも、次々に沸いてくる魔物に苛立っていて。
- 428 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:42:39 ID:xloB2HyIO
好き勝手に蹂躙されて、口の中を切って血を吐き出して。
小石や岩にぶつかった手足には擦り傷や切り傷、殴られ蹴られた腹と背中に打撲痕。
魔物の血を浴びて、それでも剣を振るうおっちゃんですら、少しずつ怪我をして。
あー
すっげームカつく
これマジでムカつく
ふざけんな
こっちは急いでるっつーの
急いでるっつーの
_,,
ミセ# Д )リ「急いでるっつうのぉおおおおおおぉおおおッ!!!!」
(;‘_L’)" ビクッ
_,,
ミセ# Д )リ「クソが調子乗んなオラァアアアアア!! ぶっ殺したらあああああああああッ!!!!」
(;‘_L’)「え、ちょ……ミセリ……さん?」
- 429 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:44:21 ID:xloB2HyIO
身体中に走る痛みを無視して、勢い良く起き上がる。
その勢いのままに魔物の首を掴んで引きずり倒し、馬乗りになって拳を振り上げ、顔面へと振り下ろす。
めぎ、と歯が折れる音が聞こえたが、それも無視してひたすら魔物へと拳を振り下ろす。
周囲の魔物が一瞬引いて、また襲いかかる。
それに対して立ち上がったわたしは、同じように拳を尽き出す。
全力で魔物を殴って殴って殴って殴って殴り続ける。
(;‘_L’)「え……あの……ミセリさん……」
_,,
ミセ# Д )リ「かかってこいやオラァアアアアア!!!!」
(;‘_L’)" ビクッ
時おり殴り返されながら、なお殴る。
ただただ殴る。
ひたすら殴る。
とにかく殴る。
取り敢えず殴る。
目についた魔物を片っ端から殴る。
(;‘_L’)「…………魔法でも剣でもなく、格闘家にでもなったら良くね……?」
おっちゃんが何か言った気がするけどそれでも咆哮を響かせながら魔物に突き出す右ストレート。
- 431 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:46:41 ID:xloB2HyIO
- _,,
ミセ# Д )リ「はーっ……はーっ……」
(;‘_L’)「あ……お疲れ様です……」
_,,
ミセ# Д )リ「……おっちゃん、何か来た」
(;‘_L’)「えっ」
あらかた殴り飛ばして倒した頃に、今までの魔物よりも大きい個体がのっそりと岩の影から姿を現した。
それに顔を向け、対峙するわたし。
どうやら風貌からして魔物のボスらしい大きな相手とにらみ合い、拳を構えて。
だん、と同時に地を蹴って、拳を振り上げる。
ちなみにおっちゃんは後方で薬草をもりもり食ってた。
_,,
ミセ# Д )リ「…………行くぞオラァアアアアア!!!!」
(;‘_L’)(……腹減ってんのかなあいつ)
- 433 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:48:19 ID:xloB2HyIO
(;‘_L’)「…………あの、ミセリさん……お疲れ様です……」
_,,
ミセ# Д )リ「クソが……調子乗りやがって……」
結果は、圧勝。
(;‘_L’)「ど、どうどう……取り敢えず怪我治せ、ほら食え」
_,,
ミセ# 〜 )リ"「……おっちゃん怪我は?」
(;‘_L’)「あ、もう薬草食ったから…………ほら飴あるぞ飴、食っとけ」
_,,
ミセ# 〜 )リ" モグモグ
_,,
ミセ 〜 )リ" モグモグ
ミセ 〜 )リ" モグ
ミセ*゚ワ゚)リ「飴美味しい!」
(;‘_L’)「お、おう…………やっぱ腹減ってたんだこいつ……」
- 435 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:50:18 ID:xloB2HyIO
ミセ*゚ー゚)リ「あー疲れた、あいつら次は殺す」
(;‘_L’)「お前そんなしれっと……」
ミセ*゚ー゚)リ「ほら行こおっちゃん、そろそろ見付けないと」
(;‘_L’)「ああ……うん…………デミタス居ないと押さえきれねぇこいつ……」
ミセ*゚ー゚)リ「そういやオークの肉って売れるらしいよ」
(‘_L’)「マジかよ」
ミセ*゚ー゚)リ「はい袋、わたし海草探すから」
(‘_L’)「えぇ……俺が解体係……?」
ミセ*゚ー゚)リ「海草海草っと、あるとしたら浜の方だよなー」
(‘_L’)「畜生、どんどん教師に似やがって……」
ミセ*゚ー゚)リ「何か言った?」
(‘_L’)「いや、デミタスを見てる様だと」
ミセ*゚ー゚)リ「わたしそんなにしっかりしてる?」
(‘_L’)「ある意味」
- 437 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:53:34 ID:xloB2HyIO
ミセ*゚ー゚)リ「海草、海草……うーん、ワカメとかいっぱいあるけど……」
(‘_L’)「形は覚えてるか?」
ミセ*゚ー゚)リ「うん、何かゼンマイみたいな形の」
(‘_L’)「機械的な……?」
ミセ*゚ー゚)リ「いや山菜の方、んで色は濃い青緑……」
(‘_L’)「あんな感じか?」
ミセ*゚ー゚)リ「あーそうそう、あんな形と色」
(‘_L’)
ミセ*゚ー゚)リ
(;‘_L’)「おい拾え! 片っ端から拾え!!」
_,
ミセ;゚д゚)リ「こっちがわに大量に打ち上げられとる! うおおお!!」
(;‘_L’)「袋が! オークの肉入れたから袋が足りん!!」
_,
ミセ;゚д゚)リ「おっちゃんアロハ脱いで! 包む!!」
(;‘_L’)「おニューのアロハが!?」
- 438 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:54:59 ID:xloB2HyIO
ミセ*゚ー゚)リ「大量だったね」
(‘_L’)「そうだな」
ミセ*゚ー゚)リ「おっちゃん、アロハはまた買いなよ」
(‘_L’)「おニューのアロハシャツがぬるぬるべちょべちょに……」
ミセ*゚ー゚)リ「むしろそのまま着てみなよ」
(‘_L’)「気持ち悪い! ぬるっとする!」
ミセ*゚ー゚)リ「ははは、そりゃそうだ」
(‘_L’)ノシ「粘液アタック」
_,
ミセ;゚д゚)リ「べちゃっと来たぁ!?」
(‘_L’)「ははは、そりゃそうだ」
_,
ミセ#゚д゚)リ「南斗水鳥拳!!」
(‘_L’)「世紀末!?」
- 439 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:56:05 ID:xloB2HyIO
ミセ*゚ー゚)リ「……これで、せんせ助けられるかな」
(‘_L’)「きっとな」
ミセ*゚ー゚)リ「…………おっちゃんはせんせと友達なんだよね」
(‘_L’)「おう」
ミセ*゚ー゚)リ「おっちゃんにとってさ、せんせってどんな存在?」
(‘_L’)「え、友達」
ミセ*゚ー゚)リ「いやそうじゃなくて」
(‘_L’)「んー…………唯一の友達?」
ミセ*゚ー゚)リ「ぼっちかよ……」
(‘_L’)「傷付くわ……」
ミセ*゚ー゚)リ「他に友達は居ないの?」
(‘_L’)「居ない、みんな戦士としての俺しか見なかったからな」
ミセ*゚ー゚)リ「こないだまで戦士でもなかったよね?」
(‘_L’)「やめて」
- 440 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 22:58:27 ID:xloB2HyIO
ミセ*゚ー゚)リ「ふーん……じゃあ、せんせが大事なんだね、おっちゃんも」
(‘_L’)「まあな」
ミセ*゚ー゚)リ「じゃあ、助けなきゃね」
(‘_L’)「ああ…………お前にとって、は……聞くまでもないか」
ミセ*゚ー゚)リ「お父さんで、お母さん!」
(‘_L’)「お母さん……」
ミセ*゚ー゚)リ「わたしさ、せんせの家族になれるかな」
(‘_L’)「嫁に?」
ミセ*゚ー゚)リ「違うわ」
(‘_L’)「ああ娘的なアレか」
ミセ*゚ー゚)リ「むしろ何で嫁だと思ったんだよ……」
(‘_L’)「え……需要……?」
ミセ*゚ー゚)リ「ねーよ……」
- 441 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 23:00:22 ID:xloB2HyIO
(‘_L’)「まあなれるだろ、普通に」
ミセ*゚ー゚)リ「そっか……そっか、よかった……じゃあなれるように頑張る」
(‘_L’)「おう」
ミセ*゚ー゚)リ「……大丈夫かな、せんせ」
(‘_L’)「…………」
ミセ*゚ー゚)リ「おっちゃん?」
(‘_L’)「俺も、そこに入れるか?」
ミセ*゚ー゚)リ「へ?」
(‘_L’)「家族に、入れるか?」
ミセ*゚ー゚)リ「もちろん」
(‘_L’)「そう、か……」
ミセ*゚ー゚)リ「じゃあせんせがお母さんでおっちゃんはお父さんね」
(‘_L’)「えっ」
- 442 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 23:02:16 ID:xloB2HyIO
帰りの船が元の町に着き、わたしたちは急いで病院へと海草を持って走った。
本を読んだらしいお医者さんが大量の海草を受け取りながら、
「ほんの少しで大丈夫だけど」と言ったのには聞こえない振りをした。
そこから大急ぎで薬を作ってもらい、先生に投与。
わたしとおっちゃんは交代でその傍らに付き添い、まだ目を覚まさない先生を見守る。
もう取り乱す事は無かったけど、それでも不安は胸に渦巻く。
時間的にはギリギリ大丈夫、だけど、やっぱり顔色の悪い先生を見ると涙がにじんだ。
少しずつ少しずつ、先生の皮膚をおかす紫は消えて行った。
毒が消えていってる証拠が目に見える事は、心を少し落ち着かせる。
けれど、先生はまだ目覚めない。
顔色はいくぶん良くなったけど、ぐったりとした体に力は入らない。
- 443 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 23:05:12 ID:xloB2HyIO
この町に来てから三日目、夜中に看病をしていたおっちゃんと交代。
先生の傍らに座り、そっと右手を撫でる。
暖かさを取り戻した手、小さな怪我は残るけど、健康的なものに変わってきてる。
少しほっとする反面、まだ起きない事に焦りを僅かに感じた。
どんな毒でも、場合によっては意識を取り戻さない事はまれにある。
でもそれはごくまれな事、そうそう起こる事じゃない。
でも、やっぱり不安なんだ。
ミセ ゚−゚)リ「……せんせ、まだ寝てんの……?」
先生の手の甲を撫でながら呟く。
ミセ ゚−゚)リ「わたしもおっちゃんも、頑張ったよ……だから、褒めてくれても良いんだよ?」
指先を軽く握るけど、反応はない。
ミセ ゚−゚)リ「……せんせってば、わたし魔物も倒せたんだよ……殴ってだけど」
- 444 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 23:06:30 ID:xloB2HyIO
ミセ ゚−゚)リ「おっちゃんたらね、何かすげーバカンスの道具揃えてんだよ」
ミセ ゚−゚)リ「バカンスっつーかバカだよね、おっちゃん……」
ミセ ゚−゚)リ「まあ、水着きてったミセリもバカだけど」
ミセ ゚−゚)リ「……せんせの水着もね、買ったんだってさ」
ミセ ゚−゚)リ「だから、早く起きて遊ぼうよ……ミセリ少しは泳げるよ」
ミセ ゚−゚)リ「楽しいよ、おっちゃんも楽しみにしてる……アロハシャツ新調してたよ」
ミセ ゚−゚)リ「調子のってね、せんせのアロハも買ってたよ……バカだよねおっちゃん」
ミセ ゚−゚)リ「まずせんせ絶対アロハ似合わないのにね……おっちゃん無駄に似合ってたけど」
どんなに話しかけても、先生の反応はない。
わたしはじわりと涙が浮かぶのを感じて、慌てて目元を拭った。
ミセ − )リ「…………ねぇ、わたし、わたしたち……せんせが居なきゃ、生きてけないんだから……」
「そんな事、無いよ」
ミセ;゚−゚)リ「ッ!?」
- 446 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 23:08:57 ID:xloB2HyIO
(´−_ゝ−`)「僕が居なくても、ちゃんとやったんでしょ?」
ミセ*゚ー゚)リ「ぁ…………せんせぇ……ッ!!」
(´・_ゝ・`)「……おはよう、ミセリ君」
ミセ*゚ー゚)リ「せんせ……っおは、」
ミセ*;ー゚)リ「ょ、」
ミセ*⊃ー∩)リ「ぅ…………おはよ……せんせ……っ」
(´・_ゝ・`)「……ごめんね、心配かけて……ありがとう」
ミセ*⊃д∩)リ「わた、し……わたし……頑張っ……た、よ……っ」
(´・_ゝ・`)「うん……ありがとう、ミセリ君…………もう、大丈夫だから」
_,
ミセ*;Д;)リ「……ッせんせぇ! せんせぇええッ!! ぅわぁあああああぁああんッ!!」
先生の胸に顔を埋めて、しがみついて泣き叫んだ。
悲しみでも絶望でもなく、嬉しくて、嬉しくて。
申し訳なさそうに、嬉しそうに頭を撫でる先生の手が、暖かくて余計に涙が止まらなかった。
- 448 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 23:11:12 ID:xloB2HyIO
先生は、解毒も間に合い順調に回復した。
怪我もずいぶん良くなったし、後遺症も残らないらしい。
あれからアロハを着た寝ぼけ眼のおっちゃんが駆け込んできて、みんなで爆笑したりして。
先生が楽しそうに笑うから、わたしは嬉しくて、おっちゃんも嬉しそうで。
でも、先生の腕は、もう治しようがなかった。
ミセ*゚−゚)リ「……せんせ、ごめんね……わたしの不注意で腕、無くなっちゃった」
(´・_ゝ・`)「ううん、僕も不注意だった……それに、ミセリ君を守れたんだ」
ミセ*゚−゚)リ「あのね、せんせ……わたし、まだまだ弱いでしょ」
(´・_ゝ・`)「強くは、ないだろうね」
ミセ*゚−゚)リ「うん……だからね、ミセリ強くなる……強くなってね、せんせを守るよ」
(´・_ゝ・`)「はは……ミセリ君に守られたんじゃ、僕のやる事が無くなっちゃうよ」
ミセ*゚ー゚)リ「……でも、守るよ……せんせはミセリが守るの……ね?」
- 449 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 23:12:30 ID:xloB2HyIO
(´・_ゝ・`)「……うん、分かっ」
(‘_L’)「話は聞かせてもらった、それはノストラダムスの仕業だ」
(´・_ゝ・`)「帰れ」
(‘_L’)「突っ込め」
(´・_ゝ・`)「やだよキバヤシキャンセルだよ」
(‘_L’)「大体お前らだけで守りあってたら俺は何をすれば良い、守らせろ、戦士だぞ」
ミセ*゚ー゚)リ「だめー、せんせはわたしが守るもん」
(‘_L’)「やらせはせん」
(´・_ゝ・`)「ミセリ君は僕が守るし」
(‘_L’)「やらせはせんぞ!」
ミセ*゚ー゚)リ「残念でしたー、もうせんせの隣陣取ったー」
(‘_L’)「反対側を陣取るまで」
(´・_ゝ・`)「それだとミセリ君守れないよ」
(‘_L’)ハッ
- 451 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 23:14:48 ID:xloB2HyIO
ミセ*゚ー゚)リ「ねぇせんせ、ご飯食べよ?」
(´・_ゝ・`)「ん? ああ、そうだね」
ミセ*゚ー゚)リ「せっかくの海だもん! それっぽいの食べようよ!」
(´・_ゝ・`)「先にお医者さんに話を聞いてからね?」
ミセ*゚ー゚)リ「はーい!」
(‘_L’)「飯か……」
ミセ*゚ー゚)リ「おっちゃん、さっき外の岩にフジツボあったよ」
(‘_L’)「まだ覚えていやがった……!?」
ミセ*゚ー゚)リ「せんせが話してる間は外出とこ、ご飯屋さん探したい」
(‘_L’)「もう見つけてる」
ミセ*゚ー゚)リ「フジツボ専門店?」
(‘_L’)「嫌すぎるわそんな店!!」
- 452 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 23:16:35 ID:xloB2HyIO
ミセ*゚ー゚)リ「せんせ、病み上がりだけどもう歩き回っても良いのかな」
(‘_L’)「さあな、まだ寝てるべきかも知れん」
ミセ*゚ー゚)リ「うん……でも、片腕でも大丈夫なようにリハビリもしなきゃね」
(‘_L’)「ああ、そうだな」
ミセ*゚ー゚)リ
(‘_L’)
ミセ*゚ー゚)リ「男の人は……トイレとか大変なんじゃね……?」
(‘_L’)「そんなリアルな……」
ミセ*゚ー゚)リ「着替えとか、大変なんじゃね……?」
(‘_L’)
ミセ*゚ー゚)リ
(‘_L’)「手伝う……べきなのか……!?」
ミセ*゚ー゚)リ「さすがに戸惑うな……!!」
(´・_ゝ・`)「自分で何とかします」
- 453 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 23:18:37 ID:xloB2HyIO
ミセ*゚ー゚)リ「あ、せんせ! お医者さんなんて?」
(´・_ゝ・`)「激しい運動を控えれば、日常生活は問題ないって」
ミセ*゚ー゚)リ「よかった……」
(‘_L’)チッ
(´・_ゝ・`)「何で舌打ちしたの今」
(‘_L’)「海に投げ込もうかと」
(´・_ゝ・`)「タイダルウェーブ」
(‘_L’)「うわばッ!?」
(´・_ゝ・`)「よし、じゃあミセリ君行こうか」
ミセ*゚ー゚)リ「うん!」
(´・_ゝ・`)「ご飯屋さんの場所はわかる?」
ミセ*゚ー゚)リ「あっちにお店が密集してる!」
(´・_ゝ・`)「じゃ、行ってみようか」
- 455 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 23:20:30 ID:xloB2HyIO
先生と並んで、ぶらぶら散歩もかねてのお店探し。
バタバタしててろくに見れてなかったから、わたしも楽しく色々見て回る。
お土産屋さんや雑貨屋さん、装備や魔法を売るお店。
いくつかの屋台から漂う良い匂いに誘われつつ、ご飯屋さんを発見。
お財布にお金が入ってる事を確認してから、二人で入店です。
窓際の席に座り、日替わり定食を二つ注文。
厨房から漂うかおりに、今日もバターの使った料理だと言う事がわかった。
ミセ*゚ー゚)リ「バター多いね」
(´・_ゝ・`)「好きだからね」
ミセ*゚ー゚)リ「引き出しが少ないんだよね」
(´・_ゝ・`)「しょうがないね」
ミセ*゚ー゚)リ「しょうがないね」
- 456 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 23:22:16 ID:xloB2HyIO
先生を助けるために何をしたとか、どんな事があったとか、色々と報告。
うなずきながらそれを聞く先生は、時々「無茶しないで」と叱ったり、お礼を言ったりしてました。
そしてわいわいと話していると、わたしたちの前に二つの定食が運ばれて来ました。
お魚や海老のムニエルに焼きたてのパン、スープとお茶のついた簡単なもの。
けどそれは彩りも鮮やかでボリュームも十分、薬草以外を食べてなかったわたしのお腹が鳴る。
先生と顔を見合わせ、にっこり笑っていただきます。
お魚のムニエルはバターがしっかり、スパイスもしっかりで味は濃いめ。
脂ののったお魚の味もしっかりとして、口に運ぶたびにこにこ。
パンに乗せて食べてもよし、溢れるバターをパンに塗りつけて食べてもよし。
スープはあっさりだけど魚介の風味がぎゅっとつまっていて、パンにも大変よく合います。
海老もぷりぷりで歯応えが嬉しい、噛めば噛むほどにおつゆがじゅわり。
まるで肉汁のように溢れる天然のソース、お腹にいっぱい幸せを運んでくれる。
ちらりと先生を見ると、片手で食べるのは少し難儀してるみたいでした。
- 457 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 23:24:20 ID:xloB2HyIO
ひょい、と先生のお皿に手を伸ばし、フォークで海老を突き刺して先生に差し出す。
ミセ*゚ー゚)リ「あーん!」
(´・_ゝ・`)「ん……あーん」
ミセ*゚ー゚)リ「おいし?」
(´・_ゝ・`)「うん、凄く美味しいよ」
嬉しそうに、困ったように、少し戸惑った顔で言う先生。
これからは片手でも食べやすいものにしなきゃいけないな、と思いつつ。
自分でも食べて、先生にも食べさせて、穏やかに食事が終了です。
ミセ*^ー^)リ「ごちそーさまでした!」
(´・_ゝ・`)「ごちそうさまでした」
ミセ*゚ー゚)リ「美味しかったねせんせ!」
(´・_ゝ・`)「うん、片手でも慣れなきゃね」
- 458 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 23:26:39 ID:xloB2HyIO
普段より気を使って食べたので、いつもほど味を堪能は出来なかった。
でも先生が少し困った顔をするから、わたしはいつも通りに笑う。
先生のお茶にお砂糖をひとつ入れて、よく混ぜてから渡す。
わたしはお砂糖たっぷりで、甘さを補給。
のんびりと食後の一服も済ませたところで、わたし達はお店をあとにした。
ミセ*゚ー゚)リ「ふいー、お腹いっぱい」
(´・_ゝ・`)「美味しかったね」
ミセ*゚ー゚)リ「うん! また来ようね!」
(´・_ゝ・`)「そうだね、明日のお昼にも食べようか」
(‘_L’)「飯!!」
(´・_ゝ・`)「あ、おかえりフィレンクト」
ミセ*゚ー゚)リ「どこまで流されたの?」
(‘_L’)「ナイ島まで」
ミセ*゚ー゚)リ「ぱねぇ」
- 460 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 23:28:24 ID:xloB2HyIO
(´・_ゝ・`)「ちなみに今しがた食べ終わったよ」
(‘_L’)
(´・_ゝ・`)「またおにぎり…………あ、握れないや」
(‘_L’)そ
(´・_ゝ・`)「ごめんフィレンクト、一人で食べてくる?」
(‘_L’)「握れ」
(´・_ゝ・`)「えっ」
(‘_L’)「食うから握れ」
(´・_ゝ・`)
(‘_L’)
(´・_ゝ・`)「頑張る」
(‘_L’)「よし」
(´・_ゝ・`)(どんだけおにぎり好きなんだろう……)
- 461 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 23:30:06 ID:xloB2HyIO
ミセ*゚ー゚)リ「せんせ、宿に戻るの? それとも病院?」
(´・_ゝ・`)「ううん宿に戻るよ、病院は無理に部屋を貸してもらってただけだしね」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、診療所だから本当は入院施設無いんだっけ」
(´・_ゝ・`)「基本は無いね、宿はどっち?」
ミセ*゚ー゚)リ「こっちー!」
(´・_ゝ・`)
(‘_L’)
(´・_ゝ・`)「フィレンクトも、ありがとう」
(‘_L’)「おう」
(´・_ゝ・`)「ミセリ君、笑ってるね」
(‘_L’)「お前が生きてるからな」
(´・_ゝ・`)「うん…………これからも、よろしくね」
(‘_L’)「おう」
(´・_ゝ・`)「でもそのアロハシャツは無いわ」
(‘_L’)「えっ」
- 462 ◆tYDPzDQgtA 2012/03/11(日) 23:32:43 ID:xloB2HyIO
ミセ*゚ー゚)リ「せんせー? なにしてんのー?」
(´・_ゝ・`)「今行くよ」
(‘_L’)「日記書けよ」
ミセ*゚ー゚)リ「やっべ忘れてた! あとで書く!」
(´・_ゝ・`)「……ちょっと、強くなったなあ」
(‘_L’)「良い経験だったんじゃないか」
(´・_ゝ・`)「うん……だと、良いなあ」
(‘_L’)「おいチビ! 米炊いとけ!」
ミセ*゚ー゚)リ「ミセリ! わかったー!」
季節:冬 場所:なぜか暖かい海辺の町
勉強内容:ドクオさんはやっぱすごい、おっちゃんもすごい、先生大好き。
わたしたちはやっぱり、先生が居ないと生きていけないと、幸せと共に実感した。
おわり。