90 名無しさん[sage] 2018/03/25(日) 22:01:24 ID:dr8mfbeg0




『彼は堕ちたのだ、緩慢で怠惰な褥の中で、泥のような眠りへと堕ちたのだ』



( ^ω^)「おしまい」

ξ゚⊿゚)ξ「…………あの人は何だったの……?」

( ^ω^)「妖精さんか何かじゃないですか?」

ξ;゚⊿゚)ξ「えー……えぇー……」

( ^ω^)「まあそれ言うと最初の話のあいつも何だったんだと言う話なんですけど」

ξ゚⊿゚)ξ「お医者さまじゃないの?」

( ^ω^)「あーそうか自称医者だった、まぁ自称妖精で良いじゃないですか」

ξ;゚⊿゚)ξ「えぇー……」

( ^ω^)「あいつらは適当な理由で遊びに来るもんですから」

ξ゚⊿゚)ξ「そうなんだ……」

( ^ω^)「こいつは無害な顔したくそったれです、後半やけに献身的でも騙されちゃ駄目ですよ」

ξ゚⊿゚)ξσ「お口ー」

σ)^ω^)「んあぁー」


92 名無しさん[sage] 2018/03/25(日) 22:02:24 ID:dr8mfbeg0


ξ゚⊿゚)ξ「でも、あんなに真面目な人だったのに」

( ^ω^)「途中まではおっ美談か? って感じでしたよね」

ξ゚⊿゚)ξ「結局こうなっちゃうのね……」

( ^ω^)「最初から自己なんて無かったんでしょ、言われた事しか出来ない人間だったんですよ」

ξ゚⊿゚)ξ「途中までは良かったのになぁ……」

( ^ω^)「まあ性格的に予想できた事ですがね、ははは」

ξ゚⊿゚)ξσ「ブーン感じ悪ーい……」

σ)^ω^)「あーんやめてー」

ξ゚⊿゚)ξ「でも誰が悪かったのかしら」

( ^ω^)「全員じゃね?」

ξ゚⊿゚)ξσ「みもふたもなーい……」

σ)^ω^)「あぁー」


93 名無しさん[sage] 2018/03/25(日) 22:03:14 ID:dr8mfbeg0


ξ゚⊿゚)ξ「そしてやっぱり最後は分からないのね……」

( ^ω^)「そうですねぇ、最期は分からなく出来てます」

ξ゚⊿゚)ξ「どうなったのかしら」

( ^ω^)「逮捕じゃん?」

ξ゚⊿゚)ξσ「台無しー……」

σ)^ω^)「あぁぁー」

ξ゚⊿゚)ξ「それにしても、お父さんはどうして急に帰ってきたの?」

( ^ω^)「きっと学校から呼び出されたんじゃないですか? 息子さん休みが多いですよーって」

ξ゚⊿゚)ξ「……お父さんも間違ってたと思うわ、ぜんぜん心配してなかったもの」

( ^ω^)「ですねぇ、毒親ですよねぇ」

ξ゚⊿゚)ξ「あと、途中のニュースって」

( ^ω^)「さぁ、何でしょうねぇ?」

ξ゚⊿゚)ξ「と言うかテレビって何?」

( ^ω^)「あっここ無かったかテレビ……」

ξ゚⊿゚)ξ「?」

( ^ω^)「色々と受発信するものですよ、今度見せてあげますから」

ξ*゚ヮ゚)ξ「?? わーい!」

( ^ω^)「よっしゃ笑った」


94 名無しさん[sage] 2018/03/25(日) 22:03:45 ID:dr8mfbeg0


( ^ω^)「さ、次の本でも読みますか」

ξ゚⊿゚)ξ「うん、持ってくるね」


 本の中の世界は、一つずつ時も場所も背景も違う。
 それを彼女へ深く語ると言うのは少々時間がかかるので、割愛させて貰おう。

 テーブルに置かれた本の上に本を重ねて、膝から降りた少女の背中を眺める。


 彼女は疑問を抱いたら、僕に何でもぶつけてくる。
 そして僕はそれに答えて、彼女の中は僕の与えた知識で埋まる。


 そう、彼女は僕の言葉だけを信じていれば良いのだ。


 とたとた、落ち着いた黄色の表紙を抱えて彼女は戻る。
 金糸が彩る3の数字、ああこの色はあれか。


ξ゚⊿゚)ξ「今度のお話は……んー…………んんー……?」

( ^ω^)「燦めく狂れ子の掌で」

ξ゚⊿゚)ξ「全然わかんない……」

( ^ω^)「ははは、さあおいで、読みましょうね」


95 名無しさん[sage] 2018/03/25(日) 22:04:14 ID:dr8mfbeg0




 それは、壊れて生まれた少女の話。

 それは、コップ一杯の水を欲した話。

 それは、純粋に幸せを求め続けた話。

 全てに幸せを見出だせる彼女は、いったい何を欲したのでしょうか。




『きらめくふれごのてのひらで。』



 彼女を抱えて笑うのは、巨大な身体のいびつな化け物。






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