- 170 名無しさん[sage] 2018/03/25(日) 22:51:07 ID:dr8mfbeg0
『彼は堕ちたのだ、身を焦がす様な独占欲に、妬み嫉みの炎の渦へと堕ちたのだ』
( ^ω^)「おしまい」
ξ゚⊿゚)ξ「……怖いお話だったわ」
( ^ω^)「そうですねぇ、いやぁ怖い怖い」
ξ゚⊿゚)ξ「お友達は、どうしてあんな事したのかしら……」
( ^ω^)「そりゃ結末見越してのおちょくりムーブですよ」
ξ゚⊿゚)ξσ
σ)^ω^)「あぁー今のは僕が悪かったー」
ξ゚⊿゚)ξ「ヤキモチって、色々あるのね」
( ^ω^)「ありますよ、誰かの立場や技術、才能を羨む事もあります」
ξ゚⊿゚)ξ「これは、少し違うわね」
( ^ω^)「ですねぇ、独占欲って方に特化しましたねこれは」
- 171 名無しさん[sage] 2018/03/25(日) 22:51:58 ID:dr8mfbeg0
ξ゚⊿゚)ξ「ヤキモチって怖い……」
( ^ω^)「怖いですよ」
ξ゚⊿゚)ξ「あと最後の、何だか変な感じだった」
( ^ω^)「あー最後のキチガイムーブ」
バゾン
ξ゚⊿゚)ξ三σ)^ω^)ペヒィ
ξ゚⊿゚)ξ「あれって誰に向けてたのかしら」
( ^ω^)「さー? 好きな子か親友か、まぁどっちでも良いでしょう」
ξ゚⊿゚)ξ「うーん……お友だちを独り占めしたい気持ちは分かるわ」
( ^ω^)「おっ分かっちゃいます?」
ξ゚⊿゚)ξ「だってブーンのお膝に他の子が乗ってたらイヤだもの」
( ^ω^)「えっ……」トゥンク…
ξ゚⊿゚)ξ「自分のそばに他に誰も居ないんじゃ、独り占めしたくもなるわ」
( ^ω^)「かもねぇ」
- 172 名無しさん[sage] 2018/03/25(日) 22:52:41 ID:dr8mfbeg0
( ^ω^)「でもね、一つ教えたげます」
ξ゚⊿゚)ξ?
( ^ω^)「あいつは誰よりも嫉妬深くて、誰よりも嫉妬されたい、ただの自己愛クソ男ですよ」
ξ゚⊿゚)ξσ「お口」
σ)^ω^)「んふぅ」
ξ゚⊿゚)ξ「……独り占めしたかったのは、男の子だけじゃなかったのかしら」
( ^ω^)「かーもねぇ」
ξ゚⊿゚)ξ「……ブーン」
( ^ω^)「はい?」
ξ゚⊿゚)ξ「もしかして、この人のこと好きじゃない……?」
( ^ω^)「今までも相当ぞんざいな扱いだったのによく分かりましたね」
ξ゚⊿゚)ξ「何か好きじゃないのかなって……」
( ^ω^)「嫉妬系は良い思い出無いんですよねぇ、恋人をその妹に寝取られたような気持ちになる」
ξ゚⊿゚)ξ「ねと……?」
- 173 名無しさん[sage] 2018/03/25(日) 22:53:36 ID:dr8mfbeg0
ξ゚⊿゚)ξ「それにしても、女の子は何で部屋の前に居たのかしら?」
( ^ω^)「きっと少年があんなに大きな声で叫んでいたから、びっくりして様子を見に来たのでは?」
ξ゚⊿゚)ξ「誰かとわけっこするって言うのは、誰から教わったの?」
( ^ω^)「まぁ誰かから教わったんでしょうねぇ、誰かから、きっと」
ξ゚⊿゚)ξ「このお友達も、私みたいな目なの? 私の目もみどr」
( ^ω^)「いや違いますよマジ全然違いますしあいつの目死ぬほど濁ってるし汚いしドブみたいだからお嬢さんと全然違いますし一緒にするってそれ駄目なやつですから」
ξ;゚⊿゚)ξ「ち、違うのね……わかったわ、ごめんなさい……」
( ^ω^)「分かって頂けて何より、はいはい次持っといで」
ξ゚⊿゚)ξ「はぁい」
膝からぴょんと降りた少女は、迷いもなく藍色の表紙を持って戻る。
緑の本を傍らに投げるように積んでから、膝へ彼女を迎えた。
金糸の文字は5の数字。
やあやあ、これはまたクソみたいな話だな。
ξ゚⊿゚)ξ「んー……」
( ^ω^)「読めます?」
ξ゚⊿゚)ξ「んんー……」
( ^ω^)「貪り尽くす禁忌の味、はい読みますよ」
ξ;゚⊿゚)ξ「あっやだ今読もうと思ってたのに、思ってたのに!」
( ^ω^)「はいはい読めない読めない」
_,
ξ゚-゚)ξ「むー……」
( ^ω^)「はいはい可愛い可愛い、笑って笑って」
_,
ξ゚⊿゚)ξ「ばかー」
- 174 名無しさん[sage] 2018/03/25(日) 22:54:07 ID:dr8mfbeg0
それは、空腹な少女の話。
それは、お腹いっぱいになりたかった話。
それは、ささやかな淡い夢を抱き続けた話。
くるくると鳴るお腹を抱えて、彼女はいったい何を口にするのでしょうか。
『むさぼりつくすきんきのあじ。』
彼女の手を引き歩くのは、どこか不気味な似非紳士。