205 名無しさん[sage] 2018/03/25(日) 23:12:37 ID:dr8mfbeg0




『彼女は堕ちたのだ、暴食と言う抗いようのない欲望に、美食を騙る悪食の鍋の底へと堕ちたのだ』



( ^ω^)「おしまい」

ξ;゚⊿゚)ξ「…………」

( ^ω^)「ははは、固まっていらっしゃる」

ξ;゚⊿゚)ξ「これは……あの……どう言う……?」

( ^ω^)「どう言うアレなんだろ」

ξ;゚⊿゚)ξ「えぇ……分からないの……」

( ^ω^)「僕ほら、万能ではないから……いや万能感ありますけどね? ちょっとした神的な」

ξ゚⊿゚)ξσ゙

σ)^ω^)゙「あぁーさっきから無言ンンー」

ξ゚⊿゚)ξ「……ブーンは美味しい?」

( ^ω^)「おっ試してみます? ほらあーん」

ξ゚⊿゚)ξ「いらない」

( ^ω^)「あっ傷つく……不思議……」


206 名無しさん[sage] 2018/03/25(日) 23:13:34 ID:dr8mfbeg0


ξ゚⊿゚)ξ「だってブーンは食べ物じゃないもの」

( ^ω^)「まぁそうですね、ごもっともな意見」

ξ゚⊿゚)ξ「それに食べたら痛いし、無くなっちゃうし、可哀想だし……」

( ^ω^)「うんうん」

ξ゚⊿゚)ξ「それに美味しくなさそう……」

( ^ω^)「悲しみが溢れ出す……」

ξ゚⊿゚)ξ「かじったら痛いでしょ?」

( ^ω^)「痛くなかったら? かじります?」

ξ゚⊿゚)ξ

( ^ω^)

ξ゚⊿゚)ξ「ばっちぃ」

( ^ω^)「うん知ってた」


207 名無しさん[sage] 2018/03/25(日) 23:14:06 ID:dr8mfbeg0


ξ゚⊿゚)ξ「それにして、お母さんはどうして質素な生活をしてたのかしら……貧しくはなかったのよね」

( ^ω^)「お母さんもきっとそう育てられたんでしょうね、親から受け継いだってやつですよ」

ξ゚⊿゚)ξ「うーん……ちょっと女の子がかわいそう……美味しいものが食べたいって気持ちは、そんなにダメな事?」

( ^ω^)「僕はダメだと思いませんよ? でもきっと、誰かがダメだと言ったんでしょうねぇ」

ξ゚⊿゚)ξ「それと、このおじさんはどう言う人だったの?」

( ^ω^)「腹を満たす事しか考えてない悪食野郎のいかれ野郎ですが」

ξ゚⊿゚)ξσ「女の子もとびきり変わってはいたけど、不思議な人も居るものね」

σ)^ω^)「あひん」

ξ゚⊿゚)ξ「……ブーンのお友だちは変わった人ばかりね」

( ^ω^)「変わった人達ですねぇははは」

ξ゚⊿゚)ξ「?」

( ^ω^)「さ、次持ってらっしゃい、あと知人です」

ξ゚⊿゚)ξ「?? はーい」


 ぴょんと膝から降りる少女の背中を見ながら、閉じた本を傍らに積む。
 あと二冊で完成だ、崩れなきゃ良いがね。

 しかし現実味が薄い話は、彼女も受け止めきれないか。
 まあ困惑する様も可愛らしいものだ、この調子で読み聞かせよう。

 と言いたいが、この流れだと次の表紙は紫。
 紫の表紙の内容は確か。


208 名無しさん[sage] 2018/03/25(日) 23:14:46 ID:dr8mfbeg0


ξ゚⊿゚)ξ「はいブーン、6よ」

 本を抱えて戻ってきた少女を膝に乗せながら、表紙を見て笑った。

 ああやっぱりこれか、理解できるのかねこのお嬢ちゃんに。
 そしてあれをどう書いたのかね、ある意味では気になるものだ。


ξ゚⊿゚)ξ「ける……どく……いろ……」

( ^ω^)「お、頑張ってる頑張ってる」

ξ゚⊿゚)ξ「最初のは何……?」

( ^ω^)「蕩ける毒に色染まり」

ξ゚⊿゚)ξ「何で全部言っちゃうの……?」

( ^ω^)「その顔が見たくて……」

ξ゚⊿゚)ξ「…………」

( ^ω^)「あーん嘘ウソごめんね可愛いねーンンー許してーにっこり笑ってー」

ξ゚⊿゚)ξ「ブーンのそう言うとこきらーい……」

( ^ω^)「胸に刺さるンゥ……読んじゃお……」


209 名無しさん[sage] 2018/03/25(日) 23:15:41 ID:dr8mfbeg0




 それは、清らかな少年の話。

 それは、己を罰し続けてきた話。

 それは、神にも打ち明けられなかった話。

 腹に宿る疼きに眉を寄せながら、彼はいったい何に抱かれるのでしょうか。




『とろけるどくにいろそまり。』



 彼にしなだれかかるのは、うっすら微笑む一人の女。






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